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十勝自然保護協会 活動速報

2021年09月11日

道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関して環境省に再質問書を送付

 当会の2021年6月9日付の「道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問」に対し、7月26日付で環境省釧路自然環境事務所から回答がありましたが、その回答に対し以下の再質問書を送付しました。

********************


2021年9月7日


釧路自然環境事務所長 田邊 仁 様

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


   道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する再質問について

 当会は2021年6月9日付で貴職に質問書を提出し、7月26日付事務連絡として貴職より回答をいただきました。
 この回答について、以下に再質問をいたします。
 ご多忙とは存じますが、10月1日までに回答をいただきたくお願いいたします。



(1)平成27(2015)年12月22日の環境省中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会(第31回)での説明根拠について「オンネトー線道路(車道)事業の決定規模を変更する検討にあたっては、前田一歩園財団発刊の『阿寒国立公園の自然1993』をはじめとした文献を参考にしました」とのことでしたが、『阿寒国立公園の自然1993』の何ページなのか、どの図版なのかをご教示ください。また、その他の文献についても、名称等をご教示ください。官庁などの刊行物で一般の手に入りにくいものについてはコピーをいただければ幸いです。
(2)計画路線について「現在の北海道案」は、第3種特別地域を通過していませんが、第2種特別地域は引き続き通過しています。第2種特別地域では現道を使用せず、現道に沿って新たに森林を開削するようになっています。上記小委員会における諮問の対象は現道のことを指しているのではないでしょうか。なお、この計画案では、切土・盛土が連続するため、開削の幅は30m~40mになり、巨大な空間が出現し生態系に大きな影響を与えることは、貴庁職員がオブザーバーとしてご出席しているワークショップの参加者の皆さんが指摘しています。施工方法等以前の問題とはならないでしょうか。貴職のご見解をうかがいたく存じます。

以上


  


Posted by 十勝自然保護協会 at 11:51Comments(0)道路問題

2021年08月12日

更別湿原のヤチカンバ保全に関し更別村教育委員会より回答

 7月8日付の『北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」保全についての質問と要望』に対し、更別村教育委員会から以下の回答がありました。

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更  教  号
令和3年8月4日


十勝自然保護協会
共同代表 安 藤 御 史 様
     佐 藤 与志松 様

更別村教育委員会  
教育長 荻 原 正

北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」保全に関わる質問要望書への回答について

2021年7月8日付け標記質問要望書について、下記のとおり回答いたします。


1 2020年2月の質問書に対する回答以降の進展等について
①指定地域内の雑種についての専門家による調査について
・前回回答時と同様、専門家による調査までは実施できていません。
②指定地域内の乾燥化、ヤマナラシ・ミヤコザサ・オオイタドリなど他種の繁茂への対策について
・2020年に指定地内のオオイタドリ分布域内外の方形区においてヤチカンバの生育個体数調査を実施しました。調査結果から、オオイタドリ優占域に設置した方形区の生育個体数が、2004年の調査時よりも大幅に減少していることが明らかになりました。この結果から、現況のヤチカンバ生育状況を把握することが喫緊の課題と考え、今年度には2004年以来17年ぶりに指定地全域のヤチカンバ分布調査を実施しております。今後は、この結果を踏まえて対策の検討を進めてまいります。
・対策の実施に向けた具体的なスケジュールは未定です。ヤチカンバの生育個体や生育環境、他の植物等に悪影響を及ぼさぬよう、慎重に検討を進めてまいります。
③専門的な有識者による組織の立ち上げについて
・前回回答時同様、組織化できておりません。しかし、専門的な見地からの指導・助言や調査の必要性については変わらず認識しており、既に検討委員会を組織している別海町教育委員会と連絡を取り合い、有識者との連携方法を模索しております。
④指定地内の十勝坊主群の保全及び啓発活動について
・前回回答時より特に状況は変わっておりませんが、十勝坊主などの知識を広く周知するということは、教育的な観点でも有意義なことと考え、この度、貴協会の展示会へご協力させていただく次第です。
2 指定地に設置している看板への掲載内容の追加について
・ヤチカンバの貴重さや特徴など、広く住民や来訪者に知らせることは必要なことと考えます。昨今はインターネットやス マートフォンの普及など、情報発信の方法も多岐にわたりますので、方法も含め今後も検討してまいります。

(社会教育係)

  
タグ :ヤチカンバ


Posted by 十勝自然保護協会 at 20:59Comments(0)ヤチカンバ保護問題

2021年08月12日

道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問に対し環境省から回答

 6月9日付の「道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問」に対し、釧路自然環境事務所から以下の回答がありました。

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事  務  連  絡
令和3年7月26日


十勝自然保護協会
 共同代表 安藤 御史 様
      佐藤 与志松 様

釧路自然環境事務所長 田邊 仁


 平素より、自然保護行政の推進にあたり、多大なるご理解とご協力をいたたき、誠に感謝申し上げます。6月14日付けで接受した「道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問」に対し、以下のとおり回答します。



(1)
①ご存知のとおり、平成27年度の中央環境審議会で事業の決定規模の変更を諮問したオンネトー線道路(車道)は雌阿寒岳山頂河口域から3km付近にあり、雌阿寒岳火山防災協議会が作成した雌阿寒岳火山防災計画において避難経路に位置づけられています。当時から現在に至るまで、大部分が未舗装路であり、カーブの連続による視距不足や狭隆な幅員のため、対向車との交差が困難な状況です。環境省としても、防災上の観点から避難経路としての機能を持たせる必要性を認識し、このことから、オンネトー線道路(車道)事業の決定規模を変更することで当該区間を公園事業道路に位置づけるべく、諮問しました。

②オンネトー線道路 (車道)事業の決定規模を変更する検討にあたっては、前田一歩園財団発刊の「阿寒国立公園の自然1993」をはじめとした文献を参考にしました。

③第1種特別地域であるオンネトーの風致および原生的な自然環境を維持するため、湖岸付近については拡幅および線形の改良は極力行わず、現道の舗装程度にとどめる方針としています。

④ご質問の「現在の北海道案」が、令和 3年3月23日に示されたものと同一か分かりませんが、環境省がオブザーバーとして出席した令和3年3月23日開催の「一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線モアショロ原野地区の環境影響に関するワークショップ」では、これまでの自然環境調査の結果を踏まえ、第2種特別地域ではなく、国立公園区域外に新設する計画案となっていました。最新の計画路線の詳細については、事業者である北海道にご確認いただければと思います。

(2)
国立公園満喫プ ロジェクトでは国立公園の「ナショナルパーク」としてのブランド化を目指し、訪日外国人を惹きつける取組を計画的、集中的に実施しています。本プロジェクトでは「最大の魅力は自然そのもの」をコンセプトに考 えており、今ある自然を生かしつつ、高品質・高付加価値のインバウンド市場を創造するという観点を重視しています。オンネトー湖岸の静かな環境は国立公園の利用の観点からも重要な資源であるため、当該路線の拡幅については想定されていません。
  


Posted by 十勝自然保護協会 at 20:51Comments(0)道路問題

2021年07月16日

展示会『とかち野の原風景 十勝坊主』のご案内

展示会『とかち野の原風景 十勝坊主』

 十勝坊主(凍結坊主、アースハンモック)は、土が饅頭のように盛り上がった地形で、かつては十勝平野のいたるところにありましたが、開拓や農地改良によってその姿を消していきました。この展示では、ここ数年の研究者の調査をもとに、今もわずかに残る十勝坊主の風景を写真で紹介し、十勝坊主のでき方や構造、十勝坊主に迫る危機についてパネルで解説します。


2021年7月21日(水)から7月31日(土) 9:00~17:00
   *7月26日(月)は休館
会場:帯広百年記念館ロビー(帯広市緑が丘2)

2021年8月11日(水)から8月17日(火) 9:00~17:00
会場:更別村農村環境改善センターロビー(更別村字更別南2線96番地11)

2021年9月3日(金)から9月9日(木) 9:00~19:00
   *9月4日(土)、5日(日) 9:00~17:00
会場:帯広市役所市民ホール(帯広市西5条南7丁目1/1階)

*緊急事態宣言発令のため中止となりました。

*すべて入場無料
*十勝自然保護協会主催
  

Posted by 十勝自然保護協会 at 17:11Comments(0)講演会・学習会 等

2021年07月14日

大樹町海岸の保全に関する要望に対しSPACE COTAN株式会社から回答

 6月9日付の「大樹町海岸の自然環境の保全についての要望」に対し、SPACE COTAN株式会社から以下の回答がありました。

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2021年6月30日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史 様
              佐藤 与志松 様

SPACE COTAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 小田切義憲


 私共、SPACE COTAN株式会社は本年4月に設立し、今後体制整備を行いましたのち、射場の運営・管理業務を大樹町からの指定管理制度にて実施することを前提と致しまして、現在準備を進めております段階でございます。
 弊社もここ大樹町を中心としまして航空宇宙産業を活性的に推進するため、自然環境維持の重要性を理解しました上で、共生していくべく、関係者の皆様の納得のいくよう広くご意見を賜りたく考えております。今回、要望書という形式にて頂戴いたしましたが、今後コロナ禍が落ち着きました際には、直にご意見等を伺わせて頂く機会の設定させて頂きたいと考えています。

 今回頂戴いたしましたご要望に関しまして、計画されます射場の整備等につきましては大樹町様が主体として実施する役割を担っております。大樹町長様にすでに要望書をお送りされていると伺っておりますところ、大樹町様にて具体的な対策等を検討され、弊社では、大樹町様のお考え、方針に従いまして、対応をさせていただくことになります。

1.Ll射場の拡張整備について
頂戴しました①から④に関しまして、ご要望として理解いたしました。上述の通り、弊社は大樹町様の指示に基づきまして拡張整備に関わる業務の一部を担う役割となりますので、大樹町様と連携し対応を検討する際の参考とさせて頂きます。

2.現滑走路の延伸案について
本要望に関しまして、理解いたしました。前項同様に大樹町様と連携し対応を検討する際の参考とさせて頂きます。

3.ロケットの実験や発射時における対策について
本要望に関しまして、理解いたしました。前項同様に大樹町様と連携し対応を検討する際の参考とさせて頂きます。

以上

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 16:59Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2021年07月14日

大樹町海岸の自然環境の保全に関する質問と要望に大樹町から回答

 6月9日付の『大樹町海岸の自然環境の保全と「北海道スペースポート」に関わる質問と要望』に対し、大樹町長から以下の回答がありました。

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樹企商第 253 号
令和3年6月30日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史 様
              佐藤 与志松 様

大樹町長 酒森 正人


大樹町海岸の自然環境の保全と「北海道スペースポート」に関わる質問と
要望について (回答)

2021年6月9日付けで送付のありました件について、次のとおり回答いたします。

1 インターステラテクノロジズ (IST)の失火に関して
IST社による、本年4月13日、15日の町有地内における失火について、町としてはIST社に対して原因の究明と、今後は同様の事態を起こさないよう強風時での実験中止や燃焼物の飛散防止等の対策を検討するように伝えております。後日、IST社からは、原因はエンジン部品やディグレクタ周囲の破損物、グラファイトが飛散したことによるものであり、対策として破損物飛散を防ぐためのウォーターカーテンの設置、風速が一定の数値以下であることの実験実施条件への追加などの措置を講じた旨の説明を受けております。
2 「北海道スペースポート」整備計画に関して
①本年度は、航空公園機能拡充のための基本設計業務を行います。この業務では、L1射場及び滑走路延伸に係る実施設計業務を行うための基本的な整備事項を検討するものです。実際の整備場所・方法については、本業務の中で検討し、環境調査についても合わせて実施します。業務期間は令和4年3月31日 までとなっております。
②L2射場の環境影響調査ですが、当初 2020年度での実施を検討しておりましたが、予算等の都合で2020年度に実施できませんでしたので、現時点では、お示しできる情報はございません。同調査については、本年度以降の実施を検討しておりますが、具体的な日程は決まっておりません。

(企画商工課航空宇宙推進室)

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 16:53Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2021年07月13日

更別湿原のヤチカンバの保全について質問と要望を送付

 以下の質問と要望を更別村教育長に送付しました。

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2021年7月8日


更別村教育委員会 教育長 荻原 正 様

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」保全についての質問と要望

 当会は、2014年以降、北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」の保全について、指定者である北海道教育委員会、管理者である貴委員会に対し要望等を提出し、回答をいただいてきました。
 つきましては、下記の質問と要望についてご検討いただき、誠にご多忙とは存じますが、文書にて8月5日までにご回答いただきますようお願いいたします。



1 2020年2月には、下記の件について質問書を提出し、回答をいただいています。その後、進展がありましたらご説明いただきたく存じます。また、これ以外の今後の保全事業の計画も合わせてご説明いただきたく存じます。
① 指定地域内の雑種についての専門家による調査について
② 指定地域の乾燥化、ヤマナラシ・ミヤコザサ・オオイタドリなど他種の繁茂への対策について
③ 専門的な有識者による組織の立ち上げについて
④ 指定地内の十勝坊主群の保全及び啓発活動について
2 指定地には、指定当時の看板がありますが、この看板からは、その後の別海町西別のヤチカンバの発見などの変化が分かりません。また、ヤチカンバ以外にも多種の樹木があり、一般の方にはヤチカンバの特定が困難です。ヤチカンバの分布・特徴などの解説をした追加の掲示板の設置を要望いたします。
  
タグ :ヤチカンバ


Posted by 十勝自然保護協会 at 13:25Comments(0)ヤチカンバ保護問題

2021年06月25日

「日高山脈襟裳国定公園の国立公園化準備に伴う動きについての再質問書」への回答

 6月9日付の「日高山脈襟裳国定公園の国立公園化準備に伴う動きについての再質問書」に対し、環境省から以下の回答がありました。

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環北地国第2106181号
令和 3 年 6 月 18 日

十勝自然保護協会
共同代表 安藤 御史 様
     佐藤 与志松 様

北海道地方環境事務所長
安田 直人
(公印省略)


「日高山脈襟裳国定公園の国立公園化準備に伴う動きについての再質問書」に対する回答について

 平素より自然保護行政の推進にあたり多大なるご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。
 2021年6月9日付けで送付いただいた質問書について、以下のとおり回答します。

(1)について
 環境省が整理した「国立公園としてふさわしい資質」については、別添資料「日高山脈襟裳地域における景観要素」を参照ください。

(2)について
①公園名称を含む公園計画については、自然公園法第7条第1項及び同条第3項に基づき、環境大臣が関係都道府県及び中央環境審議会自然環境部会の意見を聴いた上で、官報告示により決定されます。
②公園名称を含む公園計画の作成過程については、以下を参照ください。
「国立公園及び国定公園の候補地の選定及び指定について(平成25年5月17日付け環自国発第1305171 号、環境省自然環境局長通知)」
http://www.env.go.jp/park/doc/law/keikaku01.pdf
「国立公園の公園計画等の見直し要領について(平成25年5月17日付け環自国発 第 1305174 号、環境省自然環境局長通知)」
http://www.env.go.jp/park/doc/law/keikaku04.pdf
③関係自治体連絡会議において、現時点では環境省から公園名称を議題にする予定はありません。
④公園名称を含む公園計画に関する意見や要望については、②に基づいて関係都道府県及び市町村を対象に聴取することになります。貴団体におかれましては既に要望書を提出いただいておりますので、公園計画作成の際のご参考とさせていただきます。
⑤公園計画の環境省原案が作成された段階で行政手続法第39条に基づくパブリックコメントを行い、広く一般の意見を求める予定です。

(3)について
・ビジョン骨子案については、関係自治体連絡会議において作成します。その検討過程において、必要に応じて専門家等の意見を聴取します。

          <本件担当>
           環境省 北海道地方環境事務所 国立公園課
           電話:011-299-1953
           Mail : REO-HOKKAIDO@env.go.jp
  

Posted by 十勝自然保護協会 at 20:58Comments(0)日高山脈

2021年06月16日

日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に伴う名称についての再要望書

 当会は2021年2月13日付けで環境大臣に「日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に伴う名称についての要望書」を送付しましたが、補足説明を加えた再要望書を送付しました。

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2021年6月13日


環境大臣 小泉 進次郎 様

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に伴う名称についての再要望書


 先に、当会から要望書(2021年2月13日付)を提出しましたが、その後の北海道地方事務所の国立公園化の動き等を踏まえ、要望書の趣旨について補足説明を加え、ここに「再要望書」として提出いたします。
 先の要望書において、次のように記述しました。
 《そもそも、「日高山脈」の有する価値とは、原始性と国際的国立公園資質といえるでしょう。広域概念の「十勝」を併記することで、「日高山脈」のこれらの原始性と国際的国立公園資質を損なうのではないかと危惧されます。》
 この記述について説明を加えます。なお、広域にわたる日高山脈襟裳国定公園の核心部分は日高山脈ですので、専ら日高山脈についての論考です。
 2006年10月、当協会を含む4団体が、当該国定公園を国立公園化する要望書を関係機関に提出しており、その中で7項目の特徴を挙げましたが、その7項目を要約的にまとめたものが「原始性と国際的国立公園資質」ということです。
(1)原始性について
 原始性を測る尺度に、植生自然度があり、日高山脈は知床や大雪山と共に、高い自然度を有しています。また、環境省の「環境白書」(2001年)において、日高山脈は原生流域保護地域の第1位であると発表されました。しかも第2位の大雪山と比較して、群を抜く優れた値を示していることに注目する必要があります。現地の実態を観察しますと、大雪山は三方(旭岳温泉、層雲峡、銀泉台)に車とゴンドラで入山できる利便性がありますが、日高山脈は長い林道のアプローチと徒歩で沢をこぎ入林する不便さがあります。この大きな差異が、日高山脈の際立った原始性という特徴を如実に示しています。
(2)国際的国立公園資質について
 IUCN(国際自然保護連合)は、自然保護地域を6つのカテゴリーに区分し、カテゴリーⅡを国立公園としております。2003年に各国の国立公園リストの公表を行いましたが、日本の国立公園28のうち23がカテゴリーⅤの「環境保護地域」に分類されております。これは、日本の国立公園の大半が、私有地を含む地域制公園であるため開発の手が入ったことによるものです。しかし、北海道の国立公園・大雪山や知床は、90%以上が国有林と道有林地帯であり、近年、林野庁の経営目的が木材生産から公益機能に転換したことにより、実質的な造営物公園となり、開発を排除したカテゴリーⅡの区分に入る可能性を有しております。日高山脈は、2003年に日高中央横断道路の凍結・中止がなされ開発の排除が実現し、その原始性の特徴を保護する条件が完全に整った公園として、カテゴリーⅡに入る資質を有していると言えます。
(3)資質を損なう危惧について
 「十勝」を併記することは、それに見合った自然地域を十勝平野に求め、公園の拡大を図ることになります。名称改変のため、その整合性を求めるという動機は本末転倒です。果たして十勝平野に国立公園としての適地が見つかるかどうか疑問です。阿寒国立公園の例では、阿寒横断道路の開発によって劣化したところへ、摩周湖という優れた自然地域を拡大して阿寒摩周国立公園としました。また、厚岸道立自然公園の例では、昆布森海岸、別寒辺牛湿原、霧多布湿原という優れた自然地域を大幅に拡大して厚岸霧多布昆布森国定公園としました。これらの例のような理にかなった名称変更が日高山脈襟裳国定公園の場合できるでしょうか。無理に選定地域を設けて公園拡大することによって、日高山脈の特徴を損ねることはないでしょうか。
 更に、「十勝」併記を要望する自治体の意図は、日高山脈の知名度に依存して観光集客を図ろうとする以外の何物でもありません。そのことは利活用のみを重視し保護を軽視する傾向を引き起こし、日高山脈の優れた特徴を損なうおそれがあります。
 以上のことを勘案して、「十勝」併記と、そのための安易な公園拡大については賛成しがたいというのが当会の考えです。
  

Posted by 十勝自然保護協会 at 19:56Comments(0)日高山脈

2021年06月11日

大樹町海岸の保全に関しSPACE COTAN株式会社に要望書を送付

 大樹町が整備した「北海道スペースポート」の設備施設を指定管理者として委託されている「SPACE COTAN株式会社」に、大樹町海岸の自然環境の保全について要望書を送付しました。

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2021年6月9日


SPACE COTAN株式会社 CEO 小田切 義憲 様

十勝自然保護協会 共同代表  安藤 御史
         佐藤与志松


   大樹町海岸の自然環境の保全についての要望

 当会は、十勝地方の自然を保全し、自然環境の保護育成につとめ、生活と文化向上に貢献することを目的に活動をしています。
 当会は、大樹町に対してここ数年にわたり、大樹町海岸の自然環境の保全について要望書を提出してきたところです。本年4月20日に貴社が設立され、大樹町が整備した「北海道スペースポート」の設備施設を指定管理者として委託されております。貴職におかれましては、大樹町海岸を含む十勝海岸の自然環境の保全についてご理解を賜りますよう要望いたします。

 大樹町から豊頃町・浦幌町に至る海岸線には、当縁湿原・ホロカヤントー・生花苗沼・キモントー・湧洞沼・長節沼・十勝川河口湿原・トイトッキ浜・豊北海岸という湿原・湖沼・海岸草原が連続し、「十勝海岸湖沼群」ともよばれております。そこには、多様な動植物が存在し、独特の生態系が作られています。とくに現在の実験場に隣接する当縁湿原とその周辺について、植物には貴重種が少なくありません。環境省レッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に記載されている絶滅危惧ⅠB類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種などが多数確認されています。また、国指定の特別天然記念物であるタンチョウの営巣地となっています。
 このようなことから環境省は、当縁湿原をはじめとする「十勝海岸湖沼群」を「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(重要湿地)」として選定しています。
 北海道も「北海道自然環境保全指針」において「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に指定しています。また、北海道文化財として2地区(トイトッキ浜、長節湖湖畔)の植物群落を天然記念物に指定しています。
 国際的な鳥類保護組織バードライフインターナショナルは、タンチョウ繁殖地、ガン類渡来地としての重要性から、十勝海岸湖沼群・十勝川下流域を「重要野鳥生息地IBA」として指定しています。
 このようなことから、この地域は、ラムサール条約登録地に十分に該当するものです。
 また、大樹町海岸は、海岸海浜植生、湿原植生だけでなく、強風と濃霧のなかで生命をつないできた自然度の高い長大なカシワ海岸林が実験場まで延びており、林床植物も含め貴重なもので、上記「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に取り上げられています。
 さらに、実験場西側に隣接して現在では極めて希少となった地形である「十勝坊主(アースハンモック)」群が広がっており、専門家からは低地における十勝坊主群の南限との指摘があります。
 実験場北側段丘面の草原には、北海道指定史跡であるホロカヤントー竪穴群(晩成地区)に連なると思われる竪穴跡も多数あります。
 このような自然環境は、ひとたび壊されたならば回復不可能となります。当会は、このような十勝海岸の自然の貴重さを次の世代に残すことが重要であるとの立場で保全を強く訴えています。

 大樹町長からはすでに当会への文書の中で、「当縁湿原を含む『十勝海岸湖沼群』が環境省の『生物多様性の観点から重要度の高い湿地』に選定されていることも承知しておりますし、貴重な資源と考えているところでもあります。」との見解をいただいております。また、昨年は射場整備についての要望に対し「…自然環境と共生する射場の整備を目指しておりますので、これまでと同様に、周辺環境に配慮した事業計画策定に努め、自然環境と共生が図られるロケット射場整備を検討していきたいと考えております。」との回答もいただいております。
 今後、管理運営のみならず、ロケット発射場の整備・拡張・新設、アクセス道路および諸建造物設置などの事業計画策定にも深くかかわる貴社におかれましては、周辺自然環境の損失を回避するように計画されることを強く要望するものです。

 当会は、とくに当面する問題として、大樹町長に対しすでに以下の要望をしております。貴職に対しても要望させていただきたく存じます。
1.L1射場の拡張整備について
①今まで提示されていた設計案はカシワ林を広範囲に伐採するものです。当該地区のカシワ林は、浜大樹より連続する道内的にも貴重なカシワ海岸林の末端部であり、伐採を伴わない計画としていただきたい。埋蔵文化財調査では考えられていた埋蔵文化財跡が見られなかったからカシワ林を広範囲に伐採できるということにはなりません。
②旧防衛省実験場敷地跡(それに沿った道路周辺)を基本とする計画としていただきたい。
③現在のIST実験場には使用されていないかなりの空所があるので、ここを活用するべく、2つの射点で共用できる施設設備も含め精査し、全体として計画を整理していただきたい。
④新案の設計検討に際して、町立会いのもと、設計担当者と面談する機会を設けていただきたい。
2.現滑走路の延伸案について
 東西に300m伸ばす3案が提示されていますが、東に延ばすことにより近接する自然度の高い長大な海岸カシワ林の伐採をするべきではなく、西側にのみ延伸すべきです。
3.ロケットの実験や発射時における対策について
 本年4月に起きた2度の草原火災、あるいは過去に見られた発射失敗に関わる周辺植生の一部焼失、また姿勢制御実験での湿原周辺への着地に伴う植生破壊など、周辺の自然環境への損失を回避するための対策、ガイドラインの設定などを行っていただきたい。

 貴職におかれましては、上述したこの地域の自然環境の重要さをご理解いただき、運営されることを強く要望するものです。
 ご多忙とは存じますが、6月30日までにご見解を伺えれば幸いです。
  

Posted by 十勝自然保護協会 at 22:30Comments(0)大樹町航空宇宙開発