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2023年02月26日

2023年ラリー北海道での池田開催についての要望

 2月24日に、池田町長に面談の上、以下の要望書を提出しました。なお、池田町議会議員にも同様の主旨の書面を送付しています。

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2023年2月24日


池田町長 安井 美裕 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


2023年ラリー北海道での池田開催についての要望


 池田町は、本年9月8日から10日にかけて十勝管内で開催される「2023年ラリー北海道」に協力するとして、清見ガ丘公園内の旧野球場を競技会場に使用することを許可しました。

 当会は、次の点からこの施設での開催に反対するものです。
(1)清見ガ丘公園はカシワをはじめとする樹木の多い静寂な都市公園であり、散策やパークゴルフなどを楽しむ町民の憩いの場である。午前午後にわたり騒音が響くことはふさわしくない。一般車両の排気音であり問題がないとの説明があるが、通常の運転ではないのでそのような説明はあたらない。
(2)清見ガ丘公園には、この時期は繁殖期ではないが、エゾフクロウに限らず多数の野鳥が生息している。また、とくに多数のエゾリスが年間を通じて生息し、日常的に道路の横断が見られる。
(3)そもそも、昨今のCO2排出に対する世界的な対応からすれば、多数のガソリン車による過度の走行は問題である。

 貴職におかれましては、ぜひ、再検討し、本件への協力を撤回していただきたくお願いいたします。
  

Posted by 十勝自然保護協会 at 16:54Comments(0)ラリー問題

2023年02月25日

ヤチカンバの保全について更別村教育長からの回答

 当会の2月6日付の『北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」保全についての質問』に対し、更別村教育長から回答がありました。

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更   教   号
令和5年2月15日


十勝自然保護協会
共同代表 安藤 御 史 様
     佐藤 与志松 様

更別村教育委員会
教育長 荻 原 正


北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」保全に関わる質問書への回答について

2023年2月6日付け標記質問書について、下記のとおり回答いたします。



1 2021年度実施の「指定地全域のヤチカンバ分布調査」の結果概要について
・「ヤチカンバ保護地域内現況調査」という名称にて実施いたしました。
・調査内容については大きく分けて2つあり、1つはヤチカンバ生育位置等調査、もう1つは土壌調査 です。いずれも前回平成16年度に実施した調査を再度実施したものです。
・ヤチカンバ生育位置等調査では保護地域内に生育する全てのヤチカンバの生育位置、樹高、樹冠径 (枝張り)、幹数を測定しました。
・調査の結果、確認したヤチカンバは1,494株であり、前回よりも1,745株(54%)減少していました。
・土壌調査では代表地点(ヤチカンバ生育密度「疎」「中」「密」の3地点)で深さ1mの試坑を人口掘削し、土壌断面等を確認しました。
・調査の結果、いずれの調査地点でも土壌構造や堅密度、pH等の土壌理化学性は、樹木の生育に適した状態と判断され、ヤチカンバの生育密度の地点間差に土壌条件が及ぼす影響は小さいと考えられました。また、水湿状態では、他地域の過湿地で見られる特徴である、多湿もしくは過湿の土層、地下水、斑紋および泥炭が出現せず、比較的乾燥した条件にあると結論付けられました。(いずれの地点も前回調査から大きな変化なし。)
2 上記調査結果に基づく保全対策について
・当該調査結果から、ヤチカンバの個体数減少傾向が極めて早く進行し、その要因にはエゾヤマナラシやオオイタドリによる被陰以外も関わっていることが示唆されました。このため原因解明に向けて、令和4年度には保護地域内で植生図作成調査、オオイタドリの駆除試験(環境影響が小さいとされる重曹を使用)を実施しました。
・植生図作成調査からは、保護地域内のほぼ全域に生育するミヤコザサが、ヤチカンバの枯死したシュートと置き換わる次世代の若いシュートを被陰し、成長を阻害していることが推測されました。また、衰退要因ではこれまで同様、オオイタドリとエゾヤマナラシ(高木)による被陰のほか、オオイタドリの地下茎(高密度な分布、小空洞の増加)が関与している可能性も推測されました。
・オオイタドリ駆除試験からは、重曹での枯殺効果が認められ、周辺植生への影響もありませんでした。しかし、本種は保護地域内の40%弱の広範囲に生育しており、また、地下茎を衰弱・枯死させるには複数年継続した駆除が必要となり、財政的な面での課題が残る形となりました。
・これらの結果を踏まえ、次年度以降にはヤチカンバの遺伝子保存のための保護優先区画の設定(下草等の除去)や、エゾヤマナラシの伐採、地盤掘り下げによる湿原環境生育種の再生試験の実施を検討してまいります。
3 2021年7月8日付質問書に対する回答以降の進展等について
① 専門的な有識者による組織の立ち上げについて
・本年度より外部有識者として浦幌町立博物館学芸員の持田誠様にご協力をいただいております。今後、各種保全策を実施するにあたり、必要に応じて他の分野の有識者の方にご協力いただくことも見込まれますが、現時点で組織化の予定はありません。
② 指定地内の十勝坊主群の保全及び啓発活動について
・前回の回答と同様に、指定地内のヤチカンバ以外の貴重な植物やその生育環境・地形なども含めた保全が必要と考えておりますが、解説板を設置する予定はございませんので、ご理解願います。
③ ヤチカンバの分布・特徴などの解説をした追加の掲示板の設置について
・来訪いただいた方にヤチカンバという貴重種の存在を確認いただけるよう、情報発信の取組の必要性は認識しております。現時点では具体的な掲示板の設置計画はございませんが、今後の保全活動 を進めるにあたり併せて検討してまいりたいと考えております。

(社会教育係)

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 16:09Comments(0)ヤチカンバ保護問題

2023年02月20日

ヤチカンバ保全についての質問書

 ヤチカンバの保全について、更別村教育長に以下の質問書を送付しました。

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2023年2月6日


更別村教育委員会 教育長 荻原 正 様

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」保全についての質問


 当会は、2014年以降、北海道指定天然記念物「更別湿原のヤチカンバ」の保全について、指定者である北海道教育委員会、管理者である貴委員会に対し要望等を提出し、回答をいただいてきました。
 つきましては、下記の質問についてご検討いただき、誠にご多忙とは存じますが、文書にて3月3日までにご回答いただきますようお願いいたします。



1 2021年7月8日付の質問書に対し、8月4日付でつぎのような回答をいただいております。

2020年に指定地内のオオイタドリ分布域内外の方形区においてヤチカンバの生育個体数調査を実施しました。調査結果から、オオイタドリ優占域に設置した方形区の生育個体数が、2004年の調査時よりも大幅に減少していることが明らかになりました。 この結果から、現況のヤチカンバ生育状況を把握することが喫緊の課題と考え、今年度には 2004年以来17年ぶりに指定地全域のヤチカンバ分布調査を実施しております。

以上について、
(1)2021年度実施した「指定地全域のヤチカンバ分布調査」の結果概要をご説明いただきたく存じます。
(2)調査結果に基づく保全対策についてご説明いただきたく存じます。

2 2021年7月8日付の質問書にあげた次の件について進展がございましたならばご説明いただきたく存じます。
(1)専門的な有識者による組織の立ち上げについて
(2)指定地内の十勝坊主群の保全及び啓発活動について
(3)ヤチカンバの分布・特徴などの解説をした追加の掲示板の設置について
以上

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 13:26Comments(0)ヤチカンバ保護問題