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十勝自然保護協会 活動速報

2020年12月26日

帯広市環境保全推進会議解散等に関わる要望への回答

 12月8日付の「帯広市環境保全推進会議解散等に関わる市長との懇談の要望書」に対する回答がありました。

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帯 環 境 第 90号
令和 2年12月18日

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史 様
             佐藤 与志松 様

帯広市長    米沢 則寿
(都市環境部環境室環境課担当)


「帯広市環境保全推進会議解散等に関わる市長との懇談の要望書」について(回答)

 歳末の候、貴協会におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
 さて、令和 2年12月 8日付の標記要望書について、別紙の通り、回答いたします。
 今後におきましても、帯広市の環境行政へのご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願い致します。



帯広市環境保全推進会議解散等に関わる市長 との懇談の要望書について(回答)

 帯広市環境保全推進会議の解散については、推進会議の中で、前年度4回、今年度1回議論してきたほか、今年2月12月に開催された市議会の厚生委員会で帯広市としての考え方を説明し、最終的には、今年8月5日の推進会議において解散を決定してきていることから、貴協会からの質問に対しては、これまでの議論を踏まえ以下の通り書面により回答させていただきます。

1.帯広市環境保全推進会議の評価と解散の理由について

○帯広市環境保全推進会議の評価について
 帯広市環境保全推進会議が主催し環境学習会や環境交流会などのイベントを開催してきましたが、多くの会員が在籍していた時期は、環境学習会で自然環境のガイドを担っていただいたほか、環境交流会でのブース展示や活動発表会の仕切りなどの運営に、力を発揮していただいたと考えています。
○帯広市環境保全推進会議の解散理由について
 近年は、帯広市環境保全推進会議の会員数が大幅に減少し、これまで主催していたイベントを実質的には運営できない等、活躍の機会が減少していたことのほか、環境審議会や帯広市町内会連合会環境衛生部会など、より豊富な活動実態がある組織を中心に取り組みを進めることとし、会議の解散を提案したものです。

2.基本計画の中にある「市・事業者・市民が協働して」という文言と推進会議解散の整合性について
3.基本計画の中にある「市・事業者・市民が協働して」という文言の具体化について

 市民や事業者との協働については、環境審議会や帯広市町内会連合会環境衛生部会などとの連携をはじめ、企業との協定に基づく取り組みなど、既存の枠組みの中で進めていきたいと考えています。
 一方で、環境学習会や環境交流会などの帯広市環境保全推進会議が主催者として開催してきたイベントについては、今年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため中止 となってしまいましたが、次年度以降は帯広市が中心となり開催する予定であることから、会議の会員であった方々には、引き続き、可能な範囲でご協力をいただければと考えています。

4.「推進会議の活動のまとめ」の作成について

 帯広市環境保全推進会議の活動のまとめについては、平成13年から約 20年に及ぶ活動のまとめとなり作業量が多く、現行の課内職員体制では困難な状況です。 どういった形のまとめであれば可能か、職員配置との兼ね合いを見つつ、引き続き検討していきます。
  

Posted by 十勝自然保護協会 at 21:50Comments(0)その他

2020年12月16日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について再質問書を送付

 10月1日付の北海道知事からの回答を受けて、以下の再質問書を送付しました。

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2020年12月14日


北海道知事  鈴木 直道 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松



一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての再質問書


 貴職への要望書や質問書において、当会は現在のモアショロ原野螺湾足寄停車場線で避難に対応できると主張してきましたが、貴職は新規開削による路線変更が必要だと主張しています。そこで、当会は現地視察を行い、現道を大きく改変せずに避難路として利用することは十分可能であること、また新規開削を行った場合、極めて大きな自然破壊が生じることを改めて確認いたしました。具体的には現道を以下のように改修することで、スムースな避難が十分可能であると考えています。
・幅員を広げることが可能な場所では幅員を広げ、対向車に備え待避場を多めに設ける。
・カーブは基本的にそのままとし、カーブ部分の幅員を広くする。
・路面はオンネトー湖岸の道路のような簡易舗装とする。
・崩落の可能性がある場所に関しては、環境に配慮した上でできる限り小規模の崩落防止工事をする。
 10月1日付(道路第303号)の貴職からの回答について、上記の提案を踏まえた上で、再び質問をさせていただきます。項目ごとに回答できないような質問ではありませんので、必ず項目ごとにご回答ください。年末年始をはさみご多忙とは存じますが、1月14日までに回答くださいますようお願い申し上げます。


1 「『雌阿寒岳火山防災計画』では、噴火時の避難については、大規模な山体崩壊や火砕流、溶岩流、降灰などが発生する前の段階である噴火警戒レベル3になった時点で、雌阿寒温泉やオンネトー周辺など危険な区域から登山者や観光客が当該道路等を使用して避難を開始するとされております。」との回答がありました。
 噴石や降灰が発生する前に避難を開始するのであれば、1分1秒を争うような迅速な避難をする必要はありません。新たな道路建設によって数分でも早く避難することにこだわる理由を説明してください。

2 「この計画においては、避難の安全・確実性を確保することが重要とされておりますが、整備を検討している区間は、急カーブの連続で見通しが悪いことや狭小幅員による対向車との交差が極めて困難であることなどが課題とされており、道としては、早急にこれらを解消する必要があるものと考えています。」との回答がありました。

(1)前項で指摘した通り、迅速に避難する必要がないので、カーブがあっても問題はありません。カーブ部分の幅員を広くすることで、出合い頭の事故の防止にもなります。異論や反論がある場合は具体的に説明してください。

(2)「狭小幅員による対向車との交差が極めて困難」との指摘がありますが、避難が必要な状況ならばゲートに電光掲示板を設けて「進入禁止」と表示すれば対向車の侵入は考えられません。現場の安全が確認できなければ救急車やパトカーなどの緊急車両も入ることはありません。まして、噴石や降灰が発生する前に避難するとのことであれば、救急車両が入る必要性は全くありません。また、仮に救急車が出動するとしても足寄町からゲートまでは約37㎞あるために、救急車が到着する前に避難すべき車両は幅員の狭小な部分を通り過ぎており、狭小部分で交差する可能性は低いと考えられます。異論や反論がある場合は具体的に説明してください。

(3)降灰があった場合は①降灰で視界不良になる。②前方を走る車両が巻き上げる降灰で視界不良になる。③滑りやすくなることが指摘されています。降灰で視界不良になることに関しては、「足寄町雌阿寒岳防災マップ」の「どこで・どんな災害が・・・?」の「小噴火および中噴火」の項に「視界不良による交通障害に注意」との記載があります。したがって、速やかに走行できる2車線で勾配の少ない道路を建設したところで安全な走行はできません。異論や反論がある場合は具体的に説明してください。

3 「当該道路の整備にあたっては、環境への配慮が必要であることから、ワークショップにおいて、有識者などの意見を伺いながら、現道利用案も含め比較したところ、現道利用は大規模な地すべり対策を必要とするなど、国立公園内の自然改変が大きくなることから、極力、公園区域外に新たなルートを整備する案で検討を進めています。」との回答がありました。

(1)現道を利用する場合、大規模な地すべり対策が必要とのことですが、これは現道を5.5mに拡幅することが前提となっています。現道の幅を大きく変えなければ、大規模な工事は必要ありません。然別湖畔の道道85号は大雨で崩落が生じましたが、景観に配慮しながら法面の工事を行っています。したがって大きな自然改変が必要な大規模な地すべり対策は不要と考えます。反論がある場合は具体的に説明してください。

(2)現道利用は「国立公園内の自然改変が大きくなる」という主張も現道を5.5mに拡幅することが前提であり、当会の提案する改変であれば周辺の自然にほとんど手をつけずに済みます。それに対し、新規開削案では、オンネトー駐車場付近より南側の第2種特別区域の約1㎞がほぼ全線にわたって切土・盛土による幅30~40mの法面が形成されるなど「国立公園内の大きな改変」があるほか、国立公園外でも広大な森林伐採が行われ希少植物の生育地も破壊されます。どちらが自然環境に大きな影響を与えるかは明白です。反論がある場合は具体的に説明してください。

4 「引き続き、ワークショップにて、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて、ご意見を伺いながら、検討を進めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。」との回答がありました。

(1)当会は当初からワークショップに参加し、生態系・生物多様性の保全、景観の保全の立場から、新規開削に伴って生じるほぼ全線にわたっての大規模な法面の出現が及ぼす自然環境の変化について多面的に問題点を指摘し、現道を利用しての整備案も提言し、まさに「周辺自然環境への影響や必要となる保全措置など」について発言してきました。
 しかし、ワークショップでは、「環境調査結果に関する意見聴取、環境影響に関する意見聴取」に議題が限られており、「噴火現象に応じた避難と道路のあり方」についての議論などは行われず回を重ねてきました。
 そのような状況を踏まえ、当会は、2019年4月以降、帯広建設管理部長あてに「噴火現象に応じた避難と道路のあり方」を論点にした質問書、要望書を提出しました。さらには貴職あてに「新規開削よりも環境破壊が少ない現道利用の整備の再検討」の要望も明確にしながら、「噴火現象に応じた避難と道路のあり方」を論点にした書面を提出してきました。
 火山噴火の際の避難を目的とした道路計画である以上、噴火現象を踏まえた避難の議論は不可欠です。ワークショップではなぜそのような検討を行わなかったのか説明してください。

(2)当会は要望書や質問書において自然環境への影響がほとんど生じない現道利用案を提案しています。しかし「周辺自然環境への影響や必要となる保全措置など」を検討しているワークショップにおいて、当会の要望書や質問書は資料として配布されるだけで検討されたことはありません。「引き続き、ワークショップにて、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて、ご意見を伺いながら、検討を進めてまいります」との回答されているのですから、自然環境への影響がほとんどない当会の現道利用案を議題として取り上げないのは言行不一致になります。当会の現道改修案を議題にせず無視する理由を説明してください。

  


Posted by 十勝自然保護協会 at 13:48Comments(0)道路問題

2020年12月13日

帯広市環境保全推進会議解散等に関わる市長との懇談の要望

 12月8日付で、帯広市長に以下の要望書を送付しました。

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2020年12月8日

帯広市長 米沢 則寿 様 

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤與志松


帯広市環境保全推進会議解散等に関わる市長との懇談の要望書


 帯広市は令和2年(2020年)3月に、「第三期帯広市環境基本計画」(以下、基本計画)を策定しました。
 この基本計画策定にあたり、「帯広市環境保全推進会議」(以下、推進会議)の今後について、令和元年(2019年)第2回推進会議(8月22日開催)以来数度にわたって、事務局と推進会議委員との間で協議を行ってきました。
 2020年1月23日の第5回推進会議で、当会派遣の委員を通して当会は「地球温暖化の深刻化している中で、市民・企業・行政が協力して取り組みを進めなくてはならない時期に、推進会議を解散すべきでない」との見解を表明しました。
 その後、新型コロナの感染拡大に伴い、3月19日予定の推進会議を開くことができず、8月5日に第6回推進会議を開きました。この時には既に「基本計画」が策定されていました。
 第6回推進会議の中では、「解散やむを得ない」という意見が多く出されましたが、当会委員は態度を保留しました。その後、当会理事会で「やむを得ない」と追認することにし、9月23日に事務局に連絡しました。その際、推進会議の解散は帯広市の環境行政の後退に他ならないので、この件について市長と懇談の場を設けること、また「推進会議の活動のまとめ」をしっかり作成することを口頭で要望しました。
 9月30日に事務局から当会委員に「市長との意見交換の場は必要ない」また「活動のまとめの作成については、今は難しい、結論が出ていない」と電話で回答がありました。
 この問題について、当会理事会で協議した結果、市長に懇談の場を要望することを文書で改めて申し入れることとなりました。
 懇談の場では、下記について市長の見解をうかがうとともに、当会の意見を表明して、帯広市の環境行政の推進に寄与したいと考えています。
 つきましては、年末でご多忙と存じますが12月25日までに文書で回答下さいますようお願い申し上げます。


1 帯広市環境保全推進会議の評価と解散の理由について
2 基本計画の中にある「市・事業者・市民が協働して」という文言と推進会議解散の整合性について
3 基本計画の中にある「市・事業者・市民が協働して」という文言の具体化について 
4 「推進会議の活動のまとめ」の作成について   
以上

  


Posted by 十勝自然保護協会 at 21:14Comments(0)その他

2020年12月06日

とかち帯広空港内のアースハンモックの保存に関する要望と回答

 北海道エアポート株式会社に対し、とかち帯広空港敷地内のアースハンモック(十勝坊主)の保存についての要望書を送付しました。以下、要望書とそれに対する回答です。

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2020年11月10日


北海道エアポート株式会社 代表取締役社長
蒲生 猛 様

十勝自然保護協会 共同代表  安藤 御史
佐藤与志松


とかち帯広空港敷地内のアースハンモック(十勝坊主)の保存に関する要望

 当会は、十勝地方の自然環境を保全するため、さまざまな活動をしています。日頃よりご理解とご協力を賜り、感謝申し上げます。
 当会の活動の一つに、十勝管内のアースハンモック(十勝坊主)を保全する活動があります。
 当会は2016年以降、十勝管内のアースハンモックについて、小疇尚氏(明治大学名誉教授 自然地理学・地形学)ら複数の研究者と共同調査を行っています。
 帯広市泉町とかち帯広空港敷地内のアースハンモックに関し、帯広市の許可を得て、温度センサーなど機器を設置して調査を継続し、本年3月に刊行された帯広百年記念館紀要第38号で論文『帯広市泉町のアースハンモック(十勝坊主)』が掲載されました(別添)。
 当地のアースハンモックは、多くは大型で整った形状をしており、推定数千個に及ぶ日本最大の密集地と考えられます。
 十勝管内のアースハンモックが開発等で消滅するなか、学術上、貴重性の高い地形標本として、公的な保存の必要性を訴えて、2019年度に以下の関係部署に説明をし、保存の申し入れをしています。
 2019年10月30日 帯広市教育委員会生涯学習部文化課
 2019年11月6日  帯広市商工観光部空港事務所(小疇尚氏同席)
 さらに、本年10月5日付で帯広市教育委員会教育長あてに「市文化財指定の要望書」を提出しています(別添)。
 空港敷地内という安全保安上厳しい場所ではありますが、極めて文化的価値が高いアースハンモックを多くの市民が観察できるような措置も工夫され、教育上広く活用されることが望ましいと考えられます。
 2021年3月より貴社が同空港を管理することとなりますので、以上の経緯については、10月26日、同空港において貴社総合企画本部担当者 他関係者の皆様に説明いたしたところです。ここに改めて書面で貴職に要望をいたします。ご多忙と存じますが、11月末日までにご見解をいただければ幸いです。


添付書類
・「帯広市泉町のアースハンモック(十勝坊主)」 2020年帯広百年記念館紀要第38号
・帯広市教育委員会教育長あて「市文化財指定の要望書」(2020年10月5日付)


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2020年 12月 1日

十勝自然保護協会
共同代表 安藤 御史 様
     佐藤与志松 様

北海道エアポート株式会社
代表取締役社長 蒲生 剛



「とかち帯広空港敷地内のアースハンモック(十勝坊主)の保存に関する要望」について


拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、誠に ありがとうございます。
 さて、11月 10日 付の貴協会よりご要望のありました標記の件につきまして、下記のとおり見解を申し上げます。
敬具




■標記の件に関する見解
 今後の計画については貴協会から頂いたご要望を参考にしながら、進めて参りたいと思います。

以上

  


Posted by 十勝自然保護協会 at 21:07Comments(0)アースハンモックの保全

2020年10月17日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての質問に対する知事からの回答

 当会の8月22日付の質問書に対して、北海道知事から以下の回答がありました。
 5月22日付の要望に対して各問に対応した回答がなかったために、各問ごとに回答するよう求めたのですが、今回も項目に応じた回答をしていただけませんでした。質問項目に即した回答ができない、あるいはしたくないということであれば、新規開削は根拠がないと判断されても仕方ないでしょう。
 「大規模な山体崩壊や火砕流、溶岩流、降灰などが発生する前の段階である噴火警戒レベル3になった時点で、雌阿寒温泉やオンネトー周辺など危険な区域から登山者や観光客が当該道路等を使用して避難を開始する」というのなら、モアショロ線を大々的に付け替える必要性はないと考えます。

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道 路 第  303  号
令和2年(2020年)10月1日


十勝自然保護協会
 共同代表 安藤 御史 様
      佐藤 与志松 様

北海道知事 鈴木 直道
(公 印省略)


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての質問書(回答)


 平素より、北海道の建設行政について、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 また、貴協会におかれましては、十勝総合振興局帯広建設管理部が主催するワークショップにおいて、貴重なご意見をいただいていることについて、重ねてお礼申し上げます。
 さて、2020年8月25日付けで貴協会からのご質問について、下記の通り回答いたします。



 「雌阿寒岳火山防災計画」では、噴火時の避難については、大規模な山体崩壊や火砕流、溶岩流、降灰などが発生する前の段階である噴火警戒レベル3になった時点で、雌阿寒温泉やオンネトー周辺など危険な区域から登山者や観光客が当該道路等を使用して避難を開始するとされております。
 また、この計画においては、避難の安全・確実性を確保することが重要とされておりますが、整備を検討している区間は、急カーブの連続で見通しが悪いことや狭小幅員による対向車との交差が極めて困難であることなどが課題とされており、道としては、早急にこれらを解消する必要があるものと考えています。
 当該道路の整備にあたっては、環境への配慮が必要であることから、ワークショップにおいて、有識者などの意見を伺いながら、現道利用案も含め比較したところ、現道利用は大規模な地すべり対策を必要とするなど、国立公園内の自然改変が大きくなることから、極力、公園区域外に新たなルートを整備する案で検討を進めています。
 引き続き、ワークショップにて、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて、ご意見を伺いながら、検討を進めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
 なお、立ち入り規制など、想定される火山現象の状況に応じた警戒避難体制の整備については、今後も雌阿寒岳火山防災協議会にて関係機関と必要な協議を行ってまいります。

連絡先:道路計画課     
TEL:011-231-4111(代表)
内線:29-218        
FAX:011-232-6329    
   



  


Posted by 十勝自然保護協会 at 20:23Comments(0)道路問題

2020年10月08日

帯広市のアースハンモックの文化財指定を求める要望書

 周氷河地形の一つであるアースハンモック(十勝坊主)を、帯広市の文化財に指定するよう求める要望書を帯広市教育委員会に送付しました。

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2020年10月5日


帯広市教育委員会教育長  池原 佳一 様

十勝自然保護協会共同代表  安藤 御史
佐藤与志松


帯広市泉町とかち帯広空港敷地内アースハンモック(十勝坊主)の市文化財指定に関する要望

 当会は、十勝地方の自然環境を保全するため、さまざまな活動をしています。日頃よりご理解とご協力を賜り、感謝申し上げます。
 当会の活動の一つに、十勝管内のアースハンモック(十勝坊主)を保全する活動があります。

(1)アースハンモック(十勝坊主)について
 共同調査者である小疇尚氏(明治大学名誉教授)は次のように説明しています。
 「アースハンモックは短茎草本や矮小灌木類におおわれた、径1~2m前後、高さ数十㎝の土饅頭で、周氷河地形のひとつ構造土の一種である。世界的には永久凍土帯から季節凍土帯まで周氷河地域に広く分布し、日本では大雪山、羊蹄山、北上山地、南アルプスの高山帯で分布が知られている。日本の低地では十勝平野で初めて発見され、『十勝坊主』と名付けて報告された(山田、1959)。」

(2)調査研究の経緯
 当会は2016年以降、十勝管内のアースハンモック(十勝坊主)について、上記、小疇尚氏ら複数の研究者と共同調査を行ってきました。
 そして、帯広市泉町のアースハンモックに関し、帯広市の許可を得て、とかち帯広空港敷地内で温度センサーなど機器を設置して調査を継続し、本年3月に刊行された帯広百年記念館紀要第38号で論文「帯広市泉町のアースハンモック(十勝坊主)」が掲載されました(別添)。
 その貴重性から公的な保存の必要性を訴えて、2019年度に以下の関係部署に説明をし、保存の申し入れをしています。
 2019年10月30日 帯広市教育委員会生涯学習部文化課(係長、主任補)
 2019年11月6日  帯広市商工観光部空港事務所(所長、副所長、主幹、主査)  

(3)泉町空港アースハンモックの特徴
 開港前は一帯に極めて多数の十勝坊主群が存在していたと考えられます。空港東側は「以平町」ですが、この以平はアイヌ語「イタラタラキ(itarataraki)」に由来するとの説があり、その意味するところは「でこぼこがあるところ」とされています。かつては十勝坊主が広範囲に分布していたと考えられます。
 現在は、空港敷地の西南側にのみ残存しています。推定、数千個あり、多くは大型で整った形状をしています。樹林化が全体に進んではいますが、樹林化されていない十勝坊主群が明瞭な区域もいくつかあります。
 西側に隣接する民有地は、大型で整った形状の十勝坊主群が推定1万個見られる広大な分布地でしたが、2019年に地権者が代わり、現在は平地化されてすべて消滅しています。
 しかし、この民有地が平地化され十勝坊主が半減したとはいえ、依然として日本最大の密集地と考えられます。

(4)帯広市内の十勝坊主分布地
 帯広市内平地で現在確認されている十勝坊主分布地は空港を含め4か所です。空港以外の3か所は、今後の状態に関してそれぞれ難点があります。
 その特徴などを以下に記載します。
①帯広畜産大学(川西町)
 1974年に北海道指定文化財天然記念物に指定。100個ほどで大型ではあるが、現在は、ほとんど樹林化しており、形状が極めて不明瞭になっている。 
②空港南側カシワ林内(泉町)
 民有地にあり、その規模は300m×500m。ほぼ全域が樹齢60年ほどのカシワ林となっている。大型で形状はまだ明瞭であるものが多く、広大な分布地である。
 1996年度に帯広市環境植生調査が行われ、調査者により「天然記念物相当」の推奨を受けている。しかし、民有地であるために、今後、この状態が維持されるかはまったく不明である。
③富士町
 民有地にあり、規模は100m四方。自然に関心がある個人の土地内の一角に保存されている。樹木の侵入が多数あるが、まだ、形状は明瞭である。個人の善意で保存されているが、高齢であり、今後、この状態が維持されるかは不明である。

(5)空港敷地内アースハンモック(十勝坊主)の保存の意義
 更別村にもいくつかの分布域もあり、帯広・更別一帯は、かつて広い分布地であったと考えられます。
 しかし、現在は活動しておらず、現在の気候環境からは、この土地で新たに十勝坊主が形成されることはないと考えられます。ひとたび破壊されると再生することのない自然物であります。
 このように残っていることは貴重な「地形の標本」といってもよく、次世代にも単なる「用語」としてではなく実物を伝えるべきものと考えます。
 空港敷地内という安全保安上厳しい場所ではありますが、多くの市民が観察できるような措置も工夫され、教育上広く活用されることが望ましいと考えられます。
 以上のことから、極めて文化的価値が高い空港敷地内アースハンモック(十勝坊主)を帯広市の文化財として指定されるよう要望いたします。
 この程、定例の文化財審議委員会が開催されるとのことで、ぜひ、議題に上程し、ご検討いただきたくお願いいたします。

添付書類
・「帯広市泉町のアースハンモック(十勝坊主)」2020年帯広百年記念館紀要第38号
・十勝管内の十勝坊主分布地
  


Posted by 十勝自然保護協会 at 20:27Comments(0)アースハンモックの保全

2020年10月06日

十勝海岸の自然環境の保全に関して関係組織に文書を送付

 十勝海岸の湖沼群一帯をラムサール条約登録地とすることを目的に、2020年9月15日付で十勝振興局、広尾町、大樹町、豊頃町、浦幌町に対し以下の文書を送付しました。

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十勝海岸の自然環境の保全に関する質問とお願い


 初秋の候、貴職におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
 当会は、十勝地方の自然環境を保全するため、さまざまな活動をしています。日頃よりご理解とご協力を賜り、感謝申し上げます。
 当会の活動の一つに、十勝海岸の自然を保全する活動があります。
 ご承知のように、十勝海岸は、当縁湿原・ホロカヤントウ・生花苗沼・キモントウ・湧洞沼・長節沼・十勝川河口湿原・トイトッキ浜・豊北海岸という湿原・湖沼・海岸草原が連続し、「十勝海岸湖沼群」ともよばれております。そこには、国指定の特別天然記念物であるタンチョウをはじめ、環境省レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に記載されている貴重種を含む多様な動植物が存在し、独特の生態系が作られています。
 このようなことから環境省は、「十勝海岸湖沼群」を「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(重要湿地)」として選定しています。
 北海道も「北海道自然環境保全指針」において「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に指定しています。また、北海道文化財として2地区(トイトッキ浜、長節湖湖畔)の植物群落を天然記念物に指定しています。
 国際的な鳥類保護組織バードライフインターナショナルは、タンチョウ繁殖地、ガン類渡来地としての重要性から、十勝海岸湖沼群・十勝川下流域を「重要野鳥生息地IBA」として指定しています。
 さらに、大樹町海岸には、海岸海浜植生、湿原植生だけでなく、強風と濃霧のなかで生命をつないできた自然度の高い長大なカシワ海岸林があり林床植物も含め貴重なものです。
 また、広尾町の海蝕崖が日高山脈襟裳国定公園の一部として指定されており、大樹町美成の海岸に近い十勝坊主群は平地のアースハンモックとしては南限となっているなど地形地質学的にも貴重な地域を有しています。
 上記のような十勝海岸の自然環境の貴重さは貴職も十分にご認識と存じますが、当会は、十勝海岸の自然環境の貴重さを踏まえ、次世代に残すためにも、十勝海岸一帯をラムサール条約登録地、あるいは公的な自然公園にすべきと考えています。
 そのような観点から、以下の点についておうかがいしたく、ご多忙とは存じますが、10月20日までにご回答いただきたくお願いいたします。
(1)貴庁において、十勝海岸の自然環境に関わってはどのような部署が担当なさっておられるのかご教示ください。
(2)貴庁において、「ラムサール条約登録」「公的な自然公園」などの議論や取り組みはどのような状況でしょうか。過去に行われながら現在は休止されている場合は、どのような課題が整理されたでしょうか。現在も継続されている場合は、どのような取り組みが行われているでしょうか。ご教示ください。なお、閲覧できる資料等がございましたらご提供いただければ幸いです。
以上

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 20:06Comments(0)十勝海岸の自然

2020年08月28日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について北海道知事に質問書を送付

 当会は北海道知事に一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削を中止するよう求めましたが、それに対する回答を踏まえ以下の質問書を送付しました。

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2020年8月25日


北海道知事 鈴木直道 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての質問書


 当会の2020年5月22日付要望書に対し、7月17日付(道路第187号)で回答がありましたが、当会の意見・要望にきちんとお答えいただいておりません。つきましては、以下の6項目について質問いたします。それぞれに対し貴職の見解を明らかにして下さいますようお願いいたします。
 なお、お忙しいこととは存じますが、9月30日までに回答くださいますようお願い申し上げます。



1 火山噴火による山体崩壊や火砕流は流下速度が極めて速いため、発生してから避難をしても間に合いません。融雪型泥流も同様で、螺湾川沿いに流れ下った場合、道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線は避難路として使えません。したがってこれらの噴火現象が発生した場合は避難のための道路を建設しても利用できません。これらの指摘に同意するか否かお答えください。同意できない場合は理由を具体的に説明してください。

2 溶岩の流下速度は歩く程度ですので、既存道路でも避難可能です。これについて同意できるか否かお答えください。同意できず新規開削が必要だという認識であれば、その理由を具体的に説明してください。

3 「足寄町雌阿寒岳防災マップ」(http://vivaweb2.bosai.go.jp/v-hazard/L_read/07meakandake/07meakan_2h02-L.pdf)によると、噴石は噴火の規模に関わらず火口から2kmの範囲が危険区域であり、雌阿寒温泉やオンネトー湯の滝付近にまで飛来する可能性があるとされています。また、国土交通省のサイト「火山災害に係わる検討について」(https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/information/council/shuto-research/kazan_kentou/c_kazan27.html#:~:text=Blong(1984)%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8C%E3%81%B0,%E6%95%B0km%E6%9C%AA%E6%BA%80%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82)に「Blong(1984)によれば、噴石の平均的到達距離は約2km以上、最大で約5km以上とされ、1783年の浅間山噴火において約11kmの飛距離を記録している。」との記述があります。したがって、雌阿寒岳が噴火した場合、オンネトー周辺のほか、新規開削部分にも噴石が落下する可能性があります。噴石は速度が速く、発生した場合は避難する時間的猶予がないため、噴石が直接当たらない場所に身を寄せるしかありません。大きな噴石は自動車のフロントガラスや鉄板も貫通しますので、自動車に留まるのは危険です。道路に大きな噴石が落ちたら自動車の走行もできません。噴石による被害軽減はシェルターが最も有効です。
 噴石への対応として、シェルターの設置より道路の新規開削を優先する理由を説明してください。

4 「足寄町雌阿寒岳防災マップ」によると、大噴火では計画道路部分は降灰50センチの円内に入ります。内閣府は「大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ」による資料を公開しており、「降灰による影響の想定の考え方(交通分野)(案)平成31年3月22日」(http://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/pdf/2019322siryo1-1.pdf)に降灰による自動車への影響がまとめられています。この資料によると、有珠山では降灰の厚さが2cm以上でスリップが発生し、10cm以上で走行不能になったと報告されています。
 雌阿寒岳が噴火して火山灰が降下した場合視界不良となるため、二車線の舗装道路でも自動車が高速で走行することは不可能です。また、火山灰が厚く堆積した場合は、避難の車両も緊急車両も走行ができなくなる可能性があります。
 つまり二車線の舗装道路を整備しても、降灰が少なくて自動車走行ができる場合にのみわずかな時間短縮になるだけです。降灰が少ない小規模噴火であれば1分1秒を争って避難する必要はないので既存の道路で避難できます。既存の未舗装道路ではカーブが多く幅員が狭くてバスなどの大型車両の通行が困難ということであれば、多少の改良で対応できると考えます。
 なお、緊急車両は足寄町市街から現場に向かうことになりますが、足寄町市街から現道の二車線区間終点までは約37kmありますので、避難の車両と緊急車両が幅員の狭い部分ですれ違う可能性は低いと思われます。
 これらの指摘を踏まえた上で、降灰時の避難および緊急車両の走行において、どうしても新規開削による二車線の舗装道路が必要であるという理由を説明してください。

5 道路整備にあたり動植物の専門家などで構成するワークショップを開催し、自然環境への影響や保全措置などについて意見を聞いて進めているとの回答がありました。平成28(2016)年6月から動植物の専門家などで構成する懇談会が開催され、いくつかの路線案の検討があり、現計画路線の骨格がほぼ固まった段階で、平成29(2017)年11月から地域の代表者や自然環境団体等も参加するワークショップが開催されています。しかし、懇談会やワークショップでは噴火現象に対応した防災や避難と道路との関係について議論や検討はなされていません。
 当会も当初からワークショップに参加し、生態系・生物多様性の保全、景観の保全の立場から、アカエゾマツを主体とする独特の景観を有する針葉樹林とその林床の保護を訴え、直線化に拘泥した新規開削に伴って生じるほぼ全線にわたっての大規模な法面の出現が及ぼす自然環境の変化について多面的に問題点を指摘してきました。また、現道を利用しての整備案も提言しました。
 自然環境への影響が最も少なくてすむのは既存の道路の部分改修です。火山現象に即した現実的な防災や避難の視点から、現道の利用について再度の検討を求めます。これについて貴職の見解をお尋ねします。

6 「貴協会からご提案のありました立ち入り禁止体制の強化や噴石シェルターの設置については、雌阿寒岳火山防災協議会の中で議論されるものと考えております。」との回答がありましたが、雌阿寒岳火山防災協議会の構成員(委員)である北海道知事としては、これらに関して協議会に提案する意向をお持ちかご説明ください。
  


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2020年07月29日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書に対する回答

 5月22日付で送付した「一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書」に対し、北海道知事から以下の回答がありました。

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道 路 第 187 号
令和2年 (2020年 )7月 17日


十勝自然保護協会
共同代表 安藤 御史  様
     佐藤 与志松 様

北海道知事  鈴木 直道
(公印省略)


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削申止を求める要望書 (回答)
 平素より、北海道の建設行政について、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、2020年5月22日付けの貴協会からの要望に関し、当該道路整備の防災上の必要性等について、下記の通り回答いたします。



 一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線 は、有識者や行政機関などで構成する雌阿寒岳火山防災協議会が策定した「雌阿寒岳火山防災計画」において、避難道路として位置づけられており、火山噴火災害時のオンネトー周辺からの避難車両や避難誘導を行う警察、消 防などの車両の通行を確保する重要な役割が求められています。
 しかしながら、現道の未改良区間は、砂利道で幅員が狭く、急カーブ、急勾配の箇所が多 数存在するなどの課題を抱えており、雌阿寒岳の噴火に備えるためにも、早急な整備が必要 と考えています。
 また、当該計画区間の一部は、阿寒摩周国立公園内に位置し、優れた自然環境を有していることから、道路整備にあたっては環境への配慮が必要と考えております。このため、動植 物の専門家などで構成するワークショップを開催し、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについてご意見を伺いながら、道路整備の検討を進めています。
 引き続き、こうした取組を行いながら、自然環境に配慮した適切な道路整備に努めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
 なお、貴協会からご提案のありました立ち入り禁止体制の強化や噴石シェルターの設置については、雌阿寒岳火山防災協議会の中で議論されるものと考えております。

連絡先:道路計画係     
TEL:011-231-4111(代表)
内線:29-218        
FAX:011-232-6329    

  


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2020年05月26日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書を送付

 当会は一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についてこれまで帯広建設管理部に説明を求めてきましたが、そのやりとりを踏まえ北海道知事に対し新規開削の中止を求める要望書を送付しました。

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2020年5月22日

北海道知事 鈴木直道 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書


 北海道は雌阿寒岳の噴火の際に迅速かつ安全に避難するために、一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の未舗装区間(モアショロ原野地区の4.4キロ)で二車線の舗装道路を新規に開削する事業を進めています。
 当会は帯広建設管理部の主催するワークショップに参加するとともに、生態系・生物多様性の保全、景観の保全、必要性の観点から帯広建設管理部に質問書を送付して疑問点を指摘してきました。その結果、本整備計画が火山噴火のさまざまな状況を想定し必要性を検討した上で計画されたものではなかったことが明らかになりました。(添付資料参照)
 当会は以下の理由により本整備計画の中止を求めます。貴職の見解について6月25日までに回答いただきたく存じます。



1 避難の時間的余裕がない噴火現象
・山体崩壊、火砕流
 山体崩壊や火砕流は流下速度が極めて速いため発生してから避難しても間に合いません。
・融雪型火山泥流
 融雪型泥流が雌阿寒岳の西側で発生した場合には螺湾川沿いに流れ下るため、モアショロ方面に向かう本道路は避難道路としては使えません。

 これらの噴火現象が発生した場合は避難する時間的余裕がありませんので、迅速に避難できる道路を建設しても意味がありません。

2 現道で対応可能な噴火現象
・溶岩流
 マグマには粘性があり流下速度は歩く程度ですので、既存道路による避難で対応できます。
・大きな噴石
 大きな噴石は噴火して数分で落下すると考えられますが、オンネトー見学の観光客がその間にすべきは建物など噴石が直接当たらない場所に避難することです。大きな噴石は自動車のフロントガラスや鉄板も貫通しますので、自動車に留まるのは危険です。道路に大きな噴石が落ちたら自動車の走行もできません。この場合はシェルターが最も有効です。
・小さな噴石、火山灰
 小さな噴石や火山灰が降れば、視界が悪くなりますし、道路に火山灰や小さな噴石が堆積すれば高速での走行はできません。また火山灰の降下だけであれば、高速で避難する必要性はありません。したがって既存の道路で避難できます。

 これらの火山現象が発生した場合、現道を利用しての避難で十分対応できると考えます。なお、帯広建設管理部からは現道では現場に向かう緊急車両とのすれ違いが困難との回答がありましたが、噴石が落下しているような状況では緊急車両も現場に近づくことはできません。

3 立ち入り禁止体制を強化すべき
 雌阿寒岳は気象庁が常時観測をして噴火警戒レベルを公表している火山で、噴火警戒レベルに応じて登山や観光の自粛や中止、避難などが定められています。また、人が居住しているのは雌阿寒温泉だけであり、雌阿寒岳やオンネトー周辺への立ち入りを規制しても観光業者への影響は大きくありません。したがって道路開通期間中に火山活動が活発化した場合、火山噴火レベルの周知や速やかな立ち入り規制を実施することで、噴火による被害の軽減が可能です。

4 噴石には自動車の避難よりシェルターが有効
 気象庁が24時間監視している火山であっても、噴火警戒レベルを上げたり立ち入り規制を実施する前に突然噴火をする可能性はあります。突然噴火した場合、前述したように自動車による避難は危険であり、一刻も早く噴石から身を守る行動が求められます。観光要所に噴石シェルターを設置することで人的被害を減らすことができます。新たな道路開削より噴石シェルターの設置を検討すべきです。

5 新規開削は生態系および景観の破壊になる
 雌阿寒岳の山麓には自然度の高い森林が広がっており、希少な動植物の生息地になっています。ここを開削して幅員5.5メートルの道路を建設した場合、のり面も含めると広大な面積の森林が破壊され森林が分断されるとともに景観が大きく破壊されます。生物多様性や自然環境の保全、景観保全の観点からも、新規開削は中止すべきです。

以上

  


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