「山のみち」について北海道に意見書を提出
2009年1月8日、大規模林道問題北海道ネットワーク(以下、ネット)は、「山のみち」について北海道に意見書を提出し、北海道水産林務部(以下、道)と交渉したので報告します。今回の交渉は、これまでの8回にわたる交渉のつづきとして設定されたものです。
【意見書】
「北海道における『山のみち地域づくり交付金』事業に関する意見書」は、A4で25ページからなります。論点は3つあり、「山のみち」事業の問題点、この事業の元になっている大規模林道に係わる自然環境上の問題点、「山のみち」事業に係わって実施された道営計画調査(情報開示によって判明)の問題点を指摘し、ネットの見解を明らかにしています。
【道水産林務部との意見交換】
ネット:白紙で「意見交換会」(注:道が10月に各地で実施した)に臨むといいながら、道が独自調査を事前にやったのはなぜか。
(注:開示資料によると、例えば、置戸・阿寒線では上螺湾東のトンネル予定地と飽別川上流(庶路川上流)の峰越し部分を調査しているが、この事実は秘されていた。道はすでに水面下で計画を進めているのではないかという疑念を持たざるを得ない)
道:白紙の立場にかわりはない。調査をしたのは、着工前提ではない。あくまでも様々なケースに対して数的把握をするためで、道では調べようのない未知の部分・作業道も入っていない道の部分を把握するためである。トンネルでなく迂回して砂利道にした場合の積算額などの算出に必要な調査である。さまざまな想定に対処するため。林道規定に基づく代替案ルートなど。140億円かかるということの確認、費用を緩和するための方策など。費用対効果を出すためには、どうしても数的把握が必要になる。
ネット:どのような方法で調査したのか。
道:委託である。道でできることは入手資料によるほかない。すべて文献調査である。
ネット:調査報告に問題がある。緑資源機構の資料は問題が多い。目的・必要性を明確にしてもらいたい。あいまいなのはおかしい。
道:地域にはさまざまな要望があって、そういうものも検討しなくてはならない。必要性も含めて洗いなおすつもりである。あらゆる場合の費用対効果を準備する責任がある。(注:明確な回答がない)
ネット:費用対効果の検討スケジュールはどうなっているのか?
道:今作業中で、2月議会に向け、10日以降に第3回庁内検討会に入ると思う。2月議会に数字を示せるかどうかは微妙である。
ネット:費用対効果で、林業便益を、関係のない既存林道による便益まで入れるべきではない。新たにつくる「山のみち」による便益だけを算出すべきである。
道:既存林道が「山のみち」として関連してくるものもある。厳密にはいま言えないが、確認してみる。
ネット:最終決定の前に知事に会うことを要望する。
道:スケジュールとしては、もし実施となれば来年度に申請し、2010年度に開始となる。
【記者会見での記者からの質問】
道政記者クラブで記者会見を開きました。道新と朝日の記者から以下の質問が出されました。記者には25ページに及ぶ意見書と、問題点をまとめたリーフレットを事前に配布していましたので、この質問には驚かされました。まともな問題意識のない記者というのは存在意義がありません。
記者:提出書面はこれまでの繰り返しのようだが、新しい問題は何か。
記者:ただ反対しているようで、具体性がないようだが?
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