北海道エアポート株式会社に対し、とかち帯広空港敷地内のアースハンモック(十勝坊主)の保存についての要望書を送付しました。以下、要望書とそれに対する回答です。
********************
2020年11月10日
北海道エアポート株式会社 代表取締役社長
蒲生 猛 様
十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松
とかち帯広空港敷地内のアースハンモック(十勝坊主)の保存に関する要望
当会は、十勝地方の自然環境を保全するため、さまざまな活動をしています。日頃よりご理解とご協力を賜り、感謝申し上げます。
当会の活動の一つに、十勝管内のアースハンモック(十勝坊主)を保全する活動があります。
当会は2016年以降、十勝管内のアースハンモックについて、小疇尚氏(明治大学名誉教授 自然地理学・地形学)ら複数の研究者と共同調査を行っています。
帯広市泉町とかち帯広空港敷地内のアースハンモックに関し、帯広市の許可を得て、温度センサーなど機器を設置して調査を継続し、本年3月に刊行された帯広百年記念館紀要第38号で論文『帯広市泉町のアースハンモック(十勝坊主)』が掲載されました(別添)。
当地のアースハンモックは、多くは大型で整った形状をしており、推定数千個に及ぶ日本最大の密集地と考えられます。
十勝管内のアースハンモックが開発等で消滅するなか、学術上、貴重性の高い地形標本として、公的な保存の必要性を訴えて、2019年度に以下の関係部署に説明をし、保存の申し入れをしています。
2019年10月30日 帯広市教育委員会生涯学習部文化課
2019年11月6日 帯広市商工観光部空港事務所(小疇尚氏同席)
さらに、本年10月5日付で帯広市教育委員会教育長あてに「市文化財指定の要望書」を提出しています(別添)。
空港敷地内という安全保安上厳しい場所ではありますが、極めて文化的価値が高いアースハンモックを多くの市民が観察できるような措置も工夫され、教育上広く活用されることが望ましいと考えられます。
2021年3月より貴社が同空港を管理することとなりますので、以上の経緯については、10月26日、同空港において貴社総合企画本部担当者 他関係者の皆様に説明いたしたところです。ここに改めて書面で貴職に要望をいたします。ご多忙と存じますが、11月末日までにご見解をいただければ幸いです。
添付書類
・「帯広市泉町のアースハンモック(十勝坊主)」 2020年帯広百年記念館紀要第38号
・帯広市教育委員会教育長あて「市文化財指定の要望書」(2020年10月5日付)
********************
2020年 12月 1日
十勝自然保護協会
共同代表 安藤 御史 様
佐藤与志松 様
北海道エアポート株式会社
代表取締役社長 蒲生 剛
「とかち帯広空港敷地内のアースハンモック(十勝坊主)の保存に関する要望」について
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、誠に ありがとうございます。
さて、11月 10日 付の貴協会よりご要望のありました標記の件につきまして、下記のとおり見解を申し上げます。
敬具
記
■標記の件に関する見解
今後の計画については貴協会から頂いたご要望を参考にしながら、進めて参りたいと思います。
以上