当会は2022年1月31日付で鹿追町に「とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定の申入れ」をしましたが、これについて以下の回答がありました。
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2024年12月 19日
十勝自然保護協会
共同代表 安藤御史 様
佐藤与私松様
鹿追町長(とかち鹿追ジオパーク推進協議会会長)
喜井 知己
とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定について(回答)
向寒の候、貴職におかれましては益々ご清栄にてご活躍のこととお喜び申し上げます。さて、以前より申し入れのありました、とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定に関する進捗状況及び保全ルールの内容について回答致します。
ご指摘の通り、とかち鹿追ジオパークのエリア内のナキウサギ生息地では、ここ数年登山ブーム並びにナキウサギ人気によって登山者やカメラマンの来訪が増え、生息地周辺に生育する植物が踏まれ荒廃が進んでいます。また、来訪者がナキウサギを取り囲むように撮影する光景も目撃されており、ナキウサギ自体への影響も懸念されています。
そのような事態を受け、とかち鹿追ジオパーク推進協議会では、関係省庁、自然ガイド、ナキウサギふぁんくらぶ、研究者等と協議の上、2021年 9月 より東ヌプカウシスプリ山頂近くの生息地に、立ち入りを規制するロープ及び保全啓発看板の設置を行いました。また、ロープ。看板設置後には来訪者にヒアリングを行い、人と野生動植物が共生する場を目指してロープ設置場所を変えるなど試行錯誤している状況です。また,環境省と共同で登山者数を計測するカウンターを山頂付近に設置し,利用状況の把握に努めています。
2023年からは、植生の研究者と共同でナキウサギ生息地の植生モニタリングを開始し、とかち鹿迫ジオパークのホームページ上における登山マナー及びナキウサギ生息地での利用マナーについて周知を開始しました。また、ナキウサギ研究者に協力いただきナキウサギの生態や地球温暖化の影響などについて学ぶ講座を開催するなど、理解者を増やし、共に活動する仲間づくりを行っています。
然別湖周辺に広がる自然遺産の保全活動については、時代に則した臨機応変な対応が求められてきます。当協議会では、今後も関係者と連携し課題解決に向け最善の策を模索し保全活動を進めていく所存でございます。十勝自然保護協会様におかれましては、今後も当協議会の活動に対しご理解、ご協力の程どうぞよろしくお願い申し上げます。