えりもの森青空裁判傍聴記その2 

十勝自然保護協会

2008年11月01日 09:47

森林教育必要な「森づくりセンター」




 活力の衰えた老齢なトドマツを主体とする天然林を、水源涵養機能の高い活力のある森林にするために全面的に伐採し、後継林をつくるためトドマツの苗木を植えた。この施業を「森づくりセンター」では「受光伐」だといっています。

 さて、この世間では聞きなれない受光伐ですが、林業関係者の参考書(「森林・林業・木材基本用語の解説」北海道森林改良普及協会編)によると、受光伐というのは、漸伐(ぜんばつ)作業の一過程であるといいます。

 漸伐作業とは、「天然下種更新を前提として、成熟木を数回にわけて伐採し収穫する方法のこと。収穫と平行して天然更新が行なわれ、母樹の保護のもとで稚樹が成育される」とあります。そして、漸伐の一連の過程は、予備伐・下種伐・受光伐・終伐(殿伐ともいう)からなるというのです。

 予備伐については説明がありませんが、下種(かしゅ)伐とは、「母樹からの下種(種子の落下)を促し、稚樹の発生を図ることを目的とする上木の一部伐採のこと。稚樹が上木の保護を必要としない程度に発育したなら上木を伐採する」とあり、そして、受光伐とは、「稚樹の成長を図り更新を促すために、上木をすかす伐採のこと。この後終伐で最終的な収穫を行い、更新が完了する」とあります。ついでに皆伐の項をみると、「樹木の伐採を設定した区域で、立木の全部または大部分を一斉に伐採すること」とありました。

 今回の森づくりセンターが行なった伐採は、何回読み返しても漸伐作業にも、その一過程である受光伐にも合致しません。合致するのは「皆伐」です。また「北海道林業技術者必携」によると、漸伐つまり受光伐をする要件は、「下層には、後継林分となるに十分な量と大きさをもった稚樹が存在すること」だというのです。

 どうやら「森づくりセンター」は、これまでの伐採理論も知らず、「皆伐」して植栽し、苗木に陽光を当てることが「受光伐」だと思い込んでいるようです。この程度の森林知識ではとても税金で森づくりを任せるわけには行きません。森づくりセンターには森林教育が必要なようです。(X記)


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