然別川の河畔林伐採問題で帯広開建から回答

十勝自然保護協会

2009年07月01日 10:35

 然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採に関する質問に対し、帯広開発建設部から回答がありました。相生中島地区の水路掘削についての回答と同様、具体的な理由について説明されておらずきわめて曖昧な回答です。

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平成21年6月24日


十勝自然保護協会
 会長 安藤御史 様

帯広開発建設部 治水課長


然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採についての質問書(回答)


 平素より、帯広開発建設部事業に格段のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、2009年6月7日付け質問書の件に関して、下記のとおり回答させていただきます。



質問1について
 国見橋下流の区間は、洪水の安全な流下に支障となることから河畔林を伐採したものです。
(「この河畔林伐採の目的について具体的に説明してください」と質問しましたが、なぜ河畔林が安全な流下の支障になるのかという具体的な説明がありません)

質問2について
 伐採木等の処理については、売却可能なものについては売却し、国庫に納入されています。また売却できないものについては、一般廃棄物として処理場へ搬入し、再利用または処分されています。今回の伐採木で売却できないものは既に処理場へ搬入しており、売却できるものは今年度中に売却する予定です。
(「伐採地では伐採木の枝葉も残されていませんが、伐採木および枝葉などをどのように処理したのか説明してください。売却した場合は、売却先と金額も明らかにしてください」と質問しました。これについても具体的なことが何ら明らかにされていません)

質問3について
 今回の伐採は、治水上の安全性を確保するために、必要と考えています。なお、事前に環境調査を行う等、状況の把握にも努めています。
(「『新・生物多様性国家戦略』の第4部『具体的施策』の(3)に、『河川の整備における基本的考え方』が示されています。これによると『現在、河川の整備、管理に関する計画を策定する際の基本的な考え方としては、必要とされる治水上の安全性を確保しつつ、生物の良好な生息・生育環境をできるだけ改変しないようにすること、改変せざるを得ない場合においても、最低限の改変にとどめるとともに、良好な河川環境の復元が可能となるよう勤めることとしています』とされています。しかし、今回の伐採はこれに反するものであり、生物の生息・生育環境を大規模に破壊し、生物多様性を損ないました。このことについて貴職の見解を明らかにしてください」と質問しましたが、質問に即した回答になっていません)

質問4について
 これまで、治水事業説明会を年1回、管内のNPO・環境団体等を対象に行なっているところです。今回ご指摘の然別川伐採についても、その中でご説明しています。今年度は、十勝川水系で活動をしているNPO・環境団体等を改めて調査し、説明会のご案内をしたいと考えています。
 なお、昨年度の事業説明会に参加した団体等の名称については、個人情報等につながりますので、当部からの回答は控えさせていただきます。
(「上記3.の『河川の整備における基本的考え方』では河川整備にあたり、市民、有識者、関係団体等の理解と協力を得ることが謳われています。しかし、十勝の自然保護NGOである当会に伐採にあたっての説明は一切ありませんでした。貴職は、この伐採をするにあたって一部の団体に説明したとの情報がありますが、もし環境団体に説明を行なっていたのであればその団体名を明らかにしてください。また、当会を説明対象としなかった理由を明らかにしてください」と質問しました。当会には管内のNPO・環境団体等を対象にした治水事業説明会の案内はありませんでした。当会を管内の環境団体として認識していないのでしょうか。事業説明会に参加した団体の名称が個人情報だという発言は看過できないものです。団体名のどこが個人情報だというのでしょうか。驚くべき認識です。)


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