10月30日付けの帯広建設管理部の回答に対し、以下の質問書を送付しました。
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2015年11月15日
十勝総合振興局 帯広建設管理部長 様
十勝自然保護協会
共同代表 安藤 御史
佐藤与志松
10月30日付回答(『北海道管理河川の川づくりワーキングについての申し入れ』回答について)への質問
貴職からの10月30日付「「北海道管理河川の川づくりワーキングについての申し入れ」回答について」には不明な点があることから以下の質問をします。
11月30日までに回答をいただきたくお願いいたします。
1.当会は、貴職との2012年からの話し合いの経緯を踏まえ、帯広川・伏古川と渋山川・居辺川を別々の会議で議論するよう申し入れたが、貴職は「別々に各団体に参加をお願いすることは各団体の負担が大きくなることから、一堂に会しての会議で行う」と回答してきた。つまり市民団体の「負担」を考慮したということだが、負担に関して言うなら、当会は貴職の個別対応との方針を尊重し、協議を重ねてきた経緯がある。
具体的には2012年3月22日、2013年4月24日、2015年3月30日に貴事務所に出向き居辺川の砂防計画について説明を受け意見を述べてきた。また、現地を視察して過去の事業による河川への影響を確認し、2015年8月17日には河川特性に基づいて「居辺川の砂防事業計画についての申し入れ」を提出するとともに、現地での説明を求めていた。それにもかかわらず、貴職は当会との協議を無視して「川づくりワーキング」を企画したのである。当会は「川づくりワーキング」について10月5日に建設管理部に赴いて説明を求めたが、申し入れへの回答は次年度になりそうだと発言したうえ、工事に入る前に環境団体に事業の説明をして今年度中に意見をとりまとめたいとのことであった。当会との協議を先延ばしにし、4河川の事業をたった3回の集まりで意見集約するのは拙速かつ強引であり、この間の当会の時間と労力の「負担」を無視するものである。
貴職はこのような進め方が当会の負担を大きくしないと考えているようだが、見解を明らかにしていただきたい。
2.「川づくりワーキング」について「今回は工事着手に向けて事業の目的や、重要な部分を直接説明することが必要と考え、各団体からご意見を伺い、治水と自然環境についての考えやご意見を取り入れるために開催する」とのことだが、年度当初には個別に対応するとしていたのである。年度途中で「今回は工事着手に向けて事業の目的や、重要な部分を直接説明することが必要」と急に思いたって従来の方針を変更したわけだが、このような思い付き的対応は行政の信頼を損ねるものである。ましてや居辺川や渋山川については当会と話し合いを継続してきたという経緯がある。当会の理解を得ることなく、「川づくりワーキング」において居辺川の議論なるものを開始することは、治水問題に真摯に取り組んできた市民団体を軽視するものであり、今日の河川行政ではあってはならないことである。貴職の見解を明らかにしていただきたい。
また、従来の個別対応の方針を年度途中において急遽変更したわけだが、これは、個別対応方針が誤っていたと認めたうえでの変更と理解する。もし異論があれば釈明いただきたい。
3.「30数団体に不均衡が極力生じないように」との意味が不明であるとの当会の質問に「不均衡については、事業の説明を団体毎に行った場合、説明の行き違いが起こる可能性があると考えています」と回答してきた。国語辞典には「不均衡」とは「つりあいが保たれていないこと。また、そのさま」の意とある。つまり「説明の行き違い」は「不均衡」の説明にならないのである。貴職の治水・砂防計画に対して沈黙している団体が多いなか、当会のように根本的な問題点を指摘する団体が存在するさまを、貴職は「不均衡」と認識しているのではとの疑念さえ抱かざるを得ない。不均衡なるものが何をさしているのか、再度説明いただきたい。
以上