トムラウシ地区地熱発電計画についての要望と質問

十勝自然保護協会

2021年12月26日 21:45

トムラウシ地区地熱発電計画について、新得町長に以下の要望・質問書を送付しました。

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2021年12月12日
 

新得町長  浜田 正利 様

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


大雪山国立公園内トムラウシ地区地熱発電計画中止を求める要望および質問

 2014年10月27日付で、自然保護団体7団体(新得おもしろ調査隊、十勝川源流部を考える会、公益財団法人 日本自然保護協会、一般社団法人 北海道自然保護協会、北海道自然保護連合、大雪と石狩の自然を守る会、十勝自然保護協会)は、貴職および経済産業大臣・環境大臣・林野庁長官に宛て「大雪山国立公園内トムラウシ地区地熱発電計画中止の要望書」を提出しました。
 要望書の骨子は次のようです。
(1) 大雪山国立公園は日本最大の国立公園であり、その原生的自然は国際的にきわめて高く評価される地域である。
(2) 計画されているトムラウシ山麓東部には生物多様性保全の屋台骨ともいえる原生自然環境保全地域があり、この隣接部での開発は大きな問題がある。
(3) 林野庁は十勝川源流部原生自然環境保全地域の周辺地域で更生プロジェクトに着手し、本来の森林を復元する取り組みを始めたところである。
 そして要望書の末尾で以下のように訴えています。
「私たちの世代で、大雪山国立公園の自然環境をこれ以上衰退させないよう、トムラウシ地区の地熱発電計画については、計画段階の初期調査を含め、計画そのものを中止することを強く要望します。」
 また、同趣旨の文書を電源開発株式会社(以下電源開発)にも提出しました。
 その後、優良事例の条件たる「地元の合意形成」が作られず、2016年5月に電源開発が「一時(いっとき)間をとる」との意向を示していたことが明らかになりました。
 しかしながら、貴職は本年の町長選挙において「地熱開発」を公約に掲げ、11月のトムラウシ地区における懇話会では引き続きその姿勢を明らかにし、11月17日には電源開発本社を訪れて調査実施を要望したことを町議会で行政報告をしています。
 計画当該地域の自然環境は全く変わっておらず、引き続き計画中止を求めるものです。
 ついては、以下の質問に回答いただきたく存じます。
(1)2014年の計画中止要望書について貴職はどのようにお考えですか。
(2)計画を推進する理由をお聞かせください。
(3)この時期に電源開発に要請されたことは、本年4月以降の環境省の施策と関係があるのでしょうか。
 年末でご多忙とは存じますが、12月24日までに回答いただきたくお願いいたします。


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