学園通拡幅問題について「とかち・市民環境交流会」で発表

十勝自然保護協会

2013年11月10日 17:31

 
  昨日、「とかち・市民環境交流会」が帯広の十勝プラザで開催され、当会は学園通の拡幅によってカシワ林の林縁部が伐採されるとカシワ林のコア部分への影響が懸念されることを指摘し、暫定2車線での整備が望ましいことを口頭と展示で発表しました。
 なお、さる10月8日に、帯広市長に対し地球環境を守る十勝連絡会と連名で下記の申入れをしましたが、まだ回答がありません。
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学園通見直し案についての説明会開催の申入れ

 都市計画課による学園通説明会が9月6日に開催され、見直し案の説明とこれについての質疑応答がおこなわれました。
1.このなかで、当会は、「伐採による影響を最小限にする」ということについて、伐採したなら残存林分へどのような「影響」が及ぶのか説明を求めました。しかし都市計画課はわからないとしか答えられませんでした。ただ単に伐採範囲を小さくしたから残存林分への影響がないように言うのは森林の本質をわきまえない議論です。影響がわからないというのであれば、残存林分への影響を調べるべきです。伐採の影響も把握せず、説明もできないまま伐採を強行することは、生物多様性保全が行政の責務となった時代において、あってはならないことです。
2.帯広市は、過去にも「影響を最小限にする」として、若葉の森、稲田の森、チョマト―等で道路の拡幅や直線化の際に伐採を行ってきました。伐採の影響について工事後に調査を行っており、その結果を知らせるという約束がありました。この点を質問したところ、手元に資料がないとの理由で回答しませんでした。
3.当会と地球環境を守る十勝連絡会は、農高カシワ林を伐採することなく全面的に保存するとともに、交通渋滞を緩和するための解決策として十分な右折レーンを伴う暫定二車線での整備を提案してきました(2012年6月21日付「『学園通』整備についての申し入れ」)。これに対し、都市計画課は、当会の提案に沿って詳細な図面を作成したうえで、道路構造上は現道幅で可能であるとしながら、将来の交通量の増加と安全性などを理由に採用できないとの見解を示しました。当会は、将来の交通量に不明確さがあるため、改めて要望書(2012年10月31日付「学園通暫定2車線整備の要望書」)を提出しました。このような経緯があるにもかかわらず、この提案が当日の説明会資料には掲載されていませんでした。この点を指摘すると担当者から紙幅の都合で載せられなかったと、とってつけたような返答がありました。しかし今年1月8日開催の建設委員会で配布した資料にも当会の提案は記載されていません。このようなことから推測するなら意図的に当方の提案を表に出すことを避けたと理解せざるを得ません。このような取り扱いは公平を旨とすべき行政としてあってはならないことです。この点についてきちんと説明する義務があります。
4.主催者は「全会一致での理解は得られなかったが、見直し案で進めたい」とし、説明会を終了しました。しかし出席者からは批判的な意見しか出されておらず、見直し案に理解を示す意見はまったくありませんでした。理解が得られていないにもかかわらず事業を強引に進めるというのは、この時代の環境行政の進め方としてあってはならないことです。
 以上ことから私たちは、再度説明会を開催し、将来に禍根を残さないため議論を尽くすよう申入れます。

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