十勝自然保護協会 活動速報 › 十勝川水系河川整備計画(案)に当会の意見は反映されたか（3）
2010年07月12日
十勝川水系河川整備計画(案)に当会の意見は反映されたか（3）
4．河川行政のあり方
当会は、河川行政のあり方について、帯広開発建設部の問題点を次のように指摘しました。
原案によれば、「十勝川水系の河川整備は、・・・地域住民や関係機関、関係団体と連携・協働しながら、・・・推進する」と記されています（61頁）が、この点に関し、指摘しなければならないことがあります。
当会は、相生中島地区の掘削工事について今年6月に質問書を、7月に再質問を提出しました。しかし治水課から的外れな回答が寄せられたため、面談を求めたところ、回答済みにつき会う必要はないと面談を拒否しました。このような対応がここに明記された「地域住民や関係団体との連携・協働」と矛盾することはいうまでもないことです。
また、当会の質問に対する回答とまったく異なることが今回の原案に記述されているのには、驚くばかりです。つまり、相生中島地区の水路掘削による周辺の河川形態への影響について質問したのに対し、「当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであり、洪水時の水位低下により治水安全度は向上しますが、通常時の流れは現在と変わらないことから、上下流域や流入する支川等への影響はないと考えています。」との回答が寄せられました。しかし、この原案では「整備中の相生中島地区では洪水時の流れの状況がこれまでと変化することから、河床の低下や土砂堆積、河岸の侵食等の土砂動態について注意深く監視する必要がある」と書かれています。このような不誠実かつ無責任な態度は、「地域住民や関係団体との連携・協働」を阻害するものであるといわなければなりません。
新政権によるダム計画の凍結にみられるように河川管理の根本が変わろうとしています。今後、公共土木事業を行うにあたっては、住民に対し情報を包み隠さず公開し、十分な説明をするとともに十分な議論をすることが前提となります。これまでの不誠実な態度を深く反省し、公明正大な河川行政へ転換しなければなりません。
これに対し、開発建設部は、次のような見解を掲載しました。
十勝川水系の河川整備は、流域及び水系一貫の視点を持ち、河川の特性、地域の実情、財政状況や近年の気候変化による影響等を踏まえた上で、地域住民や関係機関、関係団体、河川管理者が各々の役割を認識しつつ連携・協働し、地域の活力を最大限活かしながら、総合的、効率的、効果的に推進(P.61)します。また、農業や漁業等の地域の産業発展と自然環境の保全を目指し、地域住民、NPO 等の市民団体、関係機関等と連携しながら、十勝川やその支川の個性が実感できる川づくりを推進するとともに、川づくりに携わる人材の育成に努める(P.62)こととしています。
十勝川流域では、河川に関わる地域の活動が活発に行われており、地域住民や民間団体等が中心となってとりまとめた構想に端を発し、長年にわたる地域の活動により実現した十勝エコロジーパークは、様々な市民団体や関係自治体等の連携・協働のもと整備・活用されているほか、相生中島地区の整備にあたっては、地域住民、学識経験者、関係自治体、河川管理者が協働で川づくりワークショップを開催し、「十勝川相生中島地区川づくり案」をとりまとめた(P.88)経緯があります。今後も、適切な役割分担のもと、各主体の責任を明確にした上で、地域住民やNPO、関係自治体等と連携・協働しながら地域と一体となった川づくりに努めて(P.88)いきます。
また、地域住民と協力して河川管理を行うため、地域の人々へ様々な河川に関する情報を発信するとともに、地域住民、市民団体、関係機関及び河川管理者が、各々役割を認識し、連携・協働して効果的かつきめ細かな河川管理を実施する(P.100)など、地域と一体となった河川管理に努めます。
さらに、収集した河川情報については、平常時の河川の利用や洪水時の防災情報として活用するため、光ファイバー網やインターネット等の情報通信網を用い、関係機関や住民に幅広く提供し、情報の共有に努める(P.90)こととしています。
このように、こちらの指摘を無視しています。応えられないのか、応えたくないのかわかりませんが、国民の声にまともに向き合えないのは、この組織がかかえる基本的弱点のようです。納税者である国民を愚弄する態度は許されないことであると言っておきましょう。
当会は、河川行政のあり方について、帯広開発建設部の問題点を次のように指摘しました。
原案によれば、「十勝川水系の河川整備は、・・・地域住民や関係機関、関係団体と連携・協働しながら、・・・推進する」と記されています（61頁）が、この点に関し、指摘しなければならないことがあります。
当会は、相生中島地区の掘削工事について今年6月に質問書を、7月に再質問を提出しました。しかし治水課から的外れな回答が寄せられたため、面談を求めたところ、回答済みにつき会う必要はないと面談を拒否しました。このような対応がここに明記された「地域住民や関係団体との連携・協働」と矛盾することはいうまでもないことです。
また、当会の質問に対する回答とまったく異なることが今回の原案に記述されているのには、驚くばかりです。つまり、相生中島地区の水路掘削による周辺の河川形態への影響について質問したのに対し、「当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであり、洪水時の水位低下により治水安全度は向上しますが、通常時の流れは現在と変わらないことから、上下流域や流入する支川等への影響はないと考えています。」との回答が寄せられました。しかし、この原案では「整備中の相生中島地区では洪水時の流れの状況がこれまでと変化することから、河床の低下や土砂堆積、河岸の侵食等の土砂動態について注意深く監視する必要がある」と書かれています。このような不誠実かつ無責任な態度は、「地域住民や関係団体との連携・協働」を阻害するものであるといわなければなりません。
新政権によるダム計画の凍結にみられるように河川管理の根本が変わろうとしています。今後、公共土木事業を行うにあたっては、住民に対し情報を包み隠さず公開し、十分な説明をするとともに十分な議論をすることが前提となります。これまでの不誠実な態度を深く反省し、公明正大な河川行政へ転換しなければなりません。
これに対し、開発建設部は、次のような見解を掲載しました。
十勝川水系の河川整備は、流域及び水系一貫の視点を持ち、河川の特性、地域の実情、財政状況や近年の気候変化による影響等を踏まえた上で、地域住民や関係機関、関係団体、河川管理者が各々の役割を認識しつつ連携・協働し、地域の活力を最大限活かしながら、総合的、効率的、効果的に推進(P.61)します。また、農業や漁業等の地域の産業発展と自然環境の保全を目指し、地域住民、NPO 等の市民団体、関係機関等と連携しながら、十勝川やその支川の個性が実感できる川づくりを推進するとともに、川づくりに携わる人材の育成に努める(P.62)こととしています。
十勝川流域では、河川に関わる地域の活動が活発に行われており、地域住民や民間団体等が中心となってとりまとめた構想に端を発し、長年にわたる地域の活動により実現した十勝エコロジーパークは、様々な市民団体や関係自治体等の連携・協働のもと整備・活用されているほか、相生中島地区の整備にあたっては、地域住民、学識経験者、関係自治体、河川管理者が協働で川づくりワークショップを開催し、「十勝川相生中島地区川づくり案」をとりまとめた(P.88)経緯があります。今後も、適切な役割分担のもと、各主体の責任を明確にした上で、地域住民やNPO、関係自治体等と連携・協働しながら地域と一体となった川づくりに努めて(P.88)いきます。
また、地域住民と協力して河川管理を行うため、地域の人々へ様々な河川に関する情報を発信するとともに、地域住民、市民団体、関係機関及び河川管理者が、各々役割を認識し、連携・協働して効果的かつきめ細かな河川管理を実施する(P.100)など、地域と一体となった河川管理に努めます。
さらに、収集した河川情報については、平常時の河川の利用や洪水時の防災情報として活用するため、光ファイバー網やインターネット等の情報通信網を用い、関係機関や住民に幅広く提供し、情報の共有に努める(P.90)こととしています。
このように、こちらの指摘を無視しています。応えられないのか、応えたくないのかわかりませんが、国民の声にまともに向き合えないのは、この組織がかかえる基本的弱点のようです。納税者である国民を愚弄する態度は許されないことであると言っておきましょう。
Posted by 十勝自然保護協会 at 19:02│Comments(0)
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