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十勝自然保護協会 活動速報 › 大樹町航空宇宙開発

2023年12月13日

大樹海岸の自然の保全に関し大樹町長から回答

 当会の11月23日付の「大樹町の自然の保全に関する要望と質問」に対し、大樹町長から以下の回答がありました。

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樹 企 商 第 411号
令和5年11月29日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御 史 様
              佐藤 与志松 様

大樹町長 黒 川  豊  


「大樹町の自然の保全に関する要望と質問」に対する回答について
 2023年11月23日付けで要望・質問のあったこのことについて、次のとおり回答いたします。



1 町道整備計画のカシワ林内直線化部分について
① 道路面を舗装するのであれば透水性の材質を採用することについて
現在計画している避難路整備については、令和6年度に設計を行い令和7年度から2カ年で工事を行う予定です。当該事業については、補助事業を活用し町道として整備することから、その材質等についても様々な面を鑑み検討を進めてまいります。
② 現道について
LC-1射場へのインフラ(電気・水道・ネットワーク)については、現道脇に埋設する予定です。このことから、インフラの維持管理において現道を活用していく予定であることから、現在のところ廃道にする計画はございません。
③ 電線の埋設について
②のとおり、LC-1射場へのインフラについては全て埋設する予定です。

2 スペースコタン社の発言について
 メディア等を通じ耳にされている拡張性については、特定の場所を指しているものではなく、LC-1射場含む周辺の町有地等を想定しているものでありますが、今後の整備に向け具体的に協議を進めているものではございません。
 スペースコタン社としては、会社の存在意義を果たすためにも大樹町の優位性を発信していく必要があるためこのような発言に至っていると考えますが、関係各位に誤解を与えないよう、発言においては十分注意する旨を改めて指導したいと存じます。
 なお、当町としては今後の拡充整備等においても、これまで同様、周辺環境に配慮した事業計画策定に努め、自然環境と共生を図る事業実施に向け検討していきたいと考えております。
(企画商工課航空宇宙推進室)

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 14:54Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2023年11月28日

大樹海岸の自然の保全に関し、要望および質問書を送付

 大樹町長に大樹海岸の自然の保全に関し、以下の要望および質問書を送付しました。

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2023年11月23日


大樹町長  黒川 豊 様

十勝自然保護協会 共同代表  安藤 御史
佐藤与志松


大樹町の自然の保全に関する要望と質問


 当会は、ここ数年にわたって大樹町の自然、とくに大樹海岸の自然(海岸海蝕断崖草原、海岸砂浜群落、海岸草原、カシワ林、湿原、湿生草原、希少地形十勝坊主など)について、生物多様性の保全、景観の保全を訴えて、貴町に要望・提言をおこなってきました。
 本年10月4日に航空宇宙推進室室長より当面する追加の事業について当会役員に説明がありました。
 当会はすでに新射場LC-1の建設にあたってカシワ林の開削に反対しており、その立場は変わらず、今後の開削にも反対です。カシワ林の海岸側草原には、多数のカシワの低木が生育し、またミヤコザサの下にはガンコウラン、ハマナスなどの植物が広がっています。ここに新たな射点を建設することは景観をさらに損ねるものです。
 この件に関して以下の要望と質問をいたします。
 ご多忙とは存じますが、12月15日までに書面にてご回答いただきたくお願いいたします。



(1)町道整備計画のカシワ林内直線化部分について以下の点を要望いたします。
① 道路面を舗装するのであれば透水性の材質を採用すること。
② いずれ廃道になる現道に敷設されている砂利は撤去し、カシワ林の回復を図ること。
③ 電線は埋設すること。
(2)スペースコタン社による射点の新規造成に関連して以下の点を質問いたします。
 貴町が筆頭株主であるロケット射場運営会社スペースコタンからは、イベント会場で、またメディアに対し「広いのでいくらでも作れる」、「大樹町には約150㎢の敷地に最大10か所の発射地点の整備が可能」、「ケープカナベラルにも伍していける敷地を持っている」などの発言が頻繁に見られます。とくに「約150㎢の敷地に最大10か所の発射地点の整備が可能」とは具体的にどの範囲のどの地点を指すのでしょうか。今回の造成地もこの中に含まれているのでしょうか。ご説明いただきたく存じます。
 スペースコタン社のこれらの発言からは、この地域の自然の貴重さを十分認識なさっておられるのか懸念がもたれます。「自然との共生」を表明している貴町の立場と矛盾はないのでしょうか。ご見解をうかがいます。
以上

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 15:46Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2023年08月01日

大樹町から質問書への回答

 7月5日付の「大樹町の自然の保全に関する要望と質問」に対し、大樹町長から回答がありました。

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樹企商第3 0 5号
令和5年7月25日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御 史 様
              佐藤 与志松 様

大樹町長 黒 川  豊


「大樹町の自然の保全に関する要望と質問」に対する回答について

 2023年7月5日付けで要望・質問のあったこのことについて、次のとおり回答いたします。



1 航空宇宙関係の行政の進め方について
 現在進めている北海道スペースポート拡充整備事業においては、ロケットの飛行安全や地上安全の確保が必要であるため、既存法令に基づく施設整備が前提となりますが、自然環境と共生する施設の整備を目指し事業を進めております。
 また、今後の拡充整備等においても、これまで同様、周辺環境に配慮した事業計画策定に努め、自然環境と共生を図る事業実施に向け検討していきたいと考えております。
2 射場の運営形態について
 LC-1射場完成後の北海道スペースポートの運営方法については、現在、コンセッション方式も含め最適な運営手法について、専門機関とともに調査を進めているところです。
 仮にコンセッション方式を採用し運営権を民間に付与したとしても、施設の所有権は町に帰属します。そのため、運営権を付与した後、町が北海道スペースポート周辺の自然環境ヘの配慮に一切責任を持たないということにはならないため、町は運営を行う民間に対して、自然環境への配慮について求めるなど、運営権付与後の管理体制についても検討を進めてまいります。
3 ラムサール条約について
 当町でも以前、ラムサール条約について地域に意見を求めたことがありますが、地域でもそのままにしておいてほしいとの意見がありました。
 十勝管内の太平洋沿岸にはラムサール条約などはないので、町としても、このような自然保護を行うには、地域から要望などの声があれば町も手助けしていくものと考えております。


企画商工課航空宇宙推進室・住民課住民活動係)

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 21:04Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2023年07月13日

大樹町の自然の保全に関し、質問書を送付

 大樹町の自然の保全に関し、大樹町長に以下の書面を送付しました。

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2023年7月5日


大樹町長  黒川 豊 様

十勝自然保護協会 共同代表  安藤 御史
佐藤与志松


大樹町の自然の保全に関する要望と質問


 当会は、ここ数年にわたって大樹町の自然、とくに大樹海岸の自然(海岸海蝕断崖草原、海岸砂浜群落、海岸草原、カシワ林、湿原、湿生草原、希少地形十勝坊主など)について、生物多様性の保全、景観の保全を訴えて、貴町に要望・提言をおこなってきました。

 2022年10月に当会が提出した「LC-1射場の整備、滑走路の延伸に関する要望」について、同年11月2日付の回答のなかで、前町長は「自然環境と共生」、「周辺環境に配慮」との立場を表明しておられます。この点は貴町の一貫した立場であると当会は認識しており、継続されることを要望いたします。

 貴職に以下の点について質問いたします。
(1)大樹海岸の自然の保全との関わりで今後の航空宇宙関係の行政の進め方について、ご見解をお伺いいたします。
(2)射場の拡大に伴いロケット射場運営会社(スペースコタン)など今後の運営形態について、ご見解をお伺いいたします。また、射場の運営形態に「コンセッション方式」の検討を考えているとの報道もあり、運営権を民間に設定するとすれば、射場周辺の自然への対応が不十分になるのではないかとの懸念もあります。ご見解をお伺いいたします。
(3)射場周辺のみならず、とくに湖沼群は環境省の「重要湿地」に選定されるなど、大樹海岸の自然には貴重なものが少なくありません。当会は、例えばラムサール条約登録など公的保全が必要と考えていますが、そのためには何よりも当該自治体の住民の理解と行政の積極性が求められるものです。大樹海岸全体への公的保全についてご見解をお伺いいたします。

 ご多忙とは存じますが、7月31日までに書面にてご回答いただきたくお願いいたします。

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 14:25Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2022年11月13日

LC-1射場の整備、滑走路の延伸に関する要望への回答

 2022年10月22日付の「LC-1射場の整備、滑走路の延伸に関する要望」に対し、大樹町から以下の回答がありました。

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樹企商第 382号
令和4年11月2日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御 史 様
              佐藤 与志松 様

大樹町長 酒森 正人


 「LC-1射場の整備、滑走路の延伸に関する要望」に対する回答について
2022年10月22日付けで要望のあったこのことについて、次のとおり回答いたします。



1 LC-1射場の拡張整備について
 LC-1射場は、ロケットの飛行安全や地上安全の確保が必要であることから、既存法令に基づく保安距離等を満たした施設整備が前提となりますが、当町は、自然環境と共生する射場の整備を目指 しておりますので、これまで同様、周辺環境に配慮した事業計画策定に努め、自然環境と共生が図られるロケット射場整備を検討していきたいと考えております。
 整備にあたっては環境影響を予測・評価する必要があるため、今年度は春期環境調査を行い、周辺植生等を事前に把握することで、環境に配慮した射場整備について検討してまいります。なお、先に提供依頼のあった植生調査票について、今回は重要種の調査であり調査会社に提出を求めていないため、その他関係書類のみ提供させていただきます。
 樹木伐採については、西側道路を基本設計時に計画していた直角から斜めに角度をつけることで、伐採範囲を最小限とするよう計画の見直しを検討しているところです。
 比較的密に生育が確認されているガンコウランについては、LC-0東側の轍付近に移植を行ったところであり、伐採材保管場所については下草刈りのみ行う計画で検討しております。
 また、道路は砕石舗装とし、電線は埋設する予定としております。
当町では前述のとおり、自然環境と共生が図られるロケット射場整備を今後も検討してまいります。

2 フェンスの設置方法について
 LC-1射場のセキュリティ環境は、国からの射場認定を受けるために重要なものと考えております。そのため、門扉およびフェンスを設置しますが、ご提案のフェンスの設置方法については、事業費が大きく増加すること、既存のLC-0射場は施設運用上、設置されていたフェンスを撤去していることから難しいと考えております。
 御協会やその他団体による観察会等は事前に連絡いただければ、これまで同様行えるよう対応していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

3 現滑走路の東側延伸について
 先にお伝えしているとおり、現在詳細設計を行っているところであり、基本設計どおり工事を行うかは未定となっております。
 滑走路の延伸につきましても、LC-1射場の整備同様、周辺環境に配慮した整備を検討してまいります。

(企画商工課航空宇宙推進室)



  

Posted by 十勝自然保護協会 at 14:47Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2022年11月13日

LC-1射場の整備、滑走路の延伸に関する要望

 大樹町長に、LC-1射場の整備、滑走路の延伸に関する要望書を送付しました。

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2022年10月22日


大樹町長  酒森 正人 様

十勝自然保護協会 共同代表  安藤 御史
佐藤与志松


LC-1射場の整備、滑走路の延伸に関する要望


 LC-1射場の整備について、9月21日、当会役員が貴町担当職員と面談し詳細設計図面により説明を受けました。その際、当会の要望を口頭で伝えましたが、その後開催された役員会での検討を踏まえ、改めて書面にて要望いたしますので、ご検討いただきたく存じます。ご多忙とは存じますが、11月22日までにご見解を回答くださいますようお願いいたします。

1.LC-1射場の整備について
 すでに当会は何度も強調していますが、当該地区のカシワ林は、浜大樹より連続する自然度の高い長なもので、北海道でも貴重なカシワ海岸林であり、北海道も「北海道自然環境保全指針」において「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に指定しています。また、カシワ林周辺の海岸側には多くのガンコウラン群落があり、これも上記の北海道自然環境保全指針の中で他の海岸植生とともに保全が求められているところです。
 残された植生の保全、景観の保全のために以下の要望をします。
(1)道路の曲がり角を曲線化して、カシワ林の開削を最小限にすること(図参照)。
(2)機材や伐採木を置くなど工事終了後には使用しない作業関連のみのカシワ林開削部分については、カシワは伐根から萌芽する可能性が高いことから根株を損傷しないようにすること。
(3)道路面は透水性に配慮すること。指令所への道路のように木材チップの敷設も考慮すること。やむを得ない場合、砂利敷きかあるいは透水性のアスファルトにすること。
(4)電柱は敷設しないこと。
(5)環境調査で指摘されている植物重要種は、移植先が決まっているホソバナソモソモ以外の9種についても相当する環境への移植を検討すること。また、浜大樹海岸の植生を特徴づけるガンコウランについては、東側海岸段丘の車両でできた裸地など周囲に同種が生育している場所への移植を考慮すること。
 なお、立ち入り規制について、門扉を設置して一般車両を規制することには異議はありませんが、徒歩による東側海岸段丘、河口周辺の観察等の規制には反対です。計画ではフェンスは門扉より海岸までに延びていますが、フェンスを設置するならば、門扉からは緊急避難道路沿いにして、LC-1射場施設およびMOMO射場(扇形面)を囲む形のものにしていただきたく存じます(図参照)。

2.現滑走路の東側延伸について
 先の面談においては「基本設計どおり延伸工事を実施するかは、現在のところ未定」とのことでした。当会は引き続き、上記の観点から、カシワ海岸林の伐採をせず、西側にのみ延伸すべきことを要望いたします。
以上

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 14:42Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2022年06月03日

宇宙関連事業の本格的な開始に当たっての要望と回答

 5月11日付で大樹町長に送付した「宇宙関連事業の本格的な開始に当たっての要望」と大樹町長からの回答を掲載します。

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2022年5月11日


大樹町長  酒森正人 様

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


宇宙関連事業の本格的な開始に当たっての要望


 当会は貴職に対し、十勝海岸の自然の多様性、貴重性を守る立場からここ数年にわたり、書面・面談を通じ意見を述べ要望してきました。とくに「大樹町多目的航空公園を活用した地域活性化方策及び施設設備検討調査並びに環境影響評価の実施業務」が公表されてから、射場の拡張整備、滑走路の延伸などについて代替案を含め要望書を提出しました。
 貴職からはすでに当会への文書の中で、「当縁湿原を含む『十勝海岸湖沼群』が環境省の『生物多様性の観点から重要度の高い湿地』に選定されていることも承知しておりますし、貴重な資源と考えているところでもあります。」との見解をいただいております。また、射場整備についての要望に対し「…自然環境と共生する射場の整備を目指しておりますので、これまでと同様に、周辺環境に配慮した事業計画策定に努め、自然環境と共生が図られるロケット射場整備を検討していきたいと考えております。」との回答もいただいております。
 貴町が掲げる「北海道スペースポート」構想の実現に向けた関連事業が今年度より本格的に始まるとのことですが、その開始に当たって以下の要望をいたします。これは、すでに書面や面談を通じて繰り返し要望してきましたが、改めて提出いたします。
 ご多忙とは存じますが、6月3日までにご見解をいただければ幸いです。

1.LC1射場の拡張整備について
 当該地区のカシワ林は、浜大樹より連続する自然度の高い長大なもので、道内的にも貴重なカシワ海岸林であり、北海道も「北海道自然環境保全指針」において「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に指定しています。また、カシワ林周辺の海岸側には多くのガンコウラン群落があり、これも上記の北海道自然環境保全指針の中で他の海岸植生とともに保全が求められているところです。
 今後の実施設計に当たっては、カシワ林の伐採を伴わない計画を最後まで追及していただきたく存じます。
 また、実施設計に当たっては、当会が意見を述べる機会を設けていただきたく要望します。
2.現滑走路の東側延伸について
 上記の観点から、海岸カシワ林の伐採をせず、西側にのみ延伸すべきことを要望してきましたが、今回の決定は残念です。「北海道スペースポート」構想では、今後、3000m級の新滑走路の計画もありますが、カシワ林伐採を伴わない計画を最後まで追及していただきたく存じます。
3.「北海道スペースポート」構想のイメージ図について
 スペースコタンがメディアなどに提供する3葉のイメージ図については、貴重な自然環境を破壊するようなイメージであることから、当会は発足当初から再検討を要望してきました。貴町は「あくまでもイメージ図」としていますが、3葉のうち特に右図は「航空宇宙産業が集積する『宇宙のシリコンバレー』を目指す」ものとして、各種イベントやメディアで多用されています。この図は海岸草原台地から当縁川河口をベースにし、河川湿地は埋め立てられています。貴職がおっしゃる「自然環境との共生」とはかけ離れるものです。スペースコタンは貴町が最大株主です。再検討を要望いたします。

(イメージ図は省略)


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樹企商第 214 号
令和4年5月26日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史 様
              佐藤与志松 様

大樹町長 酒森 正人


「宇宙関連事業の本格的な開始に当たっての要望」に対する回答について
2022年5月11日付けで要望のあった このことについて、次のとおり回答いたします。

1 LC-1射場の拡張整備について
 LC-1射場の整備につきましては、整備事業に係る入札公告を4月に行い、現在、入札参加申込等の受付を行っているところです。
 LC-1射場は、ロケッ トの飛行安全や地上安全の確保が必要であることか ら、既存法令に基づく保安距離等を満たした施設整備が前提となりますが、当町は、自然環境と共生する射場の整備を目指 しておりますので、これまで同様、周辺環境に配慮した事業計画策定に努め、自然環境と共生が図られるロケット射場整備を検討していきたいと考えております。
 なお、整備にあたっては環境影響を予測・評価する必要があるため、昨年実施した夏期・秋期環境調査に続き、今年度は春期環境調査を行うこととしております。本調査において周辺植生等を事前に把握し、環境に配慮した射場整備について検討してまいります。

2 現滑走路の東側延伸について
 昨年度実施した基本設計では、インフラ等の周辺環境から、滑走路については東西へ延伸する設計となっております。
 ただし、今後実施する入札においては、滑走路延伸等にかかる技術提案を参加企業から受ける予定となっていることから、基本設計どおり延伸工事を実施するかは、現在のところ未定となっております。
 滑走路の延伸につきましても、LC-1射場の整備同様、周辺環境に配慮した整備を検討してまいります。

3 「北海道スペースポー ト」構想のイメージ図について
 現在の北海道スペースポートイメージ図は、北海道に形成を目指す「宇宙版シリコンバレー」を分かりやすくイメージできるように集約 したものにあなりますので、町として本図どおりの整備を目指 しているわけではございません。
 なおイメージ図は、より具体的な内容に更新することも考えていることから、更新の際には自然環境への配慮についても検討していきたいと考えております。

(企画商工課航空宇宙推進室)

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 21:41Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2021年07月14日

大樹町海岸の保全に関する要望に対しSPACE COTAN株式会社から回答

 6月9日付の「大樹町海岸の自然環境の保全についての要望」に対し、SPACE COTAN株式会社から以下の回答がありました。

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2021年6月30日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史 様
              佐藤 与志松 様

SPACE COTAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 小田切義憲


 私共、SPACE COTAN株式会社は本年4月に設立し、今後体制整備を行いましたのち、射場の運営・管理業務を大樹町からの指定管理制度にて実施することを前提と致しまして、現在準備を進めております段階でございます。
 弊社もここ大樹町を中心としまして航空宇宙産業を活性的に推進するため、自然環境維持の重要性を理解しました上で、共生していくべく、関係者の皆様の納得のいくよう広くご意見を賜りたく考えております。今回、要望書という形式にて頂戴いたしましたが、今後コロナ禍が落ち着きました際には、直にご意見等を伺わせて頂く機会の設定させて頂きたいと考えています。

 今回頂戴いたしましたご要望に関しまして、計画されます射場の整備等につきましては大樹町様が主体として実施する役割を担っております。大樹町長様にすでに要望書をお送りされていると伺っておりますところ、大樹町様にて具体的な対策等を検討され、弊社では、大樹町様のお考え、方針に従いまして、対応をさせていただくことになります。

1.Ll射場の拡張整備について
頂戴しました①から④に関しまして、ご要望として理解いたしました。上述の通り、弊社は大樹町様の指示に基づきまして拡張整備に関わる業務の一部を担う役割となりますので、大樹町様と連携し対応を検討する際の参考とさせて頂きます。

2.現滑走路の延伸案について
本要望に関しまして、理解いたしました。前項同様に大樹町様と連携し対応を検討する際の参考とさせて頂きます。

3.ロケットの実験や発射時における対策について
本要望に関しまして、理解いたしました。前項同様に大樹町様と連携し対応を検討する際の参考とさせて頂きます。

以上

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 16:59Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2021年07月14日

大樹町海岸の自然環境の保全に関する質問と要望に大樹町から回答

 6月9日付の『大樹町海岸の自然環境の保全と「北海道スペースポート」に関わる質問と要望』に対し、大樹町長から以下の回答がありました。

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樹企商第 253 号
令和3年6月30日


十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史 様
              佐藤 与志松 様

大樹町長 酒森 正人


大樹町海岸の自然環境の保全と「北海道スペースポート」に関わる質問と
要望について (回答)

2021年6月9日付けで送付のありました件について、次のとおり回答いたします。

1 インターステラテクノロジズ (IST)の失火に関して
IST社による、本年4月13日、15日の町有地内における失火について、町としてはIST社に対して原因の究明と、今後は同様の事態を起こさないよう強風時での実験中止や燃焼物の飛散防止等の対策を検討するように伝えております。後日、IST社からは、原因はエンジン部品やディグレクタ周囲の破損物、グラファイトが飛散したことによるものであり、対策として破損物飛散を防ぐためのウォーターカーテンの設置、風速が一定の数値以下であることの実験実施条件への追加などの措置を講じた旨の説明を受けております。
2 「北海道スペースポート」整備計画に関して
①本年度は、航空公園機能拡充のための基本設計業務を行います。この業務では、L1射場及び滑走路延伸に係る実施設計業務を行うための基本的な整備事項を検討するものです。実際の整備場所・方法については、本業務の中で検討し、環境調査についても合わせて実施します。業務期間は令和4年3月31日 までとなっております。
②L2射場の環境影響調査ですが、当初 2020年度での実施を検討しておりましたが、予算等の都合で2020年度に実施できませんでしたので、現時点では、お示しできる情報はございません。同調査については、本年度以降の実施を検討しておりますが、具体的な日程は決まっておりません。

(企画商工課航空宇宙推進室)

  

Posted by 十勝自然保護協会 at 16:53Comments(0)大樹町航空宇宙開発

2021年06月11日

大樹町海岸の保全に関しSPACE COTAN株式会社に要望書を送付

 大樹町が整備した「北海道スペースポート」の設備施設を指定管理者として委託されている「SPACE COTAN株式会社」に、大樹町海岸の自然環境の保全について要望書を送付しました。

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2021年6月9日


SPACE COTAN株式会社 CEO 小田切 義憲 様

十勝自然保護協会 共同代表  安藤 御史
         佐藤与志松


   大樹町海岸の自然環境の保全についての要望

 当会は、十勝地方の自然を保全し、自然環境の保護育成につとめ、生活と文化向上に貢献することを目的に活動をしています。
 当会は、大樹町に対してここ数年にわたり、大樹町海岸の自然環境の保全について要望書を提出してきたところです。本年4月20日に貴社が設立され、大樹町が整備した「北海道スペースポート」の設備施設を指定管理者として委託されております。貴職におかれましては、大樹町海岸を含む十勝海岸の自然環境の保全についてご理解を賜りますよう要望いたします。

 大樹町から豊頃町・浦幌町に至る海岸線には、当縁湿原・ホロカヤントー・生花苗沼・キモントー・湧洞沼・長節沼・十勝川河口湿原・トイトッキ浜・豊北海岸という湿原・湖沼・海岸草原が連続し、「十勝海岸湖沼群」ともよばれております。そこには、多様な動植物が存在し、独特の生態系が作られています。とくに現在の実験場に隣接する当縁湿原とその周辺について、植物には貴重種が少なくありません。環境省レッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に記載されている絶滅危惧ⅠB類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種などが多数確認されています。また、国指定の特別天然記念物であるタンチョウの営巣地となっています。
 このようなことから環境省は、当縁湿原をはじめとする「十勝海岸湖沼群」を「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(重要湿地)」として選定しています。
 北海道も「北海道自然環境保全指針」において「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に指定しています。また、北海道文化財として2地区(トイトッキ浜、長節湖湖畔)の植物群落を天然記念物に指定しています。
 国際的な鳥類保護組織バードライフインターナショナルは、タンチョウ繁殖地、ガン類渡来地としての重要性から、十勝海岸湖沼群・十勝川下流域を「重要野鳥生息地IBA」として指定しています。
 このようなことから、この地域は、ラムサール条約登録地に十分に該当するものです。
 また、大樹町海岸は、海岸海浜植生、湿原植生だけでなく、強風と濃霧のなかで生命をつないできた自然度の高い長大なカシワ海岸林が実験場まで延びており、林床植物も含め貴重なもので、上記「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に取り上げられています。
 さらに、実験場西側に隣接して現在では極めて希少となった地形である「十勝坊主(アースハンモック)」群が広がっており、専門家からは低地における十勝坊主群の南限との指摘があります。
 実験場北側段丘面の草原には、北海道指定史跡であるホロカヤントー竪穴群(晩成地区)に連なると思われる竪穴跡も多数あります。
 このような自然環境は、ひとたび壊されたならば回復不可能となります。当会は、このような十勝海岸の自然の貴重さを次の世代に残すことが重要であるとの立場で保全を強く訴えています。

 大樹町長からはすでに当会への文書の中で、「当縁湿原を含む『十勝海岸湖沼群』が環境省の『生物多様性の観点から重要度の高い湿地』に選定されていることも承知しておりますし、貴重な資源と考えているところでもあります。」との見解をいただいております。また、昨年は射場整備についての要望に対し「…自然環境と共生する射場の整備を目指しておりますので、これまでと同様に、周辺環境に配慮した事業計画策定に努め、自然環境と共生が図られるロケット射場整備を検討していきたいと考えております。」との回答もいただいております。
 今後、管理運営のみならず、ロケット発射場の整備・拡張・新設、アクセス道路および諸建造物設置などの事業計画策定にも深くかかわる貴社におかれましては、周辺自然環境の損失を回避するように計画されることを強く要望するものです。

 当会は、とくに当面する問題として、大樹町長に対しすでに以下の要望をしております。貴職に対しても要望させていただきたく存じます。
1.L1射場の拡張整備について
①今まで提示されていた設計案はカシワ林を広範囲に伐採するものです。当該地区のカシワ林は、浜大樹より連続する道内的にも貴重なカシワ海岸林の末端部であり、伐採を伴わない計画としていただきたい。埋蔵文化財調査では考えられていた埋蔵文化財跡が見られなかったからカシワ林を広範囲に伐採できるということにはなりません。
②旧防衛省実験場敷地跡(それに沿った道路周辺)を基本とする計画としていただきたい。
③現在のIST実験場には使用されていないかなりの空所があるので、ここを活用するべく、2つの射点で共用できる施設設備も含め精査し、全体として計画を整理していただきたい。
④新案の設計検討に際して、町立会いのもと、設計担当者と面談する機会を設けていただきたい。
2.現滑走路の延伸案について
 東西に300m伸ばす3案が提示されていますが、東に延ばすことにより近接する自然度の高い長大な海岸カシワ林の伐採をするべきではなく、西側にのみ延伸すべきです。
3.ロケットの実験や発射時における対策について
 本年4月に起きた2度の草原火災、あるいは過去に見られた発射失敗に関わる周辺植生の一部焼失、また姿勢制御実験での湿原周辺への着地に伴う植生破壊など、周辺の自然環境への損失を回避するための対策、ガイドラインの設定などを行っていただきたい。

 貴職におかれましては、上述したこの地域の自然環境の重要さをご理解いただき、運営されることを強く要望するものです。
 ご多忙とは存じますが、6月30日までにご見解を伺えれば幸いです。
  

Posted by 十勝自然保護協会 at 22:30Comments(0)大樹町航空宇宙開発