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2021年02月25日

環境省にモアショロ原野螺湾足寄停車場線について要望書を送付

 当会は雌阿寒岳が噴火した際の避難路として一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線を拡幅・新規開削する計画に対し、現道の改修で対応するよう北海道に要望してきましたが、国立公園内の事業の適否について最終的な判断をする環境省に以下の要望書を送付しました。

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2021年2月22日


環境大臣 小泉進次郎 様

十勝自然保護協会 共同代表
安藤 御史
佐藤与志松



一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての要望書


 貴省の中央環境審議会自然環境部自然公園等小委員会は2015年12月22日に、町道雌阿寒オンネトー線(現在は道道に昇格し、一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の一部となる)の幅員を3.5mから5.5mへ変更することを認めました。これは足寄町が、本路線を雌阿寒岳が噴火した際の避難路とするために拡幅舗装を北海道や環境省に要望したことに基づいています。
 道路管理者である北海道は、2015年から自然環境調査を始め、2017年にはワークショップを開催して検討を進めてきました。これはワークショップで道民の意見を聞く前に拡幅舗装化が前提となっていたと解されます。
 当会もワークショップに参加して意見を述べてきましたが、その中で雌阿寒岳噴火の際の避難路として完全二車線の舗装道路が本当に必要なのかという疑問が生じました。噴火による避難は火山性微動の増加など噴火の前兆現象が見られた場合に噴火の前に避難する「事前避難」と、突然噴火した場合の「緊急避難」に分けることができます。前者の場合は噴火前ですから一分一秒を争って避難するという状況ではありません。後者の場合、噴火現象に対応した避難をすることになります。これをまとめると以下のようになります。

1.火山噴火による山体崩壊や火砕流は流下速度が極めて速いため、発生してから避難をしても間に合いません。融雪型泥流も同様で、螺湾川沿いに流れ下った場合、道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線は避難路として使えません。したがってこれらの噴火現象が発生した場合は避難のための道路を建設しても利用できません。
2.溶岩の流下速度は歩く程度ですので、既存道路でも避難可能です。
3.噴石は速度が速く、発生した場合は避難する時間的猶予がないため、噴石が直接当たらない建物や岩陰等に身を寄せるしかありません。大きな噴石は自動車のフロントガラスや鉄板も貫通しますので、自動車に留まるのは危険です。道路に大きな噴石が落ちたら自動車の走行もできません。噴石による被害軽減はシェルターが最も有効です。
4.火山灰が降下した場合視界不良となるため、自動車が高速で走行することは不可能です。また、道路に火山灰が積もるとスリップしやすくなり、厚く堆積した場合は、避難の車両も緊急車両も走行ができなくなる可能性があります。

 このように噴火現象に応じた避難を考えた場合、二車線の舗装道路を整備しても降灰がほとんどなく自動車走行に支障がないときにわずかな時間短縮になるだけです。そもそもそのような状況であれば一分一秒を争って避難する必要はありません。
 当会は、この点について帯広建設管理部および北海道知事に質問書を送付しましたが、これらの指摘を否定する回答は示されませんでした(資料参照)。つまり、道路管理者である北海道は「噴火現象に対応した避難」について何ら検討することなく拡幅舗装化を計画したことになります。これは計画の妥当性の検討を怠ったということであり、あってはならないことです。
 当会はその点ついて見直しを求め、新規開削ではなく現道の改修を提案しました。当会の提案は以下です。

1.幅員を広げることが可能な場所では幅員を広げ、対向車に備え待避場を多めに設ける。
2.カーブは基本的にそのままとし、カーブ部分の幅員を広くする。
3.路面はオンネトー湖岸の道路のような簡易舗装とする。
4.崩落の可能性がある場所に関しては、環境に配慮した上でできる限り小規模の崩落防止工事をする。

 しかし北海道は、噴火現象に対応した避難について検討をしなかったことは認めようとせず、「雌阿寒岳火山防災計画」を引き合いに出して責任転嫁しています。また、当会の提案もワークショップで議題として取り上げず無視しています。
 北海道は迅速性・安全性・確実性を理由にカーブや起伏がほとんどない完全二車線の舗装道路が必要だという主張のようですが、避難が必要な状況であれば速やかに一般車両の侵入を禁止することで交差は防げます。また、緊急車両も安全が確認されない限り現場に入ることはできません。仮に緊急車両とのすれ違いが生じても、当会の提案するような現道の改修を行えば、支障が生じるとは考えられません。
 北海道が考えているような完全二車線の舗装道路を建設した場合、第2種特別地域の自然が大きく損なわれ希少な動植物の生息地が破壊されるばかりではなく、9万㎡という広大な天然林の伐採が行われ森林が大きく分断されることになります。路線変更によって国立公園内を回避したからといって、このような自然破壊は許されることではありません。
 貴職におかれましては「噴火に対応した避難」を念頭に、北海道に本道路計画の妥当性について質し、不要な道路建設によって貴重な自然を損なうことがないよう賢明な判断をしていただくことを要望いたします。

 なお、この要望に関して貴職のご見解を伺いたく存じます。年度末でご多忙のところ恐縮ですが3月22日までにご回答くださいますようお願い申しあげます。
  


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2021年01月25日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての再質問書への回答

 当会の12月14日付再質問書に対し、1月14日付で以下の回答がありました。
 北海道の回答は「雌阿寒岳火山防災計画」を盾にカーブのない完全2車線の道路がどうしても必要というものです。当会は噴火現象に応じた避難を想定した場合、カーブのない完全2車線の道路は不要という主張をしていますが、そのことについては回答を避けています。事業主体である北海道は避難道路としての基本的事項について検討をする気がまったくないようです。

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道 路 第  5 0 7 号
令和3年(2021年)1月14日


十勝自然保護協会
 共同代表 安藤 御史 様
      佐藤 与志松 様

北海道知事 鈴木 直道
(公印省略)


 一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての再質問書(回答)

 平素より、北海道の建設行政について、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 また、貴協会におかれましては、十勝総合振興局帯広建設管理部が主催するワークショップにおいて、貴重なご意見をいただいていることについて、重ねてお礼申し上げます。
 さて、2020年12月14日付けで貴協会からのご質問について、下記の通り回答いたします。



 1について、当該路線の整備は、「雌阿寒岳火山防災計画」において、「急カーブの連続による視距離不足・狭小幅員砂利道で対向車との交差が極めて困難で円滑な避難誘導に支障を来す恐れがあることから、舗装化・幅員拡幅などの整備が必要である」とされていることに基づき計画しています。

 2(1)・(2)・(3)について、避難の安全性、確実性を確保することが重要であり、上記1の課題解消が必要であると考えています。

 3(1)・(2)について、上記1の課題を解消するためには、現道を利用する場合、大規模な地すべり対策が必要になると考えています。道路整備による周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて、引き続き、ワークショップにおいて有識者の皆様からご意見を伺いながら、検討を進めてまいります。

 4(1)・(2)について、ワークショップは、周辺環境に配慮した道路整備を行うため、有識者の皆様からご意見などを伺うことを目的として開催しており、平成29年11月の第1回ワークショップなどにおいて説明させていただいたように、現道を利用して上記1の課題を解消するには、国立公園内の自然改変が大きくなることから、極力、公園区域外に新たなルートを整備する案で検討を進めている旨の説明をさせていただいております。

 引き続き、当該道路の整備については、ワークショップにて、ご意見を伺いながら、検討を進めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。

連絡先:道路計画係     
TEL:011-232-4111(代表)
内戦:29-218        
FAX:011-232-6329    
  


  


Posted by 十勝自然保護協会 at 14:41Comments(0)道路問題

2020年12月16日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について再質問書を送付

 10月1日付の北海道知事からの回答を受けて、以下の再質問書を送付しました。

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2020年12月14日


北海道知事  鈴木 直道 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松



一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての再質問書


 貴職への要望書や質問書において、当会は現在のモアショロ原野螺湾足寄停車場線で避難に対応できると主張してきましたが、貴職は新規開削による路線変更が必要だと主張しています。そこで、当会は現地視察を行い、現道を大きく改変せずに避難路として利用することは十分可能であること、また新規開削を行った場合、極めて大きな自然破壊が生じることを改めて確認いたしました。具体的には現道を以下のように改修することで、スムースな避難が十分可能であると考えています。
・幅員を広げることが可能な場所では幅員を広げ、対向車に備え待避場を多めに設ける。
・カーブは基本的にそのままとし、カーブ部分の幅員を広くする。
・路面はオンネトー湖岸の道路のような簡易舗装とする。
・崩落の可能性がある場所に関しては、環境に配慮した上でできる限り小規模の崩落防止工事をする。
 10月1日付(道路第303号)の貴職からの回答について、上記の提案を踏まえた上で、再び質問をさせていただきます。項目ごとに回答できないような質問ではありませんので、必ず項目ごとにご回答ください。年末年始をはさみご多忙とは存じますが、1月14日までに回答くださいますようお願い申し上げます。


1 「『雌阿寒岳火山防災計画』では、噴火時の避難については、大規模な山体崩壊や火砕流、溶岩流、降灰などが発生する前の段階である噴火警戒レベル3になった時点で、雌阿寒温泉やオンネトー周辺など危険な区域から登山者や観光客が当該道路等を使用して避難を開始するとされております。」との回答がありました。
 噴石や降灰が発生する前に避難を開始するのであれば、1分1秒を争うような迅速な避難をする必要はありません。新たな道路建設によって数分でも早く避難することにこだわる理由を説明してください。

2 「この計画においては、避難の安全・確実性を確保することが重要とされておりますが、整備を検討している区間は、急カーブの連続で見通しが悪いことや狭小幅員による対向車との交差が極めて困難であることなどが課題とされており、道としては、早急にこれらを解消する必要があるものと考えています。」との回答がありました。

(1)前項で指摘した通り、迅速に避難する必要がないので、カーブがあっても問題はありません。カーブ部分の幅員を広くすることで、出合い頭の事故の防止にもなります。異論や反論がある場合は具体的に説明してください。

(2)「狭小幅員による対向車との交差が極めて困難」との指摘がありますが、避難が必要な状況ならばゲートに電光掲示板を設けて「進入禁止」と表示すれば対向車の侵入は考えられません。現場の安全が確認できなければ救急車やパトカーなどの緊急車両も入ることはありません。まして、噴石や降灰が発生する前に避難するとのことであれば、救急車両が入る必要性は全くありません。また、仮に救急車が出動するとしても足寄町からゲートまでは約37㎞あるために、救急車が到着する前に避難すべき車両は幅員の狭小な部分を通り過ぎており、狭小部分で交差する可能性は低いと考えられます。異論や反論がある場合は具体的に説明してください。

(3)降灰があった場合は①降灰で視界不良になる。②前方を走る車両が巻き上げる降灰で視界不良になる。③滑りやすくなることが指摘されています。降灰で視界不良になることに関しては、「足寄町雌阿寒岳防災マップ」の「どこで・どんな災害が・・・?」の「小噴火および中噴火」の項に「視界不良による交通障害に注意」との記載があります。したがって、速やかに走行できる2車線で勾配の少ない道路を建設したところで安全な走行はできません。異論や反論がある場合は具体的に説明してください。

3 「当該道路の整備にあたっては、環境への配慮が必要であることから、ワークショップにおいて、有識者などの意見を伺いながら、現道利用案も含め比較したところ、現道利用は大規模な地すべり対策を必要とするなど、国立公園内の自然改変が大きくなることから、極力、公園区域外に新たなルートを整備する案で検討を進めています。」との回答がありました。

(1)現道を利用する場合、大規模な地すべり対策が必要とのことですが、これは現道を5.5mに拡幅することが前提となっています。現道の幅を大きく変えなければ、大規模な工事は必要ありません。然別湖畔の道道85号は大雨で崩落が生じましたが、景観に配慮しながら法面の工事を行っています。したがって大きな自然改変が必要な大規模な地すべり対策は不要と考えます。反論がある場合は具体的に説明してください。

(2)現道利用は「国立公園内の自然改変が大きくなる」という主張も現道を5.5mに拡幅することが前提であり、当会の提案する改変であれば周辺の自然にほとんど手をつけずに済みます。それに対し、新規開削案では、オンネトー駐車場付近より南側の第2種特別区域の約1㎞がほぼ全線にわたって切土・盛土による幅30~40mの法面が形成されるなど「国立公園内の大きな改変」があるほか、国立公園外でも広大な森林伐採が行われ希少植物の生育地も破壊されます。どちらが自然環境に大きな影響を与えるかは明白です。反論がある場合は具体的に説明してください。

4 「引き続き、ワークショップにて、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて、ご意見を伺いながら、検討を進めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。」との回答がありました。

(1)当会は当初からワークショップに参加し、生態系・生物多様性の保全、景観の保全の立場から、新規開削に伴って生じるほぼ全線にわたっての大規模な法面の出現が及ぼす自然環境の変化について多面的に問題点を指摘し、現道を利用しての整備案も提言し、まさに「周辺自然環境への影響や必要となる保全措置など」について発言してきました。
 しかし、ワークショップでは、「環境調査結果に関する意見聴取、環境影響に関する意見聴取」に議題が限られており、「噴火現象に応じた避難と道路のあり方」についての議論などは行われず回を重ねてきました。
 そのような状況を踏まえ、当会は、2019年4月以降、帯広建設管理部長あてに「噴火現象に応じた避難と道路のあり方」を論点にした質問書、要望書を提出しました。さらには貴職あてに「新規開削よりも環境破壊が少ない現道利用の整備の再検討」の要望も明確にしながら、「噴火現象に応じた避難と道路のあり方」を論点にした書面を提出してきました。
 火山噴火の際の避難を目的とした道路計画である以上、噴火現象を踏まえた避難の議論は不可欠です。ワークショップではなぜそのような検討を行わなかったのか説明してください。

(2)当会は要望書や質問書において自然環境への影響がほとんど生じない現道利用案を提案しています。しかし「周辺自然環境への影響や必要となる保全措置など」を検討しているワークショップにおいて、当会の要望書や質問書は資料として配布されるだけで検討されたことはありません。「引き続き、ワークショップにて、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて、ご意見を伺いながら、検討を進めてまいります」との回答されているのですから、自然環境への影響がほとんどない当会の現道利用案を議題として取り上げないのは言行不一致になります。当会の現道改修案を議題にせず無視する理由を説明してください。

  


Posted by 十勝自然保護協会 at 13:48Comments(0)道路問題

2020年10月17日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての質問に対する知事からの回答

 当会の8月22日付の質問書に対して、北海道知事から以下の回答がありました。
 5月22日付の要望に対して各問に対応した回答がなかったために、各問ごとに回答するよう求めたのですが、今回も項目に応じた回答をしていただけませんでした。質問項目に即した回答ができない、あるいはしたくないということであれば、新規開削は根拠がないと判断されても仕方ないでしょう。
 「大規模な山体崩壊や火砕流、溶岩流、降灰などが発生する前の段階である噴火警戒レベル3になった時点で、雌阿寒温泉やオンネトー周辺など危険な区域から登山者や観光客が当該道路等を使用して避難を開始する」というのなら、モアショロ線を大々的に付け替える必要性はないと考えます。

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道 路 第  303  号
令和2年(2020年)10月1日


十勝自然保護協会
 共同代表 安藤 御史 様
      佐藤 与志松 様

北海道知事 鈴木 直道
(公 印省略)


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての質問書(回答)


 平素より、北海道の建設行政について、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 また、貴協会におかれましては、十勝総合振興局帯広建設管理部が主催するワークショップにおいて、貴重なご意見をいただいていることについて、重ねてお礼申し上げます。
 さて、2020年8月25日付けで貴協会からのご質問について、下記の通り回答いたします。



 「雌阿寒岳火山防災計画」では、噴火時の避難については、大規模な山体崩壊や火砕流、溶岩流、降灰などが発生する前の段階である噴火警戒レベル3になった時点で、雌阿寒温泉やオンネトー周辺など危険な区域から登山者や観光客が当該道路等を使用して避難を開始するとされております。
 また、この計画においては、避難の安全・確実性を確保することが重要とされておりますが、整備を検討している区間は、急カーブの連続で見通しが悪いことや狭小幅員による対向車との交差が極めて困難であることなどが課題とされており、道としては、早急にこれらを解消する必要があるものと考えています。
 当該道路の整備にあたっては、環境への配慮が必要であることから、ワークショップにおいて、有識者などの意見を伺いながら、現道利用案も含め比較したところ、現道利用は大規模な地すべり対策を必要とするなど、国立公園内の自然改変が大きくなることから、極力、公園区域外に新たなルートを整備する案で検討を進めています。
 引き続き、ワークショップにて、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて、ご意見を伺いながら、検討を進めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
 なお、立ち入り規制など、想定される火山現象の状況に応じた警戒避難体制の整備については、今後も雌阿寒岳火山防災協議会にて関係機関と必要な協議を行ってまいります。

連絡先:道路計画課     
TEL:011-231-4111(代表)
内線:29-218        
FAX:011-232-6329    
   



  


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2020年08月28日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について北海道知事に質問書を送付

 当会は北海道知事に一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削を中止するよう求めましたが、それに対する回答を踏まえ以下の質問書を送付しました。

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2020年8月25日


北海道知事 鈴木直道 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての質問書


 当会の2020年5月22日付要望書に対し、7月17日付(道路第187号)で回答がありましたが、当会の意見・要望にきちんとお答えいただいておりません。つきましては、以下の6項目について質問いたします。それぞれに対し貴職の見解を明らかにして下さいますようお願いいたします。
 なお、お忙しいこととは存じますが、9月30日までに回答くださいますようお願い申し上げます。



1 火山噴火による山体崩壊や火砕流は流下速度が極めて速いため、発生してから避難をしても間に合いません。融雪型泥流も同様で、螺湾川沿いに流れ下った場合、道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線は避難路として使えません。したがってこれらの噴火現象が発生した場合は避難のための道路を建設しても利用できません。これらの指摘に同意するか否かお答えください。同意できない場合は理由を具体的に説明してください。

2 溶岩の流下速度は歩く程度ですので、既存道路でも避難可能です。これについて同意できるか否かお答えください。同意できず新規開削が必要だという認識であれば、その理由を具体的に説明してください。

3 「足寄町雌阿寒岳防災マップ」(http://vivaweb2.bosai.go.jp/v-hazard/L_read/07meakandake/07meakan_2h02-L.pdf)によると、噴石は噴火の規模に関わらず火口から2kmの範囲が危険区域であり、雌阿寒温泉やオンネトー湯の滝付近にまで飛来する可能性があるとされています。また、国土交通省のサイト「火山災害に係わる検討について」(https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/information/council/shuto-research/kazan_kentou/c_kazan27.html#:~:text=Blong(1984)%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8C%E3%81%B0,%E6%95%B0km%E6%9C%AA%E6%BA%80%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82)に「Blong(1984)によれば、噴石の平均的到達距離は約2km以上、最大で約5km以上とされ、1783年の浅間山噴火において約11kmの飛距離を記録している。」との記述があります。したがって、雌阿寒岳が噴火した場合、オンネトー周辺のほか、新規開削部分にも噴石が落下する可能性があります。噴石は速度が速く、発生した場合は避難する時間的猶予がないため、噴石が直接当たらない場所に身を寄せるしかありません。大きな噴石は自動車のフロントガラスや鉄板も貫通しますので、自動車に留まるのは危険です。道路に大きな噴石が落ちたら自動車の走行もできません。噴石による被害軽減はシェルターが最も有効です。
 噴石への対応として、シェルターの設置より道路の新規開削を優先する理由を説明してください。

4 「足寄町雌阿寒岳防災マップ」によると、大噴火では計画道路部分は降灰50センチの円内に入ります。内閣府は「大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ」による資料を公開しており、「降灰による影響の想定の考え方(交通分野)(案)平成31年3月22日」(http://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/pdf/2019322siryo1-1.pdf)に降灰による自動車への影響がまとめられています。この資料によると、有珠山では降灰の厚さが2cm以上でスリップが発生し、10cm以上で走行不能になったと報告されています。
 雌阿寒岳が噴火して火山灰が降下した場合視界不良となるため、二車線の舗装道路でも自動車が高速で走行することは不可能です。また、火山灰が厚く堆積した場合は、避難の車両も緊急車両も走行ができなくなる可能性があります。
 つまり二車線の舗装道路を整備しても、降灰が少なくて自動車走行ができる場合にのみわずかな時間短縮になるだけです。降灰が少ない小規模噴火であれば1分1秒を争って避難する必要はないので既存の道路で避難できます。既存の未舗装道路ではカーブが多く幅員が狭くてバスなどの大型車両の通行が困難ということであれば、多少の改良で対応できると考えます。
 なお、緊急車両は足寄町市街から現場に向かうことになりますが、足寄町市街から現道の二車線区間終点までは約37kmありますので、避難の車両と緊急車両が幅員の狭い部分ですれ違う可能性は低いと思われます。
 これらの指摘を踏まえた上で、降灰時の避難および緊急車両の走行において、どうしても新規開削による二車線の舗装道路が必要であるという理由を説明してください。

5 道路整備にあたり動植物の専門家などで構成するワークショップを開催し、自然環境への影響や保全措置などについて意見を聞いて進めているとの回答がありました。平成28(2016)年6月から動植物の専門家などで構成する懇談会が開催され、いくつかの路線案の検討があり、現計画路線の骨格がほぼ固まった段階で、平成29(2017)年11月から地域の代表者や自然環境団体等も参加するワークショップが開催されています。しかし、懇談会やワークショップでは噴火現象に対応した防災や避難と道路との関係について議論や検討はなされていません。
 当会も当初からワークショップに参加し、生態系・生物多様性の保全、景観の保全の立場から、アカエゾマツを主体とする独特の景観を有する針葉樹林とその林床の保護を訴え、直線化に拘泥した新規開削に伴って生じるほぼ全線にわたっての大規模な法面の出現が及ぼす自然環境の変化について多面的に問題点を指摘してきました。また、現道を利用しての整備案も提言しました。
 自然環境への影響が最も少なくてすむのは既存の道路の部分改修です。火山現象に即した現実的な防災や避難の視点から、現道の利用について再度の検討を求めます。これについて貴職の見解をお尋ねします。

6 「貴協会からご提案のありました立ち入り禁止体制の強化や噴石シェルターの設置については、雌阿寒岳火山防災協議会の中で議論されるものと考えております。」との回答がありましたが、雌阿寒岳火山防災協議会の構成員(委員)である北海道知事としては、これらに関して協議会に提案する意向をお持ちかご説明ください。
  


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2020年07月29日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書に対する回答

 5月22日付で送付した「一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書」に対し、北海道知事から以下の回答がありました。

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道 路 第 187 号
令和2年 (2020年 )7月 17日


十勝自然保護協会
共同代表 安藤 御史  様
     佐藤 与志松 様

北海道知事  鈴木 直道
(公印省略)


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削申止を求める要望書 (回答)
 平素より、北海道の建設行政について、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、2020年5月22日付けの貴協会からの要望に関し、当該道路整備の防災上の必要性等について、下記の通り回答いたします。



 一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線 は、有識者や行政機関などで構成する雌阿寒岳火山防災協議会が策定した「雌阿寒岳火山防災計画」において、避難道路として位置づけられており、火山噴火災害時のオンネトー周辺からの避難車両や避難誘導を行う警察、消 防などの車両の通行を確保する重要な役割が求められています。
 しかしながら、現道の未改良区間は、砂利道で幅員が狭く、急カーブ、急勾配の箇所が多 数存在するなどの課題を抱えており、雌阿寒岳の噴火に備えるためにも、早急な整備が必要 と考えています。
 また、当該計画区間の一部は、阿寒摩周国立公園内に位置し、優れた自然環境を有していることから、道路整備にあたっては環境への配慮が必要と考えております。このため、動植 物の専門家などで構成するワークショップを開催し、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについてご意見を伺いながら、道路整備の検討を進めています。
 引き続き、こうした取組を行いながら、自然環境に配慮した適切な道路整備に努めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
 なお、貴協会からご提案のありました立ち入り禁止体制の強化や噴石シェルターの設置については、雌阿寒岳火山防災協議会の中で議論されるものと考えております。

連絡先:道路計画係     
TEL:011-231-4111(代表)
内線:29-218        
FAX:011-232-6329    

  


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2020年05月26日

一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書を送付

 当会は一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についてこれまで帯広建設管理部に説明を求めてきましたが、そのやりとりを踏まえ北海道知事に対し新規開削の中止を求める要望書を送付しました。

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2020年5月22日

北海道知事 鈴木直道 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の新規開削中止を求める要望書


 北海道は雌阿寒岳の噴火の際に迅速かつ安全に避難するために、一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の未舗装区間(モアショロ原野地区の4.4キロ)で二車線の舗装道路を新規に開削する事業を進めています。
 当会は帯広建設管理部の主催するワークショップに参加するとともに、生態系・生物多様性の保全、景観の保全、必要性の観点から帯広建設管理部に質問書を送付して疑問点を指摘してきました。その結果、本整備計画が火山噴火のさまざまな状況を想定し必要性を検討した上で計画されたものではなかったことが明らかになりました。(添付資料参照)
 当会は以下の理由により本整備計画の中止を求めます。貴職の見解について6月25日までに回答いただきたく存じます。



1 避難の時間的余裕がない噴火現象
・山体崩壊、火砕流
 山体崩壊や火砕流は流下速度が極めて速いため発生してから避難しても間に合いません。
・融雪型火山泥流
 融雪型泥流が雌阿寒岳の西側で発生した場合には螺湾川沿いに流れ下るため、モアショロ方面に向かう本道路は避難道路としては使えません。

 これらの噴火現象が発生した場合は避難する時間的余裕がありませんので、迅速に避難できる道路を建設しても意味がありません。

2 現道で対応可能な噴火現象
・溶岩流
 マグマには粘性があり流下速度は歩く程度ですので、既存道路による避難で対応できます。
・大きな噴石
 大きな噴石は噴火して数分で落下すると考えられますが、オンネトー見学の観光客がその間にすべきは建物など噴石が直接当たらない場所に避難することです。大きな噴石は自動車のフロントガラスや鉄板も貫通しますので、自動車に留まるのは危険です。道路に大きな噴石が落ちたら自動車の走行もできません。この場合はシェルターが最も有効です。
・小さな噴石、火山灰
 小さな噴石や火山灰が降れば、視界が悪くなりますし、道路に火山灰や小さな噴石が堆積すれば高速での走行はできません。また火山灰の降下だけであれば、高速で避難する必要性はありません。したがって既存の道路で避難できます。

 これらの火山現象が発生した場合、現道を利用しての避難で十分対応できると考えます。なお、帯広建設管理部からは現道では現場に向かう緊急車両とのすれ違いが困難との回答がありましたが、噴石が落下しているような状況では緊急車両も現場に近づくことはできません。

3 立ち入り禁止体制を強化すべき
 雌阿寒岳は気象庁が常時観測をして噴火警戒レベルを公表している火山で、噴火警戒レベルに応じて登山や観光の自粛や中止、避難などが定められています。また、人が居住しているのは雌阿寒温泉だけであり、雌阿寒岳やオンネトー周辺への立ち入りを規制しても観光業者への影響は大きくありません。したがって道路開通期間中に火山活動が活発化した場合、火山噴火レベルの周知や速やかな立ち入り規制を実施することで、噴火による被害の軽減が可能です。

4 噴石には自動車の避難よりシェルターが有効
 気象庁が24時間監視している火山であっても、噴火警戒レベルを上げたり立ち入り規制を実施する前に突然噴火をする可能性はあります。突然噴火した場合、前述したように自動車による避難は危険であり、一刻も早く噴石から身を守る行動が求められます。観光要所に噴石シェルターを設置することで人的被害を減らすことができます。新たな道路開削より噴石シェルターの設置を検討すべきです。

5 新規開削は生態系および景観の破壊になる
 雌阿寒岳の山麓には自然度の高い森林が広がっており、希少な動植物の生息地になっています。ここを開削して幅員5.5メートルの道路を建設した場合、のり面も含めると広大な面積の森林が破壊され森林が分断されるとともに景観が大きく破壊されます。生物多様性や自然環境の保全、景観保全の観点からも、新規開削は中止すべきです。

以上

  


Posted by 十勝自然保護協会 at 22:40Comments(0)道路問題

2019年12月13日

モアショロ原野螺湾足寄停車場線 火山噴火と避難に関する質問への回答

 11月3日付の質問に対し、11月29日開催のワークショップにおいて帯広建設管理部から回答がありました。回答文書では当会の質問要旨の下に回答が記されていますが、ここでは要旨ではなく質問原文に対応する形で回答を掲載します。

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1.「どの様な火山現象においても、安全で確実な避難路の確保が重要であると考えている。」とのことですが、西側斜面で山体崩壊、火砕流が突然発生した場合、オンネトー周辺の道路は埋没してしまい避難路の確保などできません。西側斜面で融雪型火山泥流が発生した場合にはモアショロ線は避難路にはなりません。溶岩流は歩く程度の速さですから2車線の舗装道路がなくても避難は十分に可能です。大きな噴石の場合は道路上に噴石が落ちますので自動車での走行自体が困難あるいは不可能になりますし、直撃されたら避難どころではありません。火山灰が降れば視界が悪くなりますし、道路に火山灰や小さな噴石が堆積すれば高速での走行はできません。したがって2車線の舗装道路があっても安全で確実な避難にはつながりません。これらの指摘に異論があれば具体的に説明してください。

<回答>
 溶岩流は歩く程度のスピードとあるが、噴火時には、噴石、火砕サージ、火砕流と時速数十キロから数百キロのものもあり、避難時の生存率を上げるためにも両方向に避難する道路は必ず必要です。

2.「現道は幅員が狭小で車輌のすれ違いが困難であることから、迅速な移動が難しい状況であり」とのことですが、噴火時には避難は一方向になりますから車両のすれ違いを考慮する必要はありません。また噴石が飛散する危険な状況であれば緊急車両も近づくことはできません。どのような噴火状況の時にこのような事態となるのか明らかにしてください。

<回答>
 緊急車両だけではなく、一般車両も走行する可能性があります。
 緊急車両は噴石が飛散する前に出動することもあり、早期に安全に目的地に到達するためには安全に交差が可能な道路が必要です。


3.足寄町からは「「大きな噴石」が2~3kmまで飛散、火砕流の一部が谷地形に沿い数km流下する可能性がある」との回答がありました。つまり火砕流の場合は螺湾川沿いにも流れる可能性があるのでモアショロ原野螺湾足寄停車場線は使えないということになります。噴石の場合は雌阿寒岳温泉からオンネトー付近にも落下する可能性がありそうですが、噴石が落下するなかを車で移動するのは危険ですし、路上に大きな噴石が落ちれば車両の走行自体が困難あるいは不可能になります。したがって防災のためにはシェルターが有効と考えます。これらの指摘に異論があれば具体的に説明してください。

<回答>
 このWSは、噴火時の避難路建設に伴う環境調査と環境影響について意見聴取をする場です。シェルターの有効性については、防災対策を検討する場で議論して下さい。

  


Posted by 十勝自然保護協会 at 14:32Comments(0)道路問題

2019年11月05日

モアショロ原野螺湾足寄停車場線の火山噴火と避難に関する再度の質問

 「一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線」計画に関し、11月3日付で事業主体である帯広建設管理部に以下の質問書を送付しました。

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2019年11月3日



帯広建設管理部長 様

十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松


2019年9月17日付 帯広建設管理部と足寄町の回答に対する質問


 当会が2019年4月4日付で「一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線」の計画に関して提出した「火山噴火と避難について」の質問書について、9月17日付で貴職より回答をいただきましたが、当該道路について問題点をより明確にするため以下の通り質問いたします。ご多忙とは存じますが、今月末までに回答頂きますようお願いいたします。

1.「どの様な火山現象においても、安全で確実な避難路の確保が重要であると考えている。」とのことですが、西側斜面で山体崩壊、火砕流が突然発生した場合、オンネトー周辺の道路は埋没してしまい避難路の確保などできません。西側斜面で融雪型火山泥流が発生した場合にはモアショロ線は避難路にはなりません。溶岩流は歩く程度の速さですから2車線の舗装道路がなくても避難は十分に可能です。大きな噴石の場合は道路上に噴石が落ちますので自動車での走行自体が困難あるいは不可能になりますし、直撃されたら避難どころではありません。火山灰が降れば視界が悪くなりますし、道路に火山灰や小さな噴石が堆積すれば高速での走行はできません。したがって2車線の舗装道路があっても安全で確実な避難にはつながりません。これらの指摘に異論があれば具体的に説明してください。

2.「現道は幅員が狭小で車輌のすれ違いが困難であることから、迅速な移動が難しい状況であり」とのことですが、噴火時には避難は一方向になりますから車両のすれ違いを考慮する必要はありません。また噴石が飛散する危険な状況であれば緊急車両も近づくことはできません。どのような噴火状況の時にこのような事態となるのか明らかにしてください。

3.足寄町からは「「大きな噴石」が2~3kmまで飛散、火砕流の一部が谷地形に沿い数km流下する可能性がある」との回答がありました。つまり火砕流の場合は螺湾川沿いにも流れる可能性があるのでモアショロ原野螺湾足寄停車場線は使えないということになります。噴石の場合は雌阿寒岳温泉からオンネトー付近にも落下する可能性がありそうですが、噴石が落下するなかを車で移動するのは危険ですし、路上に大きな噴石が落ちれば車両の走行自体が困難あるいは不可能になります。したがって防災のためにはシェルターが有効と考えます。これらの指摘に異論があれば具体的に説明してください。
  


Posted by 十勝自然保護協会 at 16:11Comments(0)道路問題

2019年10月06日

モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問への回答

 当会が5月30日までに回答を求めていた、「モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問」に対し、9月10日に行われたワークショップ(現地見学会)にて回答がありました。

 「各火山現象と本道路の関係について具体的に説明してください」と要望したのですが、帯広建設管理部は「避難路の確保が重要」というだけで、具体的な説明はありませんでした。
 地元の足寄町から『「大きな噴石」が2~3kmまで飛散、火砕流の一部が谷地形に沿い数km流下する可能性がある』との説明がありました。火砕流は螺湾川沿いにも流れる可能性があるので、モアショロ原野螺湾足寄停車場線は使えないということです。
 噴石は雌阿寒岳温泉からオンネトー付近にも落下する可能性があるようです。しかし噴石が落下するなかを車で移動するのは困難です。シェルターが有効ということになるでしょう。
 山体崩壊、融雪型火山泥流、溶岩流、火山灰・小さな噴石については想定していないようです。

 以下、回答です。

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令和元年度 モアショロ原野螺湾足寄停車場線 モアショロ原野地区の環境影響に関するワークショップ(現地見学2019/09/10)

平成30年度第 2回WS(H31. 3. 11)以降の問い合わせと回答について
問い合わせ団体:十勝自然保護協会(H31.4.4付)

【質問】
 火山現象は、1.山体崩壊、2.火砕流、3.融雪型火山泥流、4.溶岩流、5.大きな噴石、6.火山灰・小さな噴石がありその対処法は、
1.2.は実然発生した揚合には避難までの時間的猶予などありません。
3.は雌阿寒岳の西側で発生した場合には、螺湾川沿いに流れ下るのでモアショロア線は避難路になりません。
4.はマグマには粘性があり流下速度は人が歩く程度であるから避難は十分可能と考えられます。
5.はシェルターが有効だと考えられます。
6.は噴火から数分から数十分後に降下します。噴石を避けるために屋内やシェルターヘの避難が有効でしょう。ただ火山灰が1センチ以上積もると道路が滑りやすくなり、視界不良も発生します。車を高速で走らせることはできません。
 火山現象に対してどのように対処しようとしているのでしょうか。各火山現象と本道路の関係について具体的に説明してください。

【回答】帯広建設管理部
 どの様な火山現象においても、安全で確実な避難路の確保が重要であると考えている。また、現道は幅員が狭小で車輌のすれ違いが困難であることから、迅速な移動が難しい状況であり、人命に危険を及ぼすと予想された段階で確実に避難が行えるルートの確保が必要であると考えている。

【回答】足寄町
 雌阿寒岳火山防災については、1市6町で構成する雌阿寒岳火山防災会議協議会 (美幌町・津別町・足寄町・弟子屈町・釧路市・鶴居村・白糠町)」 にて策定した「雌阿寒岳火山防災計画」に基づき、火山災害対策を遂行するものとしています。
 想定する雌阿寒岳の噴火は、噴火のシナリオや噴火警戒レベルに基づくこととし、雌阿寒岳の火山噴火に伴う避難は、噴火災害が、突発的かつ大規模に発生すること も予想されるため、①迅速性 ②安全、確実性 ③広域性 に留意し実施するものとしており、火山現象毎の対応というより、噴火シナリオに基づく「段階的避難」を想定したものとなっています。
 避難にあたっては、最も危険と予想される地域から段階的に危険地域を脱出することを基本としています。
 噴火により直接人命に危険を及ぼす範囲は、時間の経過とともに徐々に拡大していくが予想されることや一挙に大規模避難することにより生じる混乱をできるだけ防止するには、避難の安全・確実性を確保することが重要となっています。

 避難道路の整備計画にあたっては、大きく4点の噴火時に予想される課題を検証し進めてまいりました。
「湖畔の狭隘な道路」
 現状として、観光客の流動は、国道→道道オンネトー線→湖畔・野営場等の折り返しが主流。
 噴火時に一斉に避難をすると自動車で∪ターンしての避難は迅速な避難は難しく、混乱発生も予想される。
「火山への接近する避難経路」
 防災計画では、中規模の噴人でも「大きな噴石」が2~3kmまで飛散、火砕流の一部が谷地形に沿い数km流下する可能性がある。
 オンネトー湖近辺・オンネトー登山道利用の観光客は、「オンネトー線」を利用しての避難だと、噴石エリアに入り込み、さらに火砕流の影響の可能性のある経路で避難することになり危険性が増加する。
「迅速な避難の必要性」
 登山道・湯の滝利用者は徒歩での利用となっており、拠点となる大型駐車場までは湯の滝からでも20分を要する。
 異変があった場合にはより迅速な避難が必要であり、避難時に噴石エリアに入り込む経路は望ましくない。
「避難路の代替性」
 噴火の可能性のある火口は複数あり、噴火のケースにより火砕流等危険な方面が変わる可能性が高い。
 避難路が1方向のみでは、噴石の飛来や泥流の直撃により避難不能となるとが考えられる。

 以上の課題を踏まえ、噴火時にも安全な通行が可能となるよう道路改良が必要であることから、次の整備目標のもと避難道路整備計画を進めてきているところです。
①狭隘な幅員を解消し 避難時にスムーズな走行・∪ターンを可能にする。
②噴石エリアを経由しなくても避難可能なルートを確保する。
③オンネトー周辺は、道路が寸断されると屋外の避難場所しかなく孤立する可能性があるため、迅速に避難できるルートを確保する。
④噴火の状況に対応できるように、複数の方向への避難ルートを確保する。

 避難道路整備のほかの防災対策につきましても、本来であれば平行して検討していかなければならないとは思いますが、本件避難道路整備とは別に、引き続き、周辺自治体(1市6町村)で構成される「雌阿寒岳火山防災会議協議会」を中心に協議を検討しています。
 このようなことから、雌阿寒岳噴火時に「安全・確実な避難道路を確保する」ことが急務と考えております。
  


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