十勝自然保護協会 活動速報 › モアショロ原野螺湾足寄停車場線 › モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問
2018年10月08日
モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問
モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関して帯広建設管理部に以下の質問書を送付しました。
北海道十勝総合振興局 帯広建設管理部長 様
当会は「一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線 モアショロ原野地区の環境影響に関するワークショップ(以下WS)」に参加して、当該地区の生態系・生物多様性の保全、景観の保全の立場から質問するとともに意見を述べています。
しかし、限られた時間のため疑問点が解消される機会があまりなく現在にいたっております。今後の議論の深化のために現段階で疑問点を質問したく存じます。
以下の記述にあたっては、2016(平成28)年以降に開催された懇談会の議事概要等資料(ホームページ掲載)およびWSの資料(ホームページ掲載および現地視察配布資料)と討論に基づいています。
現段階での計画路線は、国立公園内を一部改変するもので、改変区間も含めオンネトー側はエゾマツ・アカエゾマツを主体とした森林で林床部は各種の蘚苔類で覆われて特異な景観を呈しています。蘚苔類の追加調査では、北海道では報告例がないあるいは少ないなど特筆すべき種も確認されています。
また、計画路線は、コントロールポイントの一つ「極力大きな平面曲線半径、緩やかな縦断勾配を採用する」を重視していると思われまが、ほとんど全線が切土・盛土で連続しており、同じコントロールポイントとしての「大規模な切土・盛土を避ける」ことには重きがおかれていないと考えます。
WSで当会も発言していますし、他の方からの指摘もありますが、切土・盛土は法面形成を伴う工法となりますので環境への様々な影響を与えます。とくに計画路線では幅40m前後の開放空間が多数できるとの説明がありましたが、光条件の変化や乾燥化による植生の変化、動物の移動への障害、外来植物侵入の機会の増加、など多くの懸念が生じます。
(1)計画路線は雌阿寒岳噴火時の避難路との位置づけですが、噴火時にこの道路を使うと想定されている人の数や車両の台数についてご教示ください。
(2)道路線形の検討において、2016(平成28)年第1回懇談会では5つの案が提示され3つのコントロールポイントより「第5案」を採用したと2017(平成29)年WS(11月1日)では簡潔に説明されました(第5案も後に修正されたとのことですが)。第5案は森林の大幅な開削を伴います。第1~3案はともかく、第4案は、オンネトー側での森林の大幅な開削を伴わず現道を一部利用した形です。第4案が除かれた詳細な理由はどのようなものでしょうか。
(3)計画路線上の森林において伐採予定の材積をご教示ください。
また、当該区域には大径木の樹種が多数あります。エゾマツ・アカエゾマツその他広葉樹を含め胸高直径30cm以上の樹木について胸高直径・本数をご教示ください。
(4)計画路線では道路建設とそれに伴う法面形成のための表土除去、被覆などによる総
面積はどれくらいなのでしょうか?
(5)法面形成を伴わない工法について、以下の方法は検討されたのでしょうか。検討さ
れたのでしたら採用しなかった理由をお聞かせください。また、検討されていなけれ
ばぜひ検討いただき採用されることを願うものです。なお、工費もご教示ください。
① 可能な限り現道路を使う方法
② 現道路をもとに橋梁を多用する方法
③ 切土予定部には、法面を形成せず、垂直相当の擁壁(箱状になる)を作り、何か所か上部に動物移動路をつけるという工法(外来植物の侵入も少なくなる)。また、盛土予定部には、法面を形成せず、橋梁化する工法(下部は空間が形成されるので動物移動が容易になる)。
以上について、ご多忙とは存じますが9月21日までにご回答いただきたく存じます。
********************
2018年9月1日
北海道十勝総合振興局 帯広建設管理部長 様
十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松
佐藤与志松
モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問
当会は「一般道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線 モアショロ原野地区の環境影響に関するワークショップ(以下WS)」に参加して、当該地区の生態系・生物多様性の保全、景観の保全の立場から質問するとともに意見を述べています。
しかし、限られた時間のため疑問点が解消される機会があまりなく現在にいたっております。今後の議論の深化のために現段階で疑問点を質問したく存じます。
以下の記述にあたっては、2016(平成28)年以降に開催された懇談会の議事概要等資料(ホームページ掲載)およびWSの資料(ホームページ掲載および現地視察配布資料)と討論に基づいています。
現段階での計画路線は、国立公園内を一部改変するもので、改変区間も含めオンネトー側はエゾマツ・アカエゾマツを主体とした森林で林床部は各種の蘚苔類で覆われて特異な景観を呈しています。蘚苔類の追加調査では、北海道では報告例がないあるいは少ないなど特筆すべき種も確認されています。
また、計画路線は、コントロールポイントの一つ「極力大きな平面曲線半径、緩やかな縦断勾配を採用する」を重視していると思われまが、ほとんど全線が切土・盛土で連続しており、同じコントロールポイントとしての「大規模な切土・盛土を避ける」ことには重きがおかれていないと考えます。
WSで当会も発言していますし、他の方からの指摘もありますが、切土・盛土は法面形成を伴う工法となりますので環境への様々な影響を与えます。とくに計画路線では幅40m前後の開放空間が多数できるとの説明がありましたが、光条件の変化や乾燥化による植生の変化、動物の移動への障害、外来植物侵入の機会の増加、など多くの懸念が生じます。
(1)計画路線は雌阿寒岳噴火時の避難路との位置づけですが、噴火時にこの道路を使うと想定されている人の数や車両の台数についてご教示ください。
(2)道路線形の検討において、2016(平成28)年第1回懇談会では5つの案が提示され3つのコントロールポイントより「第5案」を採用したと2017(平成29)年WS(11月1日)では簡潔に説明されました(第5案も後に修正されたとのことですが)。第5案は森林の大幅な開削を伴います。第1~3案はともかく、第4案は、オンネトー側での森林の大幅な開削を伴わず現道を一部利用した形です。第4案が除かれた詳細な理由はどのようなものでしょうか。
(3)計画路線上の森林において伐採予定の材積をご教示ください。
また、当該区域には大径木の樹種が多数あります。エゾマツ・アカエゾマツその他広葉樹を含め胸高直径30cm以上の樹木について胸高直径・本数をご教示ください。
(4)計画路線では道路建設とそれに伴う法面形成のための表土除去、被覆などによる総
面積はどれくらいなのでしょうか?
(5)法面形成を伴わない工法について、以下の方法は検討されたのでしょうか。検討さ
れたのでしたら採用しなかった理由をお聞かせください。また、検討されていなけれ
ばぜひ検討いただき採用されることを願うものです。なお、工費もご教示ください。
① 可能な限り現道路を使う方法
② 現道路をもとに橋梁を多用する方法
③ 切土予定部には、法面を形成せず、垂直相当の擁壁(箱状になる)を作り、何か所か上部に動物移動路をつけるという工法(外来植物の侵入も少なくなる)。また、盛土予定部には、法面を形成せず、橋梁化する工法(下部は空間が形成されるので動物移動が容易になる)。
以上について、ご多忙とは存じますが9月21日までにご回答いただきたく存じます。
タグ :モアショロ原野螺湾足寄停車場線
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について北海道からの回答
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について環境省からの回答
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について北海道に要望書を送付
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について環境省に要望書を送付
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問への釧路自然環境事務所からの回答
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関して環境省に再質問書を送付
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について環境省からの回答
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について北海道に要望書を送付
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について環境省に要望書を送付
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関する質問への釧路自然環境事務所からの回答
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線に関して環境省に再質問書を送付
Posted by 十勝自然保護協会 at 10:51│Comments(0)
│モアショロ原野螺湾足寄停車場線
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。