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2020年10月06日

十勝海岸の自然環境の保全に関して関係組織に文書を送付

 十勝海岸の湖沼群一帯をラムサール条約登録地とすることを目的に、2020年9月15日付で十勝振興局、広尾町、大樹町、豊頃町、浦幌町に対し以下の文書を送付しました。

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十勝海岸の自然環境の保全に関する質問とお願い


 初秋の候、貴職におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
 当会は、十勝地方の自然環境を保全するため、さまざまな活動をしています。日頃よりご理解とご協力を賜り、感謝申し上げます。
 当会の活動の一つに、十勝海岸の自然を保全する活動があります。
 ご承知のように、十勝海岸は、当縁湿原・ホロカヤントウ・生花苗沼・キモントウ・湧洞沼・長節沼・十勝川河口湿原・トイトッキ浜・豊北海岸という湿原・湖沼・海岸草原が連続し、「十勝海岸湖沼群」ともよばれております。そこには、国指定の特別天然記念物であるタンチョウをはじめ、環境省レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に記載されている貴重種を含む多様な動植物が存在し、独特の生態系が作られています。
 このようなことから環境省は、「十勝海岸湖沼群」を「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(重要湿地)」として選定しています。
 北海道も「北海道自然環境保全指針」において「保全を図るべき自然地域(すぐれた自然地域)」に指定しています。また、北海道文化財として2地区(トイトッキ浜、長節湖湖畔)の植物群落を天然記念物に指定しています。
 国際的な鳥類保護組織バードライフインターナショナルは、タンチョウ繁殖地、ガン類渡来地としての重要性から、十勝海岸湖沼群・十勝川下流域を「重要野鳥生息地IBA」として指定しています。
 さらに、大樹町海岸には、海岸海浜植生、湿原植生だけでなく、強風と濃霧のなかで生命をつないできた自然度の高い長大なカシワ海岸林があり林床植物も含め貴重なものです。
 また、広尾町の海蝕崖が日高山脈襟裳国定公園の一部として指定されており、大樹町美成の海岸に近い十勝坊主群は平地のアースハンモックとしては南限となっているなど地形地質学的にも貴重な地域を有しています。
 上記のような十勝海岸の自然環境の貴重さは貴職も十分にご認識と存じますが、当会は、十勝海岸の自然環境の貴重さを踏まえ、次世代に残すためにも、十勝海岸一帯をラムサール条約登録地、あるいは公的な自然公園にすべきと考えています。
 そのような観点から、以下の点についておうかがいしたく、ご多忙とは存じますが、10月20日までにご回答いただきたくお願いいたします。
(1)貴庁において、十勝海岸の自然環境に関わってはどのような部署が担当なさっておられるのかご教示ください。
(2)貴庁において、「ラムサール条約登録」「公的な自然公園」などの議論や取り組みはどのような状況でしょうか。過去に行われながら現在は休止されている場合は、どのような課題が整理されたでしょうか。現在も継続されている場合は、どのような取り組みが行われているでしょうか。ご教示ください。なお、閲覧できる資料等がございましたらご提供いただければ幸いです。
以上



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Posted by 十勝自然保護協会 at 20:06│Comments(0)十勝海岸の自然
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