さぽろぐ

自然  |その他北海道

ログインヘルプ


十勝自然保護協会 活動速報 › 日高山脈 › 日高襟裳国定公園の国立公園化に伴う名称について環境省に要望書を送付

2021年04月01日

日高襟裳国定公園の国立公園化に伴う名称について環境省に要望書を送付

 日高襟裳国定公園の国立公園化に伴って十勝管内の自治体から名称に「十勝」を加えてほしいとの要望がなされています。これに関して環境省に以下の要望書を送付しました。

********************


2021年2月13日


環境大臣 小泉 進次郎 様

十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松



日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に伴う名称についての要望書


 報道によれば、十勝管内の自治体が「十勝」という名称を付加することを日高管内の自治体に要望し、日高管内の自治体は、これを受け容れるとの意向が伝えられているところです。
 自然公園の指定は、対象となる自然地域を指定するものです。「日高山脈襟裳国定公園」とは、「日高山脈」と「襟裳」という自然地域を対象に指定したものです。
 名称の中核となる「日高山脈」は、日高と十勝の分水嶺となる山脈に命名され、長年地理的名称として定着した固有名詞です。地理的固有名詞には、年月をかけた伝統が染みついており、みだりに変えるべきものではありません。「日高山脈」には、日高と十勝が内包されていると見るべきです。例えば、ポロシリ岳を日高ポロシリ岳と十勝ポロシリ岳と区別して呼ぶことは、その内包状態をよく示しています。
 公園地域の面積は、日高と十勝は約半々で分け合っています。「日高山脈」に「十勝」が入っていないからといって、日高の住人が独り占め意識を持つわけでもなし、十勝の住人が劣等感を持つわけでもないでしょう。
 ここで、仮に「十勝」の名称を付加して「日高山脈十勝襟裳国立公園」としたとすると、人は「十勝」の名について十勝の広い地域を想定するはずです。広尾海岸と札内川ピョータンの滝周辺の限定的地域を指して「十勝」と名づけてしまうのは無理があり適当とは思われません。
 そもそも、「日高山脈」の有する価値とは原始性と国際的国立公園資質といえるでしょう。広域的概念の「十勝」を併記することで、「日高山脈」のこれら原始性と国際的国立公園資質を損なうのではないかと危惧されます。
 また、環境省は、現行の国定公園より区域を拡大して指定する意向を公表しています。もし、拡大がなされたとしても、このことの意味を覆すことにはならないでしょう。
 このようなことから、当会では、「十勝」という名称を付加することは、認めるべきではないと考えております。



あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(日高山脈)の記事
 日高山脈襟裳十勝国立公園協議会の会議運営に関する質問と要望 (2024-09-11 14:15)
 日高山脈襟裳国定公園を国立公園に指定する中央環境審議会の答申に関する声明 (2024-05-31 20:01)
 日高山脈を含む新国立公園の名称に関する質問への回答 (2024-05-15 16:39)
 環境省自然環境局長・国立公園課長に再回答を求めるとともに環境大臣に文書を送付 (2024-05-04 16:05)
 中央環境審議会自然保護部会に関する再質問への環境省からの回答 (2024-04-23 21:10)
 『日高山脈を含む新国立公園の名称に「十勝」を入れるべきではありません!』のオンライン署名を始めました (2024-04-08 11:34)

Posted by 十勝自然保護協会 at 10:47│Comments(0)日高山脈
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
日高襟裳国定公園の国立公園化に伴う名称について環境省に要望書を送付
    コメント(0)