十勝自然保護協会 活動速報
2025年03月22日
講演会『十勝の国立公園とコケ類 ~風穴と地熱に生きるコケ類について~』のご案内
十勝は大雪山・阿寒摩周・日高山脈襟裳十勝の3つの国立公園に囲まれています。国立公園には風穴や地熱地帯も存在し、そこではコケ類が豊富であったり、特殊な種類の生育が確認され、生物多様性を高めています。講演会では調査等で明らかになった十勝の国立公園のコケ類について、風穴と地熱環境に生きるコケ類を中心に紹介します。
『十勝の国立公園とコケ類 ~風穴と地熱に生きるコケ類について~』
講師:乙幡康之氏(ひがし大雪自然館学芸員)
日時 2025年4月12日(土) 13:30~16:30(13:00開場)
会場 とかちプラザ視聴覚室(帯広市西4条南13丁目1/JR帯広駅南側)
参加費 500円(学生・生徒 無料)
申し込み 不要
主催 十勝自然保護協会
後援 帯広市、帯広市教育委員会
『十勝の国立公園とコケ類 ~風穴と地熱に生きるコケ類について~』
講師:乙幡康之氏(ひがし大雪自然館学芸員)
日時 2025年4月12日(土) 13:30~16:30(13:00開場)
会場 とかちプラザ視聴覚室(帯広市西4条南13丁目1/JR帯広駅南側)
参加費 500円(学生・生徒 無料)
申し込み 不要
主催 十勝自然保護協会
後援 帯広市、帯広市教育委員会
2025年03月04日
講演会「阿寒富士西麓の森の貴重な自然」のご案内
講演会 阿寒富士西麓の森の貴重な自然
前田一歩園財団自然環境保全活動助成報告会を兼ねる
日時:2025年3月29日(土) 13:00開場 13:30~16:30
会場:足寄町 道の駅あしょろ銀河ホール
参加費:500円(学生無料 報告書配布 申し込み不要)
阿寒富士西麓の森はアカエゾマツを主体とした森林で、林床は蘚苔類で覆いつくされた美しい景観を持つ。玄武岩質溶岩が形成する凹地には多数の風穴が見られ夏季でも地温が0℃に近く、低温湿潤な環境に依存した特殊な植生や蘚苔類が広がる。2024年4月から風穴・風穴植生・蘚苔類を調査した。結果を報告する。
講師
・風穴について
清水長正氏(早稲田大学人間科学部非常勤講師/地形学)
・風穴植生について
指村奈穂子氏(日本自然環境専門学校講師/植物学)
・蘚苔類について
乙幡康之氏(ひがし大雪自然館学芸員/自然地理学・地形学・植物地理学)
主催;十勝自然保護協会
後援:足寄町教育委員会
前田一歩園財団自然環境保全活動助成報告会を兼ねる
日時:2025年3月29日(土) 13:00開場 13:30~16:30
会場:足寄町 道の駅あしょろ銀河ホール
参加費:500円(学生無料 報告書配布 申し込み不要)
阿寒富士西麓の森はアカエゾマツを主体とした森林で、林床は蘚苔類で覆いつくされた美しい景観を持つ。玄武岩質溶岩が形成する凹地には多数の風穴が見られ夏季でも地温が0℃に近く、低温湿潤な環境に依存した特殊な植生や蘚苔類が広がる。2024年4月から風穴・風穴植生・蘚苔類を調査した。結果を報告する。
講師
・風穴について
清水長正氏(早稲田大学人間科学部非常勤講師/地形学)
・風穴植生について
指村奈穂子氏(日本自然環境専門学校講師/植物学)
・蘚苔類について
乙幡康之氏(ひがし大雪自然館学芸員/自然地理学・地形学・植物地理学)
主催;十勝自然保護協会
後援:足寄町教育委員会
2025年01月30日
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について北海道からの回答
北海道自然保護連合が2024年12月22日付で北海道に送付した要望書に対し、以下の回答がありました。
北海道自然保護連合
共同代表 安藤 御史 様
菊地 宏治 様
西畑 智光 様
平素より、北海道の建設行政について、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
2024年 12月 2 2日付けで要望のありましたこのことについて、次のとおり回答します。
1 当該道路は「雌阿寒岳火山防災計画」において避難道路に位置付けられていますが、現道は砂利道で幅員が狭く、急カーブ、急勾配の箇所が多数存在するなどの課題を抱えています。避難体制については、今後も雌阿寒岳火山防災協議会にて関係機関と必要な協議を行ってまいりますが、火山活動は一足飛びに急速に高まることもあり、噴火警戒レベルが順を追って一段ずつ上昇するとは限らないため、円滑な避難のためには、当該道路の整備が必要と考えています。
2 当該道路の整備計画については、環境省と協議してまいります。
3 当該道路の整備にあたっては、環境への配慮が必要であることから、引き続き動植物の専門家などで構成するワークショップにおいて意見を伺いながら、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて検討を進めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
*************************
道 路 第 4 6 1 号
令和7年(2025年)1月 27日
令和7年(2025年)1月 27日
北海道自然保護連合
共同代表 安藤 御史 様
菊地 宏治 様
西畑 智光 様
北海道知事 鈴木 直道
(公印省略)
(公印省略)
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画に関する要望(回答)
平素より、北海道の建設行政について、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
2024年 12月 2 2日付けで要望のありましたこのことについて、次のとおり回答します。
記
1 当該道路は「雌阿寒岳火山防災計画」において避難道路に位置付けられていますが、現道は砂利道で幅員が狭く、急カーブ、急勾配の箇所が多数存在するなどの課題を抱えています。避難体制については、今後も雌阿寒岳火山防災協議会にて関係機関と必要な協議を行ってまいりますが、火山活動は一足飛びに急速に高まることもあり、噴火警戒レベルが順を追って一段ずつ上昇するとは限らないため、円滑な避難のためには、当該道路の整備が必要と考えています。
2 当該道路の整備計画については、環境省と協議してまいります。
3 当該道路の整備にあたっては、環境への配慮が必要であることから、引き続き動植物の専門家などで構成するワークショップにおいて意見を伺いながら、周辺自然環境への影響や必要となる保全措置などについて検討を進めてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
(連絡先 建設部土木局道路課道路計画係)
2025年01月29日
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線について環境省からの回答
北海道自然保護連合が2024年11月27日付で環境省に送付した要望書に対し、以下の回答がありました。
北海道自然保護連合 御中
平素より、自然環境行政の推進にあたり、多大なるご理解とご協力をいただき、誠に感謝申し上げます。2024年11月24日付け「阿寒摩周国立公園内道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の事業変更に関する要望について」に対し、下記のとおり回答します。
1及び2について
現時点で公園事業執行者である北海道から当該路線に関する自然公園法の協議がなされていないため、見解を述べることは差し控えさせていただきます。公園事業者から当該路線に関する申請があった場合は、自然公園法の規定に即して協議を行う所存です。
3について
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線は雌阿寒岳火山防災会議協議会が策定している雌阿寒岳火山防災計画において避難道路として位置付けられており、具体的な避難体制については、今後も当該協議会において検討されるものと認識しています。
*************************
事 務 連 絡
令和7年1月22日
令和7年1月22日
北海道自然保護連合 御中
釧路自然環境事務所
平素より、自然環境行政の推進にあたり、多大なるご理解とご協力をいただき、誠に感謝申し上げます。2024年11月24日付け「阿寒摩周国立公園内道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の事業変更に関する要望について」に対し、下記のとおり回答します。
記
1及び2について
現時点で公園事業執行者である北海道から当該路線に関する自然公園法の協議がなされていないため、見解を述べることは差し控えさせていただきます。公園事業者から当該路線に関する申請があった場合は、自然公園法の規定に即して協議を行う所存です。
3について
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線は雌阿寒岳火山防災会議協議会が策定している雌阿寒岳火山防災計画において避難道路として位置付けられており、具体的な避難体制については、今後も当該協議会において検討されるものと認識しています。
以上
2025年01月17日
とかち鹿追ジオパークの保全対策に関する鹿追町からの回答
当会は2022年1月31日付で鹿追町に「とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定の申入れ」をしましたが、これについて以下の回答がありました。
十勝自然保護協会
共同代表 安藤御史 様
佐藤与私松様
とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定について(回答)
向寒の候、貴職におかれましては益々ご清栄にてご活躍のこととお喜び申し上げます。さて、以前より申し入れのありました、とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定に関する進捗状況及び保全ルールの内容について回答致します。
ご指摘の通り、とかち鹿追ジオパークのエリア内のナキウサギ生息地では、ここ数年登山ブーム並びにナキウサギ人気によって登山者やカメラマンの来訪が増え、生息地周辺に生育する植物が踏まれ荒廃が進んでいます。また、来訪者がナキウサギを取り囲むように撮影する光景も目撃されており、ナキウサギ自体への影響も懸念されています。
そのような事態を受け、とかち鹿追ジオパーク推進協議会では、関係省庁、自然ガイド、ナキウサギふぁんくらぶ、研究者等と協議の上、2021年 9月 より東ヌプカウシスプリ山頂近くの生息地に、立ち入りを規制するロープ及び保全啓発看板の設置を行いました。また、ロープ。看板設置後には来訪者にヒアリングを行い、人と野生動植物が共生する場を目指してロープ設置場所を変えるなど試行錯誤している状況です。また,環境省と共同で登山者数を計測するカウンターを山頂付近に設置し,利用状況の把握に努めています。
2023年からは、植生の研究者と共同でナキウサギ生息地の植生モニタリングを開始し、とかち鹿迫ジオパークのホームページ上における登山マナー及びナキウサギ生息地での利用マナーについて周知を開始しました。また、ナキウサギ研究者に協力いただきナキウサギの生態や地球温暖化の影響などについて学ぶ講座を開催するなど、理解者を増やし、共に活動する仲間づくりを行っています。
然別湖周辺に広がる自然遺産の保全活動については、時代に則した臨機応変な対応が求められてきます。当協議会では、今後も関係者と連携し課題解決に向け最善の策を模索し保全活動を進めていく所存でございます。十勝自然保護協会様におかれましては、今後も当協議会の活動に対しご理解、ご協力の程どうぞよろしくお願い申し上げます。
*************************
2024年12月 19日
十勝自然保護協会
共同代表 安藤御史 様
佐藤与私松様
鹿追町長(とかち鹿追ジオパーク推進協議会会長)
喜井 知己
喜井 知己
とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定について(回答)
向寒の候、貴職におかれましては益々ご清栄にてご活躍のこととお喜び申し上げます。さて、以前より申し入れのありました、とかち鹿追ジオパークの保全ルール策定に関する進捗状況及び保全ルールの内容について回答致します。
ご指摘の通り、とかち鹿追ジオパークのエリア内のナキウサギ生息地では、ここ数年登山ブーム並びにナキウサギ人気によって登山者やカメラマンの来訪が増え、生息地周辺に生育する植物が踏まれ荒廃が進んでいます。また、来訪者がナキウサギを取り囲むように撮影する光景も目撃されており、ナキウサギ自体への影響も懸念されています。
そのような事態を受け、とかち鹿追ジオパーク推進協議会では、関係省庁、自然ガイド、ナキウサギふぁんくらぶ、研究者等と協議の上、2021年 9月 より東ヌプカウシスプリ山頂近くの生息地に、立ち入りを規制するロープ及び保全啓発看板の設置を行いました。また、ロープ。看板設置後には来訪者にヒアリングを行い、人と野生動植物が共生する場を目指してロープ設置場所を変えるなど試行錯誤している状況です。また,環境省と共同で登山者数を計測するカウンターを山頂付近に設置し,利用状況の把握に努めています。
2023年からは、植生の研究者と共同でナキウサギ生息地の植生モニタリングを開始し、とかち鹿迫ジオパークのホームページ上における登山マナー及びナキウサギ生息地での利用マナーについて周知を開始しました。また、ナキウサギ研究者に協力いただきナキウサギの生態や地球温暖化の影響などについて学ぶ講座を開催するなど、理解者を増やし、共に活動する仲間づくりを行っています。
然別湖周辺に広がる自然遺産の保全活動については、時代に則した臨機応変な対応が求められてきます。当協議会では、今後も関係者と連携し課題解決に向け最善の策を模索し保全活動を進めていく所存でございます。十勝自然保護協会様におかれましては、今後も当協議会の活動に対しご理解、ご協力の程どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年01月06日
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について北海道に要望書を送付
北海道自然保護連合は、北海道知事に道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての要望書を提出しました。
*************************
2024年12月22日
北海道知事 鈴木 直道 様
北海道自然保護連合 共同代表 安藤御史 菊地宏治 西畑智光
構成団体
大雪と石狩の自然を守る会 代表 寺島一男
十勝自然保護協会 共同代表 安藤御史 佐藤与志松
南北海道自然保護協会 理事長 藤島 斉
ユウパリコザクラの会 代表 藤井純一
一般社団法人北海道自然保護協会 会長 在田一則
十勝自然保護協会 共同代表 安藤御史 佐藤与志松
南北海道自然保護協会 理事長 藤島 斉
ユウパリコザクラの会 代表 藤井純一
一般社団法人北海道自然保護協会 会長 在田一則
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画に関する要望
現在、北海道が進めている道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について、私たち北海道自然保護連合(十勝自然保護協会・大雪と石狩の自然を守る会・ユウパリコザクラの会・南北海道自然保護協会・一般社団法人北海道自然保護協会)は、当該事業計画がわが国の傑出した景観と生物多様性等を保全する重要な拠点である阿寒摩周国立公園を含む国有林の自然環境に大きな影響を与える恐れがあることから反対しています。雌阿寒岳・阿寒富士西麓一帯の当該地域の優れた自然を保全し後世に残すために、当該事業計画の見直しを強く要望いたします。
年末年始のご多忙の時期と存じますが、以下の私たちの要望・意見について、ご検討いただき、貴職のご見解を1月24日までに書面にてご回答を下さるようお願いいたします。
1 雌阿寒岳が2014年に重点的な観測・研究を行う火山に指定されたことによる充実した火山観測体制を踏まえて、当該地域における避難体制を再検討し、あわせて当該道路計画を見直すべきです。
2014年の御嶽山噴火により、文部省科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会は雌阿寒岳含む全国9か所の火山を重点的な観測・研究を行う重点火山に指定しました。それに伴い、2015(平成27)年5月、雌阿寒岳火山防災会議は「足寄町道雌阿寒オンネトー線」を噴火時の避難路として位置づけました。その後の約10年間で、24時間観測も行われるなど雌阿寒岳の観測体制は当時よりも充実してきており、避難体制は再検討されるべき段階にあります。
北海道は以下の点を検討して、雌阿寒岳火山防災協議会(以下「協議会」)の構成員として協議会に進言すべきです。
噴火警戒レベルは現在段階毎に定められていますが、当該地域の状況を勘案して、必要ならばレベル2(火口周辺規制)の段階で一般車両に対し、ただちに域内脱出、進入禁止を実施する検討を要望いたします。
雌阿寒岳で大規模噴火が起きた場合、火口の位置によっては、オンネトー南側は火砕流、土石流、泥流、溶岩流の通り道になりますので、こちら側に避難路を建設するのは不適切です。これらを伴わない小規模の噴火であれば、現道による避難で十分対応できます。また、噴石等の被害軽減にはシェルターが有効なことから設置を検討すべきです。
これらの目的・必要性・効果について総合的に考えることが重要と思われます。
2 現在、北海道が進めている道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画における阿寒摩周国立公園第2種特別地域内の計画路線は、2015年環境省中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会(第31回)が有効幅員等の変更を承認した「町道雌阿寒オンネトー線」とは異なる新規路線です。
環境省は、2015(平成27)年12月22日、中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会(第31回)(以下「小委員会」)において、阿寒国立公園事業の変更について、「町道雌阿寒オンネトー線(湖岸から公園境界)の有効幅員の変更(5.5m)」を諮問し、承認されました。その後、この町道は道道に昇格し、「道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の一部」となり、北海道(帯広建設管理部)が整備計画をたて、本年3月に第2種特別地域の新規開削を含む路線案(路線案候補の第5案)を確定しました。
小委員会における事業変更の説明では、環境省は「拡幅部分は、シラカバ等の二次林であって、特に保護の必要な希少種等の生育・生息は確認されておりません」と述べておりますが、この説明は現道沿いのシラカバ等の二次林を対象としており、「現道の拡幅整備」が主眼となっています。つまり、現在帯広建設管理部が進めている計画路線とは全く異なるものです。
計画路線は延長4.4㎞で、そのうちオンネトー南端のSp0からおよそSp1200までは、現道の南側を約1.2㎞にわたって国立公園第2種特別地域の森林を新規開削する計画です。阿寒富士からの玄武岩質溶岩流による凹凸の激しい地形を平坦な道路に造成するため、切土・盛土などで大きく改変することになっています。このため連続した広大な法面が形成され、幅30mから最大約50mの空間が大森林を切り開いて出現する計画になっています。
この計画は、環境省が許可したものをはるかに超えています。
3 現在、北海道が進めている道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画は、地形や植生に特徴がある「風穴地帯の特異な自然生態系」を破壊し、阿寒摩周国立公園第2種特別地域の存在価値を失わせます。この計画はまた、Sp1200からSp4200までの国立公園に隣接する国有林等においても、上記と同様の特異な自然生態系を破壊します。
路線は、計画起点から約Sp3200まで阿寒富士からの玄武岩質溶岩流上に計画されています。この溶岩流は、地形図上では緩傾斜の浅く広い溝に見えますが、実際には累積する溶岩によって凹凸の激しい地形を呈しています。とくに諸処に散在する凹地には多数の風穴が見られ、夏季でも地温が0℃に近い場所も少なくなく、地下に凍土の存在が推定できます。低温湿潤環境となる風穴周辺には、ミズゴケ属(ホソバミズゴケ、ゴレツミズゴケなど)をはじめとして、ダチョウゴケなど高山性ないし亜高山性の蘚苔類、コケモモ、イソツツジなどの高山植物が繁茂しています。
以上の溶岩流は、凸地を含んでアカエゾマツ林に被われ、林床ではササ類を欠く代わりに多種の蘚苔類や高山・亜高山の維管束植物が生育しています。ここは、全国的に特記される生態系として「風穴地帯の特異な自然生態系」と呼ぶことができます。計画路線がこの特異な自然生態系が成立する範囲にほぼ絞られて設定されたことは、事前の自然把握と評価に不足があったと考えられますが、いずれであっても我が国の自然環境保全上大きな問題になります。そのため、この計画は、ぜひ考え直していただきたいと切望します。
帯広建設管理部の計画路線上の植物リストによれば、本国立公園の指定植物のうち、蘚苔類2種、維管束植物82種の計84種が見られ、その中には環境省レッドリスト・北海道レッドリストに掲載された17種も含まれ、これらは保全上重要な種です。当連合も本年7月に専門家を含めて現地を視察しており、大開削によってこれらの貴重な植生が破壊され、生物多様性保全を主目的とする国立公園(第2種特別地域)の意義が損なわれることを確信しました。
さらに、多数の切土・盛土により大きな空間が開削されることによるエッジ効果により、風穴を包含する優れた森林生態系は広範囲に大きなダメージを被ることが危惧されます。また、凍土の存在が推定される森林地帯での大開削は、かつて上士幌町十勝三股十四の沢の低標高にあった永久凍土が、林道工事(1972年)により融解し大規模な崩壊地を発生させていることから、当該地の環境に様々な影響を与えることが十分考えられます。
なお、帯広建設管理部の環境調査について、とくに以下の問題点を指摘します。
・計画路線内について風穴の存在や低温環境は、すでに2016年に帯広建設管理部の調査によって明らかになっています。しかし、2020(令和2)年度第2回ワークショップでは風穴の存在を否定する認識を表明しておりますが、これはこの地域の低温環境の評価を無視するものですので、改めていただく必要があります。
・計画路線上の植生調査におけるコドラート設置は小サイズであり、森林環境の実態を十分に反映しておりません。実態が反映できるサイズのコドラート設置での再調査を求めます。このような調査でも、林床のコケ層はほとんどの調査地点において広い規模で確認されているように、林床全体に広がる蘚苔類をもっと重視すべきであり、環境評価を維管束植物だけの消失箇所の多少に偏らせるべきではないと考えます。
計画路線の森林の改変面積は、帯広建設管理部の資料によれば、国立公園内が25,000㎡、国立公園外の保安林が82,000㎡、合計107,000㎡とあります。これは北海道大学植物園の敷地(133,957㎡)に近い面積の森林が一挙に失われるということです。
森林の適切な保護はCO2吸収源となり、気候変動の緩和のためになります。北海道は、日頃から、脱炭素、また、SDGsを奨励しています。このような森林大開削はそのような精神に反します。
本国立公園当該地域を含む計画路線について、避難路としての妥当性・原生的な自然環境の保持・生物多様性の保全・景観の維持の観点から、一度立ち止まって見直すことを強く要望いたします。
以上
2024年11月27日
道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について環境省に要望書を送付
北海道自然保護連合は、環境省に阿寒摩周国立公園内に計画している道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線についての要望書を提出しました。
環境大臣 浅尾 慶一郎 様
環境省自然環境局長 植田 明浩 様
国立公園課長 西村 学 様
釧路自然環境事務所長 岡野 隆宏 様
構成団体
阿寒摩周国立公園内道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の事業変更に関する要望
現在、北海道により進められている標記の道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について、私たち北海道自然保護連合(十勝自然保護協会・大雪と石狩の自然を守る会・ユウパリコザクラの会・南北海道自然保護協会・一般社団法人北海道自然保護協会)は、当該事業計画がわが国の傑出した風景と生物多様性等を保全する重要な拠点である国立公園の自然環境に大きな影響を与える恐れがあることから強く反対しています。雌阿寒岳一帯の当該地域の優れた自然を保全し後世に残すためには、現行計画の見直しは欠かせないと考えており、自然公園法に基づいて当該事業について協議をする貴省に対し以下の点を強く要望いたします。
要望の案件について、年末の多忙の時期と存じますが12月27日までに書面での回答(見解)をお願いいたします。
1 現在、北海道が進めている道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画は、2015年環境省中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会(第31回)が有効幅員等の変更を承認した「町道雌阿寒オンネトー線」(2016年道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の一部に昇格)とは、路線位置および線形・規模が多くの部分で異なる新規路線です。承認済み路線の経緯にとらわれず新規路線としての協議を要望します。
貴省は、2015(平成27)年5月、雌阿寒岳火山防災会議が「足寄町道雌阿寒オンネトー線」を噴火時の避難路として位置づけたことから、同年12月22日、中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会(第31回)(以下「小委員会」)において、阿寒国立公園事業の変更について、「町道雌阿寒オンネトー線(湖岸から公園境界)の有効幅員の変更(5.5m)」を諮問し、承認されました。
その後、町道は道道に昇格し、「道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の一部」(以下「現道」)となり、北海道(帯広建設管理部)が整備計画をたて、本年3月に第2種特別地域の新規開削を含む路線案(路線案候補の第5案)を確定しました。
小委員会における事業変更の説明では、「拡幅部分は、シラカバ等の二次林であって、特に保護の必要な希少種等の生育・生息は確認されておりません」と述べておりますが、この説明は現道沿いのシラカバ等の二次林を対象としており、「現道の拡幅整備」が主眼となっています。現行の帯広建設管理部の計画路線とは全く異なるものです。
貴省は、帯広建設管理部が主催するワークショップにオブザーバーとして出席されており、この計画を十分に認識されていると思われますが、計画路線は全線約4.4㎞で、うちオンネトー南端のSp0からおよそSp1200までの第2種特別地域の森林を、現道を離れて約1.2㎞に渡って新規開削するものです。阿寒富士からの玄武岩質溶岩流による凹凸の激しい地形を平坦な道路に造成するため、切土・盛土などで大きく改変することになっています。このため連続した広大な法面が形成され、幅30mから最大約50mの空間が出現する計画になっています。
これは小委員会が当初想定したものとは大きく異なっていると思われます。「実際の工事に当たっては、十分に注意をして工事を進めて、計画をしてまいりたいと現場では考えております。」と説明されていますが、この計画はそのような考えをはるかに超えています。
2 現在、北海道が進めている道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の計画は、周辺の貴重な地形や植
生を破壊し、第2種特別地域の存在価値が失われます。まれに見る当該地域の優れた自然環境を保全する
よう強く要望いたします。
阿寒富士からの玄武岩質溶岩流による凹凸の激しい地形のとくに凹地では多数の風穴が見られ、周囲は低温環境になっています。夏季でも地温が0℃に近い場所も少なくなく、地下に凍土の存在が推定できます。この低温環境のもと、アカエゾマツ林が発達し、林床には多種の蘚苔類が広がり、とくに本国立公園の指定植物であるミズゴケ属(ホソバミズゴケ、ゴレツミズゴケなど)が風穴の周辺によく見られ、ダチョウゴケなど高山性ないし亜高山性の蘚苔類も多数見られます。また、低標高でありながら、コケモモ、イソツツジなど高山植物が繁茂しており、低温環境に依拠している植物が多いなど特異な場所となっています。
帯広建設管理部の計画路線上の植物リストによれば、本国立公園の指定植物のうち、蘚苔類2種、維管束植物82種の計84種が見られ、その中には環境省レッドリスト・北海道レッドリストに載る17種も含まれ、これらは保全上重要な種です。当連合も本年7月に専門家を含めて現地を視察しており、大開削によってこれらの貴重な植生が破壊され、第2種特別地域の意義が損なわれることを確信しました。さらに、多数の切土・盛土により大きな空間が開削されることによるエッジ効果により周辺の低温環境による優れた森林生態系は大きなダメージを被ることが危惧されます。また、このような凍土の存在が推定される森林地帯での大開削は、かつて上士幌町十勝三股十四の沢の低標高にあった永久凍土が、林道工事(1972年)により融解し大規模な崩壊地を発生させていることから、当該地とその周辺の環境に様々な影響を与えることも十分考えられます。
3 2014年に御嶽山噴火で文部省科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会が全国9箇所の重点的な観測・研究を行う火山に、雌阿寒岳を指定したことを含め、また最近の充実した火山観測体制を踏まえて、当該地域における避難体制の再検討とあわせて当該道路計画の見直しをする協議を進めるよう要望します。
小委員会での事業変更承認後の約10年間で、24時間観測も行われるなど雌阿寒岳の観測体制も当時よりも充実してきており、避難体制は再検討されるべき段階にあります。
噴火警戒レベルは現在段階毎に定められていますが、当該地域の状況を勘案して必要ならば、レベル2(火口周辺規制)の段階で一般車両に対し、ただちに域内脱出、進入禁止を実施することも考えられます。
貴省は、オンネトー湖岸周辺は第1種特別地域であり、湖岸の風致を保護するため有効幅員4mとし、現道の舗装程度にとどめるとしていますが、現在の状態は大型バス(車幅約2.5m)が入れるようになっているため、湖岸部分においては普通乗用車(車幅約1.7m)とのすれ違いが極めて難しく、出合った場合普通乗用車が退避場所まで後退を余儀なくされています。対策として大型バス走行の禁止、あるいは噴石等を考えるなら被害軽減にはシェルターが有効なことから、このような施策を関係機関に進言すべきと考えます。
また、雌阿寒岳で大規模噴火が起きた場合、火口の位置によっては、螺湾川沿いは火砕流、土石流、泥流、溶岩流の通り道になりますので、そもそも当該道路計画を含めて螺湾川沿いに避難路を建設するのは不適切です。これらを伴わない小規模の噴火であれば、現道の整備による避難で十分対応できます。これらのことを総合的に考えることが重要と思われます。
貴省においては、今後、帯広建設管理部からの事業変更にかかる施設変更の協議については、本国立公園当該地域の原生的な自然環境の保持・生物多様性の保全・景観の維持の観点から、問題点を明確にして再検討を求めていただきたく強く要望いたします。
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2024年11月24日
環境大臣 浅尾 慶一郎 様
環境省自然環境局長 植田 明浩 様
国立公園課長 西村 学 様
釧路自然環境事務所長 岡野 隆宏 様
北海道自然保護連合 共同代表 安藤御史 菊地宏治 西畑智光
構成団体
大雪と石狩の自然を守る会 代表 寺島一男
十勝自然保護協会 共同代表 安藤御史 佐藤与志松
南北海道自然保護協会 理事長 藤島 斉
ユウパリコザクラの会 代表 藤井純一
一般社団法人北海道自然保護協会 会長 在田一則
十勝自然保護協会 共同代表 安藤御史 佐藤与志松
南北海道自然保護協会 理事長 藤島 斉
ユウパリコザクラの会 代表 藤井純一
一般社団法人北海道自然保護協会 会長 在田一則
阿寒摩周国立公園内道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の事業変更に関する要望
現在、北海道により進められている標記の道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画について、私たち北海道自然保護連合(十勝自然保護協会・大雪と石狩の自然を守る会・ユウパリコザクラの会・南北海道自然保護協会・一般社団法人北海道自然保護協会)は、当該事業計画がわが国の傑出した風景と生物多様性等を保全する重要な拠点である国立公園の自然環境に大きな影響を与える恐れがあることから強く反対しています。雌阿寒岳一帯の当該地域の優れた自然を保全し後世に残すためには、現行計画の見直しは欠かせないと考えており、自然公園法に基づいて当該事業について協議をする貴省に対し以下の点を強く要望いたします。
要望の案件について、年末の多忙の時期と存じますが12月27日までに書面での回答(見解)をお願いいたします。
1 現在、北海道が進めている道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の整備計画は、2015年環境省中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会(第31回)が有効幅員等の変更を承認した「町道雌阿寒オンネトー線」(2016年道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の一部に昇格)とは、路線位置および線形・規模が多くの部分で異なる新規路線です。承認済み路線の経緯にとらわれず新規路線としての協議を要望します。
貴省は、2015(平成27)年5月、雌阿寒岳火山防災会議が「足寄町道雌阿寒オンネトー線」を噴火時の避難路として位置づけたことから、同年12月22日、中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会(第31回)(以下「小委員会」)において、阿寒国立公園事業の変更について、「町道雌阿寒オンネトー線(湖岸から公園境界)の有効幅員の変更(5.5m)」を諮問し、承認されました。
その後、町道は道道に昇格し、「道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の一部」(以下「現道」)となり、北海道(帯広建設管理部)が整備計画をたて、本年3月に第2種特別地域の新規開削を含む路線案(路線案候補の第5案)を確定しました。
小委員会における事業変更の説明では、「拡幅部分は、シラカバ等の二次林であって、特に保護の必要な希少種等の生育・生息は確認されておりません」と述べておりますが、この説明は現道沿いのシラカバ等の二次林を対象としており、「現道の拡幅整備」が主眼となっています。現行の帯広建設管理部の計画路線とは全く異なるものです。
貴省は、帯広建設管理部が主催するワークショップにオブザーバーとして出席されており、この計画を十分に認識されていると思われますが、計画路線は全線約4.4㎞で、うちオンネトー南端のSp0からおよそSp1200までの第2種特別地域の森林を、現道を離れて約1.2㎞に渡って新規開削するものです。阿寒富士からの玄武岩質溶岩流による凹凸の激しい地形を平坦な道路に造成するため、切土・盛土などで大きく改変することになっています。このため連続した広大な法面が形成され、幅30mから最大約50mの空間が出現する計画になっています。
これは小委員会が当初想定したものとは大きく異なっていると思われます。「実際の工事に当たっては、十分に注意をして工事を進めて、計画をしてまいりたいと現場では考えております。」と説明されていますが、この計画はそのような考えをはるかに超えています。
2 現在、北海道が進めている道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線の計画は、周辺の貴重な地形や植
生を破壊し、第2種特別地域の存在価値が失われます。まれに見る当該地域の優れた自然環境を保全する
よう強く要望いたします。
阿寒富士からの玄武岩質溶岩流による凹凸の激しい地形のとくに凹地では多数の風穴が見られ、周囲は低温環境になっています。夏季でも地温が0℃に近い場所も少なくなく、地下に凍土の存在が推定できます。この低温環境のもと、アカエゾマツ林が発達し、林床には多種の蘚苔類が広がり、とくに本国立公園の指定植物であるミズゴケ属(ホソバミズゴケ、ゴレツミズゴケなど)が風穴の周辺によく見られ、ダチョウゴケなど高山性ないし亜高山性の蘚苔類も多数見られます。また、低標高でありながら、コケモモ、イソツツジなど高山植物が繁茂しており、低温環境に依拠している植物が多いなど特異な場所となっています。
帯広建設管理部の計画路線上の植物リストによれば、本国立公園の指定植物のうち、蘚苔類2種、維管束植物82種の計84種が見られ、その中には環境省レッドリスト・北海道レッドリストに載る17種も含まれ、これらは保全上重要な種です。当連合も本年7月に専門家を含めて現地を視察しており、大開削によってこれらの貴重な植生が破壊され、第2種特別地域の意義が損なわれることを確信しました。さらに、多数の切土・盛土により大きな空間が開削されることによるエッジ効果により周辺の低温環境による優れた森林生態系は大きなダメージを被ることが危惧されます。また、このような凍土の存在が推定される森林地帯での大開削は、かつて上士幌町十勝三股十四の沢の低標高にあった永久凍土が、林道工事(1972年)により融解し大規模な崩壊地を発生させていることから、当該地とその周辺の環境に様々な影響を与えることも十分考えられます。
3 2014年に御嶽山噴火で文部省科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会が全国9箇所の重点的な観測・研究を行う火山に、雌阿寒岳を指定したことを含め、また最近の充実した火山観測体制を踏まえて、当該地域における避難体制の再検討とあわせて当該道路計画の見直しをする協議を進めるよう要望します。
小委員会での事業変更承認後の約10年間で、24時間観測も行われるなど雌阿寒岳の観測体制も当時よりも充実してきており、避難体制は再検討されるべき段階にあります。
噴火警戒レベルは現在段階毎に定められていますが、当該地域の状況を勘案して必要ならば、レベル2(火口周辺規制)の段階で一般車両に対し、ただちに域内脱出、進入禁止を実施することも考えられます。
貴省は、オンネトー湖岸周辺は第1種特別地域であり、湖岸の風致を保護するため有効幅員4mとし、現道の舗装程度にとどめるとしていますが、現在の状態は大型バス(車幅約2.5m)が入れるようになっているため、湖岸部分においては普通乗用車(車幅約1.7m)とのすれ違いが極めて難しく、出合った場合普通乗用車が退避場所まで後退を余儀なくされています。対策として大型バス走行の禁止、あるいは噴石等を考えるなら被害軽減にはシェルターが有効なことから、このような施策を関係機関に進言すべきと考えます。
また、雌阿寒岳で大規模噴火が起きた場合、火口の位置によっては、螺湾川沿いは火砕流、土石流、泥流、溶岩流の通り道になりますので、そもそも当該道路計画を含めて螺湾川沿いに避難路を建設するのは不適切です。これらを伴わない小規模の噴火であれば、現道の整備による避難で十分対応できます。これらのことを総合的に考えることが重要と思われます。
貴省においては、今後、帯広建設管理部からの事業変更にかかる施設変更の協議については、本国立公園当該地域の原生的な自然環境の保持・生物多様性の保全・景観の維持の観点から、問題点を明確にして再検討を求めていただきたく強く要望いたします。
以上
2024年10月01日
講演会『いま、国立公園を考える』のご案内
講演会『いま、国立公園を考える』
日時 2024年10月14日(月・祝) 13:30~16:30(13:00開場)
会場 とかちプラザ視聴覚室(帯広市西4条南13丁目1/JR帯広駅南側)
十勝地方は北に大雪山、東に阿寒摩周、そして新たに日高山脈と三方が国立公園を有する地域となりました。いずれの国立公園も特異的な自然を持ち、原生性が高く手つかずの自然が多く残る貴重な地域であり、次世代につなげていかなければなりません。
この3つの国立公園に限らず、日本の国立公園全体では様々な課題があります。今後、それをどのように解決していけばよいのか、今、日本の国立公園のあり方を考えていくことが求められています。
法的な面からも自然環境問題に関わってきた関係者からお話をうかがいます。
講演 『岐路に立つ日本の国立公園』
講師:市川守弘氏(弁護士・日本環境法律家連盟理事)
講演に先立ち当会から2件の現地報告
・「阿寒摩周国立公園 阿寒富士西麓 アカエゾマツと原生苔の森の貴重さ」
・「日高山脈の自然の魅力と課題」
参加費 500円(学生・生徒 無料)
申込み不要(直接会場へ)
日時 2024年10月14日(月・祝) 13:30~16:30(13:00開場)
会場 とかちプラザ視聴覚室(帯広市西4条南13丁目1/JR帯広駅南側)
十勝地方は北に大雪山、東に阿寒摩周、そして新たに日高山脈と三方が国立公園を有する地域となりました。いずれの国立公園も特異的な自然を持ち、原生性が高く手つかずの自然が多く残る貴重な地域であり、次世代につなげていかなければなりません。
この3つの国立公園に限らず、日本の国立公園全体では様々な課題があります。今後、それをどのように解決していけばよいのか、今、日本の国立公園のあり方を考えていくことが求められています。
法的な面からも自然環境問題に関わってきた関係者からお話をうかがいます。
講演 『岐路に立つ日本の国立公園』
講師:市川守弘氏(弁護士・日本環境法律家連盟理事)
講演に先立ち当会から2件の現地報告
・「阿寒摩周国立公園 阿寒富士西麓 アカエゾマツと原生苔の森の貴重さ」
・「日高山脈の自然の魅力と課題」
参加費 500円(学生・生徒 無料)
申込み不要(直接会場へ)
2024年09月11日
日高山脈襟裳十勝国立公園協議会の会議運営に関する質問と要望
日高山脈襟裳十勝国立公園協議会の会議運営に関し、環境省北海道地方環境事務所に以下の書面を送付しました。
環境省北海道地方環境事務所 所長 山本 麻衣 様
8月27日に日高山脈襟裳十勝国立公園協議会が開催されました。
当会からは共同代表2名が出席しました。
開催数日前に、当会に複数の報道関係者から、本会議の開催日程について貴庁から全く案内がないことから問い合わせがありました。また、本会議が非公開ではないのかとの危惧も寄せられました。
当会は帯広自然保護官事務所に問い合わせたところ、開催直前の8月23日(金)午後に報道に案内するとの回答がありました。
当日、報道関係者は冒頭に取材が行われた後、退室を要求され非公開の会議となりました。
しかし、会議の内容は非公開にされなければならないようなものは全くありませんでした。
当会は、国立公園は国民の財産であることから、本協議会が民主的に運営され国民に公開されるべきものとして、以下の質問と要望を提出します。
【質問】
8月27日の会議はなぜ非公開にしたのか、理由をご説明ください。
【要望】
(1)今後の会議は公開とすること。
(2)会議の資料は公開すること。
(3)会議の議事録は速やかに公開すること。
(4)会議の議案は遅くとも2週間前に提示すること。
ご多忙とは存じますが、9月27日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
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2024年9月9日
環境省北海道地方環境事務所 所長 山本 麻衣 様
十勝自然保護協会 共同代表 安藤 御史
佐藤与志松
佐藤与志松
日高山脈襟裳十勝国立公園協議会の会議運営に関する質問と要望
8月27日に日高山脈襟裳十勝国立公園協議会が開催されました。
当会からは共同代表2名が出席しました。
開催数日前に、当会に複数の報道関係者から、本会議の開催日程について貴庁から全く案内がないことから問い合わせがありました。また、本会議が非公開ではないのかとの危惧も寄せられました。
当会は帯広自然保護官事務所に問い合わせたところ、開催直前の8月23日(金)午後に報道に案内するとの回答がありました。
当日、報道関係者は冒頭に取材が行われた後、退室を要求され非公開の会議となりました。
しかし、会議の内容は非公開にされなければならないようなものは全くありませんでした。
当会は、国立公園は国民の財産であることから、本協議会が民主的に運営され国民に公開されるべきものとして、以下の質問と要望を提出します。
【質問】
8月27日の会議はなぜ非公開にしたのか、理由をご説明ください。
【要望】
(1)今後の会議は公開とすること。
(2)会議の資料は公開すること。
(3)会議の議事録は速やかに公開すること。
(4)会議の議案は遅くとも2週間前に提示すること。
ご多忙とは存じますが、9月27日までに書面にてご回答いただけますようお願いいたします。
2024年08月24日
ラリー北海道について池田町からの回答
当会の6月16付の質問および要望lに対し、池田町長からの回答を掲載します。
十勝自然保護協会 共同代表 安 藤 御 史 様
佐 藤 与志松 様
「2024年ラリー北海道での池田開催についての質問と要望」に対する回答について
2024年6月6日付けで提出のあった標記質問と要望につきまして、下記のとおり回答いたします。
(1)清見ガ丘公園はカシワをはじめとする樹木の多い静寂な都市公園であり、散策やパークゴルフなどを楽しむ町民の憩いの場である。通常の走行ではないので一般車両の排気音と違い、午前午後にわたり静寂な公園に騒音が響くことになる。昨年の町による騒音の測定結果を説明いただきたい。
【回答】
2023ラリー北海道の車両騒音について、清見ケ丘1番地周辺200mの範囲について1箇所(2日間、各12時間測定)の騒音測定を行いました。
当該調査区域(ラリー北海道開催会場も含む)は、騒音規制法の規制区域外であり、 同法による規制は受けませんが、住宅が隣接していることから、本業務においては、環境基準「道路に面する地域」の類型Aを参考値として評価を行いました。
調査の結果、ラリー北海道開催日における測定時間全体の等価騒音レベルは、環境基準値「道路に面する地域」の60dBと同程度に留まる結果となりました。
詳細は、別紙「ラリー北海道騒音測定委託業務報告書」を参照ください。
(2)清見ガ丘公園には、この時期は繁殖期ではないものの、エゾフクロウをはじめとした多数の野鳥が生息している。オジロワシの行動圏にも重なる。また、とくに多数のエゾリスが年間を通じて生息し、日常的に道路の横断が見られる。これらの動物に対し、昨年はどのように対処したのか説明をいただきたい。
【回答】
開催を予定しています9月ですが、エゾフクロウについては雛鳥が巣立っている時期で、かつ日中は活動時間帯ではないため、影響は少ないと判断しています。オジロワシについても、実際に競技車両が走行する日は一日間で、そのうち走行時間は約3時間程度となりますので、オジロワシの行動に対する影響は少ないと判断しています。また、年間を通して生息しているエゾリスですが、競技中の車両に向かう形で旧球場内を横断する可能性および接触のリスクは低いと判断しています。道路(園路)の横断についてですが、昨年は競技者に対しては、旧球場内での競技終了後の園路内の走行について、通常の一般車両の走行と同じ低スピードでの移動をお願いしました。園路脇は観客が多くいることから、安全確保のため当日は通常の一般車両の走行時よりも低スピードでの移動となっていました。
(3)そもそも、昨今のC02排出に対する世界的な対応からすれば、多数のガソリン車による過度の走行は問題である。池田町としてはとくに問題としない理由を説明いただきたい。
【回答】
WRC(世界ラリー選手権)では、2022年から新たに100%持続可能なカーボンニュートラル燃料が使われています。この燃料は、合成燃料とバイオ燃料を混合した化石資源を使用しないもので、C02排出量を大幅に削減しています。また、リエゾン(移動)区間など一部決められた区間では、電気モーターのみでの走行が義務付けられるなど、モータースポーツの世界でも環境負荷を軽減する取り組みが始まっています。本町で開催されるラリー北海道においても、将来的には持続可能な取り組みとして同様の考えのもと環境に配慮したガソリン(化石燃料)に頼らない競技になっていくものと考えています。
ラリー北海道には全国各地から数万人の方々が来勝し、競技を観戦する多くの方々の来町も期待できることから、交流人口の拡大・創出および地域の活性化の観点で池田開催に協力し、訪れた方々に池田町の良さを知ってもらえるよう努める次第です。
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池 地 地 第19号
令和6年6月27日
令和6年6月27日
十勝自然保護協会 共同代表 安 藤 御 史 様
佐 藤 与志松 様
池田町長 安 井 美 裕
「2024年ラリー北海道での池田開催についての質問と要望」に対する回答について
2024年6月6日付けで提出のあった標記質問と要望につきまして、下記のとおり回答いたします。
記
(1)清見ガ丘公園はカシワをはじめとする樹木の多い静寂な都市公園であり、散策やパークゴルフなどを楽しむ町民の憩いの場である。通常の走行ではないので一般車両の排気音と違い、午前午後にわたり静寂な公園に騒音が響くことになる。昨年の町による騒音の測定結果を説明いただきたい。
【回答】
2023ラリー北海道の車両騒音について、清見ケ丘1番地周辺200mの範囲について1箇所(2日間、各12時間測定)の騒音測定を行いました。
当該調査区域(ラリー北海道開催会場も含む)は、騒音規制法の規制区域外であり、 同法による規制は受けませんが、住宅が隣接していることから、本業務においては、環境基準「道路に面する地域」の類型Aを参考値として評価を行いました。
調査の結果、ラリー北海道開催日における測定時間全体の等価騒音レベルは、環境基準値「道路に面する地域」の60dBと同程度に留まる結果となりました。
詳細は、別紙「ラリー北海道騒音測定委託業務報告書」を参照ください。
(2)清見ガ丘公園には、この時期は繁殖期ではないものの、エゾフクロウをはじめとした多数の野鳥が生息している。オジロワシの行動圏にも重なる。また、とくに多数のエゾリスが年間を通じて生息し、日常的に道路の横断が見られる。これらの動物に対し、昨年はどのように対処したのか説明をいただきたい。
【回答】
開催を予定しています9月ですが、エゾフクロウについては雛鳥が巣立っている時期で、かつ日中は活動時間帯ではないため、影響は少ないと判断しています。オジロワシについても、実際に競技車両が走行する日は一日間で、そのうち走行時間は約3時間程度となりますので、オジロワシの行動に対する影響は少ないと判断しています。また、年間を通して生息しているエゾリスですが、競技中の車両に向かう形で旧球場内を横断する可能性および接触のリスクは低いと判断しています。道路(園路)の横断についてですが、昨年は競技者に対しては、旧球場内での競技終了後の園路内の走行について、通常の一般車両の走行と同じ低スピードでの移動をお願いしました。園路脇は観客が多くいることから、安全確保のため当日は通常の一般車両の走行時よりも低スピードでの移動となっていました。
(3)そもそも、昨今のC02排出に対する世界的な対応からすれば、多数のガソリン車による過度の走行は問題である。池田町としてはとくに問題としない理由を説明いただきたい。
【回答】
WRC(世界ラリー選手権)では、2022年から新たに100%持続可能なカーボンニュートラル燃料が使われています。この燃料は、合成燃料とバイオ燃料を混合した化石資源を使用しないもので、C02排出量を大幅に削減しています。また、リエゾン(移動)区間など一部決められた区間では、電気モーターのみでの走行が義務付けられるなど、モータースポーツの世界でも環境負荷を軽減する取り組みが始まっています。本町で開催されるラリー北海道においても、将来的には持続可能な取り組みとして同様の考えのもと環境に配慮したガソリン(化石燃料)に頼らない競技になっていくものと考えています。
ラリー北海道には全国各地から数万人の方々が来勝し、競技を観戦する多くの方々の来町も期待できることから、交流人口の拡大・創出および地域の活性化の観点で池田開催に協力し、訪れた方々に池田町の良さを知ってもらえるよう努める次第です。
(池田町地域振興課)
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