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2014年11月30日
更別湿原のヤチカンバについて北海道教育委員会からの回答
当会が2014年10月6日付で北海道教育委員会に送付した「更別村『更別湿原ヤチカンバ群生地』の保全についての質問書」に対して、北海道教育庁生涯学習推進局(文化財保護グループ)より11月17日付で回答がありました。質問とそれに対する回答(青字)を以下に掲載します。
村教委では、平成16年度の調査時と今年度の調査時点で、大きな変化はないものと考えられるとしていますが、来年度以降、移植地における土壌水分や土壌成分などの調査の実施を検討しています。
(2)「乾燥化」の原因は、水位の低下にあり、自然降水も保水されず周囲の明渠に流れ込んでいるものと考えます。明渠についてどのようにお考えか、保水対策をどのようにとっているのか、あるいはとろうとしているのか。ご見解をうかがいます。
土壌などの調査結果に基づいて、その影響や対策の必要性の有無について、村教委とともに検討致します。
(3)本来湿地に生育しない植物の侵入について、除去を行う考えはないのか。ご見解をうかがいます。
村教委では、来年度以降、指定地内でヤチカンバの生育を妨げる可能性のある樹木(ヤマナラシ、シラカンバなど)を除去する方策(樹木枯殺法の試験的な実施など)の実施を検討しています。
(4)更別村では、ヤチカンバの採種がおこなわれ、保護区外で苗が育てられていると聞いていますが、この点での長期的な方策をうかがいます。
村教委では、移植苗の生育状況調査を5年のスパンで実施すると共に、指定地内の現況調査を20年程度のスパンで実施する予定です。
(5)立ち入りが制限されている地域であるにもかかわらず、ワラビ採りなどが放置されて「道」ができ、乾燥化に拍車をかけています。この点での対策をうかがいます。
立ち入り制限地域の人の侵入については、村教委が10月16日に現地確認を行ったところ、7月1日から9月30日まで、受託業者が調査に入っている影響が考えられるとしております。村教委では、今後も区域内に人が立ち入ることのないよう随時パトロールを実施するなどして注意していく予定です。
(6)指定者である貴職と、管理者である更別村・更別村教育委員会との間では、どのような連携がとられているのか、具体的な事例を添えて教えてください。
道教委では、道指定文化財について現況調査を年に1回実施し、その報告をもとに、対策の必要があれば、その該当する市町村教委とともに対応しております。
(7)更別村は2004(平成16)年に調査会社に調査を委託し報告を受けていますが、北海道教育委員会は指定者としての立場で、専門家による学術的な調査を早急に行う必要があると当会は考えます。貴職のご見解をうかがいます。
村教委では来年度以降、土壌などの調査の実施を検討しており、道教委ではそれらの経過を見ながら、必要に応じ、北海道文化財保護審議会委員(専門家)による現地調査を行うなど、村教委と協力して対応策等を検討していきたいと考えています。
写真は2014年9月14日に撮影したヤチカンバ群生地。本来湿地に生育しない植物が繁茂している。
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(1)当会は、この地区の「乾燥化」がかなり進んでおり、ヤチカンバは危機的な状況にあると捉えていますが、貴職にあっては、この地区の現状をどのように捉えているのでしょうか。ご見解をうかがいます。村教委では、平成16年度の調査時と今年度の調査時点で、大きな変化はないものと考えられるとしていますが、来年度以降、移植地における土壌水分や土壌成分などの調査の実施を検討しています。
(2)「乾燥化」の原因は、水位の低下にあり、自然降水も保水されず周囲の明渠に流れ込んでいるものと考えます。明渠についてどのようにお考えか、保水対策をどのようにとっているのか、あるいはとろうとしているのか。ご見解をうかがいます。
土壌などの調査結果に基づいて、その影響や対策の必要性の有無について、村教委とともに検討致します。
(3)本来湿地に生育しない植物の侵入について、除去を行う考えはないのか。ご見解をうかがいます。
村教委では、来年度以降、指定地内でヤチカンバの生育を妨げる可能性のある樹木(ヤマナラシ、シラカンバなど)を除去する方策(樹木枯殺法の試験的な実施など)の実施を検討しています。
(4)更別村では、ヤチカンバの採種がおこなわれ、保護区外で苗が育てられていると聞いていますが、この点での長期的な方策をうかがいます。
村教委では、移植苗の生育状況調査を5年のスパンで実施すると共に、指定地内の現況調査を20年程度のスパンで実施する予定です。
(5)立ち入りが制限されている地域であるにもかかわらず、ワラビ採りなどが放置されて「道」ができ、乾燥化に拍車をかけています。この点での対策をうかがいます。
立ち入り制限地域の人の侵入については、村教委が10月16日に現地確認を行ったところ、7月1日から9月30日まで、受託業者が調査に入っている影響が考えられるとしております。村教委では、今後も区域内に人が立ち入ることのないよう随時パトロールを実施するなどして注意していく予定です。
(6)指定者である貴職と、管理者である更別村・更別村教育委員会との間では、どのような連携がとられているのか、具体的な事例を添えて教えてください。
道教委では、道指定文化財について現況調査を年に1回実施し、その報告をもとに、対策の必要があれば、その該当する市町村教委とともに対応しております。
(7)更別村は2004(平成16)年に調査会社に調査を委託し報告を受けていますが、北海道教育委員会は指定者としての立場で、専門家による学術的な調査を早急に行う必要があると当会は考えます。貴職のご見解をうかがいます。
村教委では来年度以降、土壌などの調査の実施を検討しており、道教委ではそれらの経過を見ながら、必要に応じ、北海道文化財保護審議会委員(専門家)による現地調査を行うなど、村教委と協力して対応策等を検討していきたいと考えています。
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写真は2014年9月14日に撮影したヤチカンバ群生地。本来湿地に生育しない植物が繁茂している。
更別湿原のヤチカンバ保全についての回答
ヤチカンバの保全について更別村教育長からの回答
ヤチカンバ保全についての質問書
更別湿原のヤチカンバ保全に関し更別村教育委員会より回答
更別湿原のヤチカンバの保全について質問と要望を送付
ヤチカンバ保全に関する回答
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Posted by 十勝自然保護協会 at 10:27│Comments(0)
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