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2023年08月11日
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置について、6月14日付回答に対する当会の見解と質問
6月14日付のJTOWERからの回答に対し、当会の見解と質問を送付しました。
株式会社JTOWER 代表取締役社長
田中 敦史 様
2023年6月14日付の貴社の回答について、当会の見解をお知らせするとともに質問をさせていただきます。項目ごとにご回答くださいますようお願いいたします。ご多忙とは存じますが、9月8日までにご回答いただきたくお願いいたします。
1 トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局の必要性について
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局は、総務省の「デジタル田園都市国家インフラ整備計画(概要)」の趣旨に沿ったもので、地理的に条件不利な地域(過疎地、辺地、離島、半島など)が対象となっており、当該基地局は「過疎地」に該当するとの回答でした。
「過疎」とは「開発の遅れた農山村において,急激な離村,離農現象が進展した結果,地域住民の生産と生活の諸機能が麻痺し,生活の秩序が破壊された状態。」(ブリタニカ国債大百科事典 小項目事典)。「極度にまばらなこと。特に、ある地域の人口が他に流出して少なすぎること。」(デジタル大辞泉)です。従って、過疎地とはもともと人が住んでいたが、人が流出して減ってしまった地域のことを指します。当該メッシュ(国土地理院の2次メッシュ番号「654216」)はもともと居住者がおらず、今も誰も住んでいませんので、「過疎地」には該当しません。
「デジタル田園都市国家構想」(*1)の説明を読んでも、人が居住している地域を対象としていると理解されます。
人が居住していないメッシュでの5G基地局整備は「デジタル田園都市国家構想」に沿うものではなく、このメッシュを選定したこと自体が不適切です。
*1 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/index.html
2 生物多様性に対する電磁波の影響について
(1)「本5G基地局で使用される電波は世界保健機関(WHO)の推奨する国際的なガイドラインであるICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)に準拠した電波防護指針の基準値を満たすものとなっております」との回答でした。しかし、2018年のスロベニアでのWHO 国際電磁波プロジェクトにおいて、ICNIRPのガイドラインは公式承認できないことが再確認されています(*2)。貴社が主張するWHOが推奨する国際的ガイドラインであるICNIRPに準拠した電波防護指針なるものの具体的基準値を教えてください。
*2 WHO国際電磁界プロジェクトの動向、国立保険医療科学院 生活環境研究部 牛山明 https://www.soumu.go.jp/main_content/000702993.pdf
(2)6月14日付の回答は当会が指摘した電磁波の生物への影響について、何ら具体的見解が述べられていません。科学的にまだ結論が出ていないことでも、将来人類にとって影響を及ぼすことが予見されることに対しては『予防原則』が国際的に認識されています。健康被害や生物多様性への影響について回答できないのであれば、貴社の予防原則についての見解を明らかにしてください。
3 貴社の対応について
「本5G基地局は、総務省の計画に沿った設置であり」と貴社は述べていますが、総務省(政府)の基準(あるいは言うところ)に従えば安全である、とは必ずしも言えないでしょう。事業者としても安全性、生物多様性に問題がないかどうかを独自に検討し、積極的に総務省(政府)に働きかけるべきと考えます。
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2023年8月6日
株式会社JTOWER 代表取締役社長
田中 敦史 様
十勝自然保護協会共同代表 安藤 御史
佐藤与志松
佐藤与志松
JTOWERの6月14日付回答に対する当会の見解と質問
2023年6月14日付の貴社の回答について、当会の見解をお知らせするとともに質問をさせていただきます。項目ごとにご回答くださいますようお願いいたします。ご多忙とは存じますが、9月8日までにご回答いただきたくお願いいたします。
記
1 トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局の必要性について
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局は、総務省の「デジタル田園都市国家インフラ整備計画(概要)」の趣旨に沿ったもので、地理的に条件不利な地域(過疎地、辺地、離島、半島など)が対象となっており、当該基地局は「過疎地」に該当するとの回答でした。
「過疎」とは「開発の遅れた農山村において,急激な離村,離農現象が進展した結果,地域住民の生産と生活の諸機能が麻痺し,生活の秩序が破壊された状態。」(ブリタニカ国債大百科事典 小項目事典)。「極度にまばらなこと。特に、ある地域の人口が他に流出して少なすぎること。」(デジタル大辞泉)です。従って、過疎地とはもともと人が住んでいたが、人が流出して減ってしまった地域のことを指します。当該メッシュ(国土地理院の2次メッシュ番号「654216」)はもともと居住者がおらず、今も誰も住んでいませんので、「過疎地」には該当しません。
「デジタル田園都市国家構想」(*1)の説明を読んでも、人が居住している地域を対象としていると理解されます。
人が居住していないメッシュでの5G基地局整備は「デジタル田園都市国家構想」に沿うものではなく、このメッシュを選定したこと自体が不適切です。
*1 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/index.html
2 生物多様性に対する電磁波の影響について
(1)「本5G基地局で使用される電波は世界保健機関(WHO)の推奨する国際的なガイドラインであるICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)に準拠した電波防護指針の基準値を満たすものとなっております」との回答でした。しかし、2018年のスロベニアでのWHO 国際電磁波プロジェクトにおいて、ICNIRPのガイドラインは公式承認できないことが再確認されています(*2)。貴社が主張するWHOが推奨する国際的ガイドラインであるICNIRPに準拠した電波防護指針なるものの具体的基準値を教えてください。
*2 WHO国際電磁界プロジェクトの動向、国立保険医療科学院 生活環境研究部 牛山明 https://www.soumu.go.jp/main_content/000702993.pdf
(2)6月14日付の回答は当会が指摘した電磁波の生物への影響について、何ら具体的見解が述べられていません。科学的にまだ結論が出ていないことでも、将来人類にとって影響を及ぼすことが予見されることに対しては『予防原則』が国際的に認識されています。健康被害や生物多様性への影響について回答できないのであれば、貴社の予防原則についての見解を明らかにしてください。
3 貴社の対応について
「本5G基地局は、総務省の計画に沿った設置であり」と貴社は述べていますが、総務省(政府)の基準(あるいは言うところ)に従えば安全である、とは必ずしも言えないでしょう。事業者としても安全性、生物多様性に問題がないかどうかを独自に検討し、積極的に総務省(政府)に働きかけるべきと考えます。
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置について、9月29日付回答に対する抗議
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置についてJTOWERからの回答(その3)
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置についてJTOWERからの回答(その2)
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置について、JTOWERの回答に対する当会の見解
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置についてJTOWERからの回答
トムラウシ自然休養林野営場における5G基地局設置についてJTOWERに申し入れ
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置についてJTOWERからの回答(その3)
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置についてJTOWERからの回答(その2)
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置について、JTOWERの回答に対する当会の見解
トムラウシ自然休養林野営場での5G基地局設置についてJTOWERからの回答
トムラウシ自然休養林野営場における5G基地局設置についてJTOWERに申し入れ
Posted by 十勝自然保護協会 at 11:58│Comments(0)
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