十勝自然保護協会 活動速報 › 河川・ダム
2009年09月13日
然別川三の沢砂防ダム改修で見解を送付
然別川水系三の沢砂防ダムの改修についての申入れに対し、6月に帯広土木現業所から回答がきました。この回答を受けて、以下の見解を送付しました。
帯広土木現業所
鹿追出張所 山田芳弘 様
当会の2009年3月2日付け「然別川水系三の沢川砂防ダム改修工事及び既存魚道についての再申し入れ」に対し、平成21年6月付帯土鹿出第264号で貴職から回答がありました。
この中で、シイシカリベツ川2号砂防ダム及び同3号砂防ダムの魚道落差について魚道の登り口及び隔壁の改良を行いより魚の上りやすい魚道とすることに同意されたことは自然保護行政の前進と評価しております。
しかしながら、三の沢川砂防ダム改修工事に関する回答については、納得できないところが多々あります。以下に当会の見解を示します。
1.巨礫の流下について貴職の回答
前回、以下の様に回答いたしました
ダムより600~800m上流付近などに堆積した巨礫は1981年の大洪水以降、それと同程度の雨が降っていないことから、下流へ流下していないと考えられます。
また、1981年8月5日の日降雨量は322mmで既往最大である旨のデーターを添付いたしました。
当方の回答、「・・・、それと同程度の雨が降っていないことから、・・・」の同程度の雨が・・の意味は、日降雨量(322mm)だけを対象にしているわけではありません。近年、地球温暖化の影響で発生しているゲリラ雨(短時間の大降雨)などもその対象となります。1981年8月5日降雨の1時間最大雨量は、34mm、2時間最大雨量は57mmです。仮に、当該流域に全国各地で実績のある、時間100mm以上、10分間雨量50mm以上の雨が降った場合、1981年8月5日の日降雨量322mm以下であっても洪水発生の恐れがありますし同時に1981年規模の土砂移動も予想されます。
洪水の規模は、日降雨量だけではなく1時間降雨量や2時間降雨量などの短時間降雨量にも大きく影響されます。
したがって、1981年規模の大洪水がなければ流下しないとの貴職の認識も明らかとなったとの意味が、日降雨量322mmのみを対象にしているのであれば同意しかねます。
当会の見解
時間100mm以上、10分間雨量50mm以上の雨が将来降る可能性を否定しませんが、これを持ち出すと、北海道各地の河川に砂防ダムをはりめぐらさなければならないことになります。治水計画は、100年に一度とか150年に一度の降雨確率を前提としてなされ手いると思いますが、北海道土木部は、温暖化による降雨確率の変化も加味して治山治水計画を立て、実行しているのでしょうか。もしそのような計画書があるのであれば公表していただきたいと思います。
2.砂防ダムのコンクリートの寿命についての貴職の回答
ご指摘の数百年に一度の降雨確率について申し添えます。
数百年に一度の降雨確率とは「数百年に一回降る」という意味ではございません。
対象となった1981年の降雨が、毎年、数百年分の一の確率で発生する可能性があることを意味しています。ですから、数百年といわず今年や来年に発生する可能性もあります。
また、「・・・なぜなら巨礫が流下するほどの洪水が到来する前に砂防ダムのコンクリートの寿命が尽きるからである。」については、貴会の主張に同意しかねます。
当会の見解
数百年に1度の降雨確率に備える砂防ダムの愚かしさを指摘したものです。
3.流木について貴職の回答
一般的に流木は、川幅の狭隘部に滞留し土砂礫を堰き止めて河床を上昇させ洪水流や土砂礫の氾濫など災害の原因となります。
当該河川の様な土砂移動実績のある河川では、今後も土砂移動時に堆積していた倒木が土砂礫と一緒に流下する事が予想されます。
仮に川を流下した流木が、海にまで達した場合には、沿岸漁業の網への被害も予想されます。
当該ダムは、土砂礫の流下を調整する砂防ダムで流木捕捉を目的とするダムではありませんが、構造上、流域内に混在する土砂礫と流木を止める機能も併せ持っています。
洪水時には、流木によりせき止められていた土砂礫が一挙に流下して河岸や河床を浸食し、下流域での災害規模を拡大させたりする事が予想されることから、土砂移動実績のある当該地点に砂防ダムを設置しています。
当会の見解
この回答では、土砂移動実績と沿岸漁業への被害から三の沢砂防ダムの設置意義を説いているようですが、当会の指摘に対応したものになっていません。
あまりに一般論的説明であり説得力を持ちえません。なお、魚網被害についていうなら、ここで発生した流木が沿岸まで到達する可能性は極めて低いでしょう。なぜなら途中の砂防ダムや河畔林で捕捉されるからです。
4.鉄製工作物設置についての貴職の回答
三の沢川は1981年に土砂移動を起こした川であり、今後も河川上流部に堆積する土砂礫が流下する可能性があると考えています。そのためには上流域にある土砂礫の流下を抑制する防災機能の確保が必要です。
このことから、貴会から要請のあった開放型の砂防ダムでは、具備すべき防災機能を確保できないものと考えています。
当会の見解
鉄製工作物の設置は、巨礫と流木等の流下防止との説明を当初受けていましたが、今回の回答では、巨礫以外の土砂をも流下抑制するとの見解が示されました。工事理由を再確認したく思います。
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2009年9月7日
帯広土木現業所
鹿追出張所 山田芳弘 様
十勝自然保護協会会長 安藤御史
「然別川水系三の沢川砂防ダム改修工事及び既存の魚道について
再申し入れ に対する回答」についての見解
再申し入れ に対する回答」についての見解
当会の2009年3月2日付け「然別川水系三の沢川砂防ダム改修工事及び既存魚道についての再申し入れ」に対し、平成21年6月付帯土鹿出第264号で貴職から回答がありました。
この中で、シイシカリベツ川2号砂防ダム及び同3号砂防ダムの魚道落差について魚道の登り口及び隔壁の改良を行いより魚の上りやすい魚道とすることに同意されたことは自然保護行政の前進と評価しております。
しかしながら、三の沢川砂防ダム改修工事に関する回答については、納得できないところが多々あります。以下に当会の見解を示します。
1.巨礫の流下について貴職の回答
前回、以下の様に回答いたしました
ダムより600~800m上流付近などに堆積した巨礫は1981年の大洪水以降、それと同程度の雨が降っていないことから、下流へ流下していないと考えられます。
また、1981年8月5日の日降雨量は322mmで既往最大である旨のデーターを添付いたしました。
当方の回答、「・・・、それと同程度の雨が降っていないことから、・・・」の同程度の雨が・・の意味は、日降雨量(322mm)だけを対象にしているわけではありません。近年、地球温暖化の影響で発生しているゲリラ雨(短時間の大降雨)などもその対象となります。1981年8月5日降雨の1時間最大雨量は、34mm、2時間最大雨量は57mmです。仮に、当該流域に全国各地で実績のある、時間100mm以上、10分間雨量50mm以上の雨が降った場合、1981年8月5日の日降雨量322mm以下であっても洪水発生の恐れがありますし同時に1981年規模の土砂移動も予想されます。
洪水の規模は、日降雨量だけではなく1時間降雨量や2時間降雨量などの短時間降雨量にも大きく影響されます。
したがって、1981年規模の大洪水がなければ流下しないとの貴職の認識も明らかとなったとの意味が、日降雨量322mmのみを対象にしているのであれば同意しかねます。
当会の見解
時間100mm以上、10分間雨量50mm以上の雨が将来降る可能性を否定しませんが、これを持ち出すと、北海道各地の河川に砂防ダムをはりめぐらさなければならないことになります。治水計画は、100年に一度とか150年に一度の降雨確率を前提としてなされ手いると思いますが、北海道土木部は、温暖化による降雨確率の変化も加味して治山治水計画を立て、実行しているのでしょうか。もしそのような計画書があるのであれば公表していただきたいと思います。
2.砂防ダムのコンクリートの寿命についての貴職の回答
ご指摘の数百年に一度の降雨確率について申し添えます。
数百年に一度の降雨確率とは「数百年に一回降る」という意味ではございません。
対象となった1981年の降雨が、毎年、数百年分の一の確率で発生する可能性があることを意味しています。ですから、数百年といわず今年や来年に発生する可能性もあります。
また、「・・・なぜなら巨礫が流下するほどの洪水が到来する前に砂防ダムのコンクリートの寿命が尽きるからである。」については、貴会の主張に同意しかねます。
当会の見解
数百年に1度の降雨確率に備える砂防ダムの愚かしさを指摘したものです。
3.流木について貴職の回答
一般的に流木は、川幅の狭隘部に滞留し土砂礫を堰き止めて河床を上昇させ洪水流や土砂礫の氾濫など災害の原因となります。
当該河川の様な土砂移動実績のある河川では、今後も土砂移動時に堆積していた倒木が土砂礫と一緒に流下する事が予想されます。
仮に川を流下した流木が、海にまで達した場合には、沿岸漁業の網への被害も予想されます。
当該ダムは、土砂礫の流下を調整する砂防ダムで流木捕捉を目的とするダムではありませんが、構造上、流域内に混在する土砂礫と流木を止める機能も併せ持っています。
洪水時には、流木によりせき止められていた土砂礫が一挙に流下して河岸や河床を浸食し、下流域での災害規模を拡大させたりする事が予想されることから、土砂移動実績のある当該地点に砂防ダムを設置しています。
当会の見解
この回答では、土砂移動実績と沿岸漁業への被害から三の沢砂防ダムの設置意義を説いているようですが、当会の指摘に対応したものになっていません。
あまりに一般論的説明であり説得力を持ちえません。なお、魚網被害についていうなら、ここで発生した流木が沿岸まで到達する可能性は極めて低いでしょう。なぜなら途中の砂防ダムや河畔林で捕捉されるからです。
4.鉄製工作物設置についての貴職の回答
三の沢川は1981年に土砂移動を起こした川であり、今後も河川上流部に堆積する土砂礫が流下する可能性があると考えています。そのためには上流域にある土砂礫の流下を抑制する防災機能の確保が必要です。
このことから、貴会から要請のあった開放型の砂防ダムでは、具備すべき防災機能を確保できないものと考えています。
当会の見解
鉄製工作物の設置は、巨礫と流木等の流下防止との説明を当初受けていましたが、今回の回答では、巨礫以外の土砂をも流下抑制するとの見解が示されました。工事理由を再確認したく思います。
2009年08月07日
開発局が面談拒否
当会では相生中島地区の水路掘削問題や然別川の河畔林伐採問題などで、帯広開発建設部に質問書を送付して説明を求めてきましたが、すでにお知らせしたように大半の質問にきちんと回答していません。そこで直接会って話しをすべく面談を申し入れたところ、以下のような拒否文書がファックスで送信されました。
このような対応はNGOを愚弄するものにほかなりません。河川整備を進めるにあたって地元のNGOを無視するというのは、国の方針にも反することです。
十勝自然保護協会
事務局長 佐藤与志松 様
貴会からの面談希望についてですが、貴会の質問に対しては、平成21年6月19日及び24日付け、平成21年8月3日付けで回答している通りです。よって、この度の件に関しまして、当部としてはこれ以上の回答をしかねるため、面談の必要性は伺えないと考えますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。
このような対応はNGOを愚弄するものにほかなりません。河川整備を進めるにあたって地元のNGOを無視するというのは、国の方針にも反することです。
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平成21年8月5日
十勝自然保護協会
事務局長 佐藤与志松 様
帯広開発建設部 治水課長
貴会からの面談希望についてですが、貴会の質問に対しては、平成21年6月19日及び24日付け、平成21年8月3日付けで回答している通りです。よって、この度の件に関しまして、当部としてはこれ以上の回答をしかねるため、面談の必要性は伺えないと考えますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。
2009年08月06日
治水事業説明会についての回答
治水事業説明会についての質問書に回答がありました。質問は4項目でしたが、それぞれに対応する回答をせずにはぐらかしています。案内の送付も、意図的に私書箱に送ったと勘ぐられても弁解の余地はないでしょう。お粗末な回答です。
十勝自然保護協会会長 様
日頃より、帯広開発建設部の治水事業に関しまして、ご指導ご鞭撻を頂き厚く御礼申し上げます。
さて、この度の質問書に対しまして以下のとおり回答いたします。
今回の治水事業説明会の開催にあたっては、ホームページと聞き取りにより活動団体を調べ、当部で管理している河川区域内で活動されている団体に案内を出したものです。開催にあたっては現地視察も予定していたところから、日中の開催としました。
案内状は、6月24日付けでメール便にてお送りしました。貴会へは、十勝自然保護協会のホームページに掲載されている住所へお送りしたものですが、メール便が私書箱へ配送されないことに気づかず案内が遅れ申し訳ございませんでした。
なお、団体名は控えますが、説明会には、貴会からの3名を含め12団体33名の方に参加していただき感謝しています。
今後の開催方法等については、皆様のご意見を参考にしながら考えていきたいと思います。
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平成21年8月3日
十勝自然保護協会会長 様
帯広開発建設部 治水課長
治水事業説明会についての質問書(回答)
日頃より、帯広開発建設部の治水事業に関しまして、ご指導ご鞭撻を頂き厚く御礼申し上げます。
さて、この度の質問書に対しまして以下のとおり回答いたします。
今回の治水事業説明会の開催にあたっては、ホームページと聞き取りにより活動団体を調べ、当部で管理している河川区域内で活動されている団体に案内を出したものです。開催にあたっては現地視察も予定していたところから、日中の開催としました。
案内状は、6月24日付けでメール便にてお送りしました。貴会へは、十勝自然保護協会のホームページに掲載されている住所へお送りしたものですが、メール便が私書箱へ配送されないことに気づかず案内が遅れ申し訳ございませんでした。
なお、団体名は控えますが、説明会には、貴会からの3名を含め12団体33名の方に参加していただき感謝しています。
今後の開催方法等については、皆様のご意見を参考にしながら考えていきたいと思います。
2009年08月06日
河畔林伐採についての再質問書に回答
帯広開発建設部より、河畔林伐採についての再質問書に回答がありました。然別築堤周辺の洪水対策として伐採したとのことですが、ここの下流には帯広市があり、洪水を速やかに流下させると下流の帯広市に洪水が早く到達して危険性が増すと考えられます。上流での河畔林伐採は人口密集地を洪水から守る対策と逆行します。開発局は帯広市周辺での破堤を想定したシュミレーションを公開し、大掛かりな水路掘削工事を行なうとしていますが、水路掘削の根拠すら説明していません。河畔林伐採によって下流域の危険性を高め、自然の節理に反する水路掘削に税金を投入するという二重の愚行といえます。なお、3の環境調査については何ら具体性がありません。4は、これまで当会に治水説明会の案内を送付しなかった理由と、事業説明会に参加した団体の名称が個人情報だとすることの法的根拠について質問したのですが、意味不明の回答です。
十勝自然保護協会会長 様
日頃より、帯広開発建設部の治水事業に閲しまして、ご指導ご鞭撞を頂き厚く御礼申し上げます。
さて、この度の再質問書に対しまして以下のとおり回答いたします。
1の質問に対する回答
増水時の流れを速やかに流下させ水位を低下させることで堤防決壊等による氾濫の危険
性を低下させ、然別築堤周辺の地域の安全性を回復させたものです。
2の質問に対する回答
① 売却できない伐採木や枝等は、一般廃棄物として帯広市、音吏町、芽室町の処理場へ搬入されています。搬入後は、再生できるものはウッドチップやおがくずとして再利用されていると聞いています。
② 材積 約440m3
③ 下士幌資材ヤード(音更町下士幌北1線東地先)
④ 一般競争入札
⑤ H21年6月29日契約
売却量 約690m3 (国見橋下流の伐採木約440m3含む)
売却額 4,525,500円(消費税込み)
売却先 更別森林組合
3の質問に対する回答
①河畔林が繁茂している状態では、増水時の流れが妨げられ水位上昇が生じるため、堤防決壊等による氾濫の危険性が高まります。よって、当該地域の治水の安全性を回復させるため、伐採が必要と判断しました。
②調査は、草木の分布状況を調べました。
③今回の伐採は、当該地域の治水の安全性を回復させるために行ったものであり、やむを得ないと考えています。
4の質問に対する回答
① 昨年までは、過年度のデータを基に案内を出していたためです。今年度からは、参加案内を広げました。
② 目的が不明であり、団体名から個人名が特定されることから、回答を控えさせていただきます。
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平成21年8月3日
十勝自然保護協会会長 様
帯広開発建設部 治水課長
然別川の国見橋下流で行われた河畔林伐採についての再質問書(回答)
日頃より、帯広開発建設部の治水事業に閲しまして、ご指導ご鞭撞を頂き厚く御礼申し上げます。
さて、この度の再質問書に対しまして以下のとおり回答いたします。
1の質問に対する回答
増水時の流れを速やかに流下させ水位を低下させることで堤防決壊等による氾濫の危険
性を低下させ、然別築堤周辺の地域の安全性を回復させたものです。
2の質問に対する回答
① 売却できない伐採木や枝等は、一般廃棄物として帯広市、音吏町、芽室町の処理場へ搬入されています。搬入後は、再生できるものはウッドチップやおがくずとして再利用されていると聞いています。
② 材積 約440m3
③ 下士幌資材ヤード(音更町下士幌北1線東地先)
④ 一般競争入札
⑤ H21年6月29日契約
売却量 約690m3 (国見橋下流の伐採木約440m3含む)
売却額 4,525,500円(消費税込み)
売却先 更別森林組合
3の質問に対する回答
①河畔林が繁茂している状態では、増水時の流れが妨げられ水位上昇が生じるため、堤防決壊等による氾濫の危険性が高まります。よって、当該地域の治水の安全性を回復させるため、伐採が必要と判断しました。
②調査は、草木の分布状況を調べました。
③今回の伐採は、当該地域の治水の安全性を回復させるために行ったものであり、やむを得ないと考えています。
4の質問に対する回答
① 昨年までは、過年度のデータを基に案内を出していたためです。今年度からは、参加案内を広げました。
② 目的が不明であり、団体名から個人名が特定されることから、回答を控えさせていただきます。
2009年08月06日
水路掘削問題の再質問書への回答
相生中島地区の水路掘削についての再質問書に、以下の回答がありました。当会の質問は6項目にわたった具体的なものでしたが、目を覆うほどお粗末な回答です。質問の内容を理解できなかったのでしょうか。質問の内容は理解できたが、自ら立案した事業の妥当性を説明できないから答えられないということなのでしょうか。その見極めのため面談を申し入れたのですが、回答済みにつき面談しないと拒否しました。このような対応はこの行政組織が深刻な劣化状態にあることを物語る証といえそうです。国民に説明責任を果たせない行政組織は、存在する意味などありません。大臣に見切りをつけられるのも宜なるかなです。さらば北海道開発局。
十勝自然保護協会会長 様
日頃より、帯広開発建設部の治水事業に閲しまして、ご指導ご鞭撻を頂き厚く御礼申し
上げます。
さて、先の回答書(平成21年6月19日付け)でも回答しているよう、相生中島地区では、平成14年度より公募した一般参加者と学識経験者によるワークショップを11回開催し、相生中島地区の治水上の問題点及び環境や利用のされ方を整理したうえで、どのようにすべきかの議論を重ね基本方針がまとめられています。その後、その基本方針を引き継いで市民による「十勝川相生中島地区市民協働会議」が中心となり、様々な考え、立場の方が参加し、相生中島地区の環境や利用、治水について具体的な議論がなされているところです。現在の計画は、これらの議論を尊重した上でたてられているものですが、今後も「十勝川相生中島地区市民協働会議」による意見交換会等の場を用いて議論させて頂きますので、貴会も参加され、流域の皆様が安全で安心に暮らせ、そして、大事な河川の環境を維持していくためにお知恵をお借りできたらと考えています。ご理解の程宜しくお願いいたします。
********************
平成21年8月3日
十勝自然保護協会会長 様
帯広開発建設部 治水課長
相生中島地区における十勝川水路工事についての再質問書(回答)
日頃より、帯広開発建設部の治水事業に閲しまして、ご指導ご鞭撻を頂き厚く御礼申し
上げます。
さて、先の回答書(平成21年6月19日付け)でも回答しているよう、相生中島地区では、平成14年度より公募した一般参加者と学識経験者によるワークショップを11回開催し、相生中島地区の治水上の問題点及び環境や利用のされ方を整理したうえで、どのようにすべきかの議論を重ね基本方針がまとめられています。その後、その基本方針を引き継いで市民による「十勝川相生中島地区市民協働会議」が中心となり、様々な考え、立場の方が参加し、相生中島地区の環境や利用、治水について具体的な議論がなされているところです。現在の計画は、これらの議論を尊重した上でたてられているものですが、今後も「十勝川相生中島地区市民協働会議」による意見交換会等の場を用いて議論させて頂きますので、貴会も参加され、流域の皆様が安全で安心に暮らせ、そして、大事な河川の環境を維持していくためにお知恵をお借りできたらと考えています。ご理解の程宜しくお願いいたします。
2009年07月20日
開発建設部の治水説明会(2009.7.6開催)報告
まず驚いたことに、この説明会への案内は締切をすぎてから届きました。
前半は今年度の治水計画の説明、後半はバスで移動し礼文内川の掘削と自然再生現地説明でした。(タンチョウをみました。参加約40名、当会は3名)
配布された資料は、地域と工事名(写真)の一覧のみで、内容は映像により口早の説明がなされたので、ほとんど記録ができず、考える余裕もありません。質疑応答の時間はわずか、3名が発言して前半は終わりました。
さて、当会は、二つの課題を抱えてこの説明会に臨んでいました。一つは、国見橋から下流の然別川河畔林の皆伐、今一つは相生中島地区の掘削工事です。河畔林皆伐については、昨年度の事業で今回説明はなかったが、河畔林というものに対する治水課の見解を質したかったし、掘削工事についてはこれからの事業として説明があったが、その必要性、妥当性について質したかったのです。しかし、質疑応答の時間がわずかしかなく、質問はできませんでした。(質問した3名のうち2名は議事進行についてでした)
説明の中で、最初に河川法が改正され「環境」という柱が加わったことと「住民参加」を盛り込んだことが示されました。なるほどその会場には40名もの住民参加があるけれど、意見を言えない状態に設定されています。
また、河畔林の皆伐はどうか。伐採の目的がなんらかの理由に基づくものと仮に認めたとしても、皆伐が「環境」配慮に反することは明らかです。
十勝自然保護協会は、はじめ当会への説明に治水課の派遣を要請しましたが、断られました。そこでこれらの疑問を文書で質したところ、回答をえました(「十勝川水路掘削問題 帯広開建からの回答」参照)が、みなさんどう思いますか。(S記)
前半は今年度の治水計画の説明、後半はバスで移動し礼文内川の掘削と自然再生現地説明でした。(タンチョウをみました。参加約40名、当会は3名)
配布された資料は、地域と工事名(写真)の一覧のみで、内容は映像により口早の説明がなされたので、ほとんど記録ができず、考える余裕もありません。質疑応答の時間はわずか、3名が発言して前半は終わりました。
さて、当会は、二つの課題を抱えてこの説明会に臨んでいました。一つは、国見橋から下流の然別川河畔林の皆伐、今一つは相生中島地区の掘削工事です。河畔林皆伐については、昨年度の事業で今回説明はなかったが、河畔林というものに対する治水課の見解を質したかったし、掘削工事についてはこれからの事業として説明があったが、その必要性、妥当性について質したかったのです。しかし、質疑応答の時間がわずかしかなく、質問はできませんでした。(質問した3名のうち2名は議事進行についてでした)
説明の中で、最初に河川法が改正され「環境」という柱が加わったことと「住民参加」を盛り込んだことが示されました。なるほどその会場には40名もの住民参加があるけれど、意見を言えない状態に設定されています。
また、河畔林の皆伐はどうか。伐採の目的がなんらかの理由に基づくものと仮に認めたとしても、皆伐が「環境」配慮に反することは明らかです。
十勝自然保護協会は、はじめ当会への説明に治水課の派遣を要請しましたが、断られました。そこでこれらの疑問を文書で質したところ、回答をえました(「十勝川水路掘削問題 帯広開建からの回答」参照)が、みなさんどう思いますか。(S記)
2009年07月09日
開建の治水事業説明会について質問書を送付
帯広開発建設部が7月6日に実施した治水事業説明会について、以下の質問書を送付しました。
帯広開発建設部長 様
帯広開発建設部治水課は、6月24日付けで「平成21年度治水事業計画説明会の開催案内について」という文書を、河川に関係する市民団体、NPO等に送付しました。
当会の事務局には6月下旬に開発建設部治水課より「私書箱に案内を送付してしまった」との電話がありました。私書箱は6月26日頃および7月1日に確認しましたが、届いていませんでした。また、当会は参加申し込みの締め切りが7月1日であるとの情報を他団体から得ました。締め切りが過ぎても文書が届かないことに疑問をもった当会の事務局長が7月2日に開発建設部治水課の担当者に電話をしたところ、文書の発送にヤマト運輸のメール便を利用したために私書箱に配達されず、返送されたことを今朝知ったと説明されました。そして案内文をファックスにて送信してもらいました(7月2日午前9時22分送信)。
今回の案内文の送付および治水課の対応について疑問を抱かざるを得ません。つきましては以下について質問いたしますので、7月20日までに書面にて回答くださいますようお願いいたします。
質問1
ヤマト運輸のホームページには、メール便は郵便私書箱宛のものは扱わないと赤字で明記されています。6月24日にメール便にて発送し、配達できずに返送されたのであれば翌日ないしは翌々日には発送者に届いていると考えられますので、申し込み締め切り後の7月2日に返送に気づいたという説明はきわめて不自然です。また、担当者が私書箱宛に送ったことが不適切だったと気づいて当会に電話をしたのであれば、速やかにヤマト運輸に問い合わせると同時に当会に文書をファックス送信すべきでした。メール便を私書箱宛に送ったことについて、なぜ速やかにヤマト運輸に確認しファックス送信するなど、適切な対応をしなかったのか説明を求めます。
質問2
当会には、治水説明会の案内と同じ6月24日付けで、治水課長名による「然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採についての質問書(回答)」が届いています。これは私書箱ではなく事務局の住所に郵便で配達されました。この文書で、治水事業説明会について「今年度は、十勝川水系で活動しているNPO・環境団体等を改めて調査し、説明会のご案内をしたいと考えています」と記述されています。この文面からは、説明会の詳細は未定であると理解できます。ところが、治水課は同日に治水事業説明会の案内を作成していました。24日にはNPO・環境団体の調査はすでに終了し、説明会の詳細が決まって案内文書を作成していたのですから、このような書き方にはならないはずです。回答書の説明と実態が食い違っていますが、なぜこのような食い違いが生じたのか、説明してください。
質問3
治水事業説明会の案内をするにあたり、河川に関係する市民団体、NPOの調査をするとのことでした。そこで以下について具体的に説明してください。
・市民団体、NPOの調査方法
・調査によってピックアップされた団体名
・案内を送付した団体名
・案内を送付した団体の選定理由
・案内の送付方法と送付日
質問4
治水事業説明会の開催日は平日の日中であり、多くの市民が参加できる曜日および時間帯ではありません。また、案内の送付から参加の締め切りまでの期間も1週間だけしかありません。市民団体を対象にしていながら、市民の立場にたった設定がなされておりません。このような曜日や時間帯で多くの市民の参加を得て意見を十分に聞き事業に反映できると考えているのか、見解をお聞かせください。
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2009年7月8日
帯広開発建設部長 様
十勝自然保護協会
会長 安藤御史
会長 安藤御史
治水事業説明会についての質問書
帯広開発建設部治水課は、6月24日付けで「平成21年度治水事業計画説明会の開催案内について」という文書を、河川に関係する市民団体、NPO等に送付しました。
当会の事務局には6月下旬に開発建設部治水課より「私書箱に案内を送付してしまった」との電話がありました。私書箱は6月26日頃および7月1日に確認しましたが、届いていませんでした。また、当会は参加申し込みの締め切りが7月1日であるとの情報を他団体から得ました。締め切りが過ぎても文書が届かないことに疑問をもった当会の事務局長が7月2日に開発建設部治水課の担当者に電話をしたところ、文書の発送にヤマト運輸のメール便を利用したために私書箱に配達されず、返送されたことを今朝知ったと説明されました。そして案内文をファックスにて送信してもらいました(7月2日午前9時22分送信)。
今回の案内文の送付および治水課の対応について疑問を抱かざるを得ません。つきましては以下について質問いたしますので、7月20日までに書面にて回答くださいますようお願いいたします。
質問1
ヤマト運輸のホームページには、メール便は郵便私書箱宛のものは扱わないと赤字で明記されています。6月24日にメール便にて発送し、配達できずに返送されたのであれば翌日ないしは翌々日には発送者に届いていると考えられますので、申し込み締め切り後の7月2日に返送に気づいたという説明はきわめて不自然です。また、担当者が私書箱宛に送ったことが不適切だったと気づいて当会に電話をしたのであれば、速やかにヤマト運輸に問い合わせると同時に当会に文書をファックス送信すべきでした。メール便を私書箱宛に送ったことについて、なぜ速やかにヤマト運輸に確認しファックス送信するなど、適切な対応をしなかったのか説明を求めます。
質問2
当会には、治水説明会の案内と同じ6月24日付けで、治水課長名による「然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採についての質問書(回答)」が届いています。これは私書箱ではなく事務局の住所に郵便で配達されました。この文書で、治水事業説明会について「今年度は、十勝川水系で活動しているNPO・環境団体等を改めて調査し、説明会のご案内をしたいと考えています」と記述されています。この文面からは、説明会の詳細は未定であると理解できます。ところが、治水課は同日に治水事業説明会の案内を作成していました。24日にはNPO・環境団体の調査はすでに終了し、説明会の詳細が決まって案内文書を作成していたのですから、このような書き方にはならないはずです。回答書の説明と実態が食い違っていますが、なぜこのような食い違いが生じたのか、説明してください。
質問3
治水事業説明会の案内をするにあたり、河川に関係する市民団体、NPOの調査をするとのことでした。そこで以下について具体的に説明してください。
・市民団体、NPOの調査方法
・調査によってピックアップされた団体名
・案内を送付した団体名
・案内を送付した団体の選定理由
・案内の送付方法と送付日
質問4
治水事業説明会の開催日は平日の日中であり、多くの市民が参加できる曜日および時間帯ではありません。また、案内の送付から参加の締め切りまでの期間も1週間だけしかありません。市民団体を対象にしていながら、市民の立場にたった設定がなされておりません。このような曜日や時間帯で多くの市民の参加を得て意見を十分に聞き事業に反映できると考えているのか、見解をお聞かせください。
2009年07月09日
然別川の河畔林伐採について再質問書を送付
然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採について、帯広開発建設部に再質問書を送付しました。
北海道開発局
帯広開発建設部長 安田 修 様
然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採について、6月24日付けで貴職から回答がありましたが、具体性に欠ける回答であるために、再度質問いたします。
お忙しいところ恐縮ですが、7月20日までに書面にて回答くださいますようお願いします。
質問1について
「国見橋下流の区間は、洪水の安全な流下に支障となることから河畔林を伐採したものです」との回答がありました。この回答からは河畔林が洪水時に速やかな流下を妨げていると解釈できます。速やかに流下させることによって、どこの地域が安全になるのか、またその効果はどの程度なのかを具体的に説明してください。
質問2について
「伐採木等の処理については、売却可能なものについては売却し、国庫に納入されています。また売却できないものについては、一般廃棄物として処理場へ搬入し、再利用または処分されています。今回の伐採木で売却できないものは既に処理場へ搬入しており、売却できるものは今年度中に売却する予定です」との回答でした。そこで、以下について再度質問します。
1.売却できないものをどこの処理場に搬入し、どのように再利用されたのか。
2.売却する予定の木材の材積。
3.伐採から売却するまでの間の保管場所。
4.売却方法。
4.過去に売却した木材の量と販売額および販売先。
質問3について
「今回の伐採は、治水上の安全性を確保するために、必要と考えています。なお、事前に環境調査を行う等、状況の把握にも努めています」との回答でしたが、的を射た回答になっていません。以下について再度質問します。
1.「治水上の安全性を確保することが必要だとのことですが、治水上の安全のために河畔林伐採がどうしても必要であるという具体的根拠を示してください。
2.貴職がどのような環境調査を行ったのか具体的に説明してください。
3.生物の生息・生育環境を大規模に破壊し、生物多様性を損なったことについての貴職の見解を明らかにしてください。
質問4について
「これまで、治水事業説明会を年1回、管内のNPO・環境団体等を対象に行なっているところです。今回ご指摘の然別川伐採についても、その中でご説明しています。今年度は、十勝川水系で活動をしているNPO・環境団体等を改めて調査し、説明会のご案内をしたいと考えています。なお、昨年度の事業説明会に参加した団体等の名称については、個人情報等につながりますので、当部からの回答は控えさせていただきます」との回答でした。
1.管内のNPO・環境団体等を対象に治水事業説明会を行なっているとのことですが、当会に案内をしなかった理由を説明してください。
2.事業説明会に参加した団体の名称が個人情報等になるとの認識のようですが、その法的根拠を説明してください。
********************
2009年7月8日
北海道開発局
帯広開発建設部長 安田 修 様
十勝自然保護協会
会長 安藤御史
会長 安藤御史
然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採についての再質問書
然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採について、6月24日付けで貴職から回答がありましたが、具体性に欠ける回答であるために、再度質問いたします。
お忙しいところ恐縮ですが、7月20日までに書面にて回答くださいますようお願いします。
記
質問1について
「国見橋下流の区間は、洪水の安全な流下に支障となることから河畔林を伐採したものです」との回答がありました。この回答からは河畔林が洪水時に速やかな流下を妨げていると解釈できます。速やかに流下させることによって、どこの地域が安全になるのか、またその効果はどの程度なのかを具体的に説明してください。
質問2について
「伐採木等の処理については、売却可能なものについては売却し、国庫に納入されています。また売却できないものについては、一般廃棄物として処理場へ搬入し、再利用または処分されています。今回の伐採木で売却できないものは既に処理場へ搬入しており、売却できるものは今年度中に売却する予定です」との回答でした。そこで、以下について再度質問します。
1.売却できないものをどこの処理場に搬入し、どのように再利用されたのか。
2.売却する予定の木材の材積。
3.伐採から売却するまでの間の保管場所。
4.売却方法。
4.過去に売却した木材の量と販売額および販売先。
質問3について
「今回の伐採は、治水上の安全性を確保するために、必要と考えています。なお、事前に環境調査を行う等、状況の把握にも努めています」との回答でしたが、的を射た回答になっていません。以下について再度質問します。
1.「治水上の安全性を確保することが必要だとのことですが、治水上の安全のために河畔林伐採がどうしても必要であるという具体的根拠を示してください。
2.貴職がどのような環境調査を行ったのか具体的に説明してください。
3.生物の生息・生育環境を大規模に破壊し、生物多様性を損なったことについての貴職の見解を明らかにしてください。
質問4について
「これまで、治水事業説明会を年1回、管内のNPO・環境団体等を対象に行なっているところです。今回ご指摘の然別川伐採についても、その中でご説明しています。今年度は、十勝川水系で活動をしているNPO・環境団体等を改めて調査し、説明会のご案内をしたいと考えています。なお、昨年度の事業説明会に参加した団体等の名称については、個人情報等につながりますので、当部からの回答は控えさせていただきます」との回答でした。
1.管内のNPO・環境団体等を対象に治水事業説明会を行なっているとのことですが、当会に案内をしなかった理由を説明してください。
2.事業説明会に参加した団体の名称が個人情報等になるとの認識のようですが、その法的根拠を説明してください。
2009年07月09日
十勝川水路工事で再質問書を送付
十勝川の相生中島地区の水路掘削問題で、帯広開発建設部に再質問書を送付しました。
北海道開発局
帯広開発建設部長 安田 修 様
当会の2009年6月7日付質問に対し、速やかに回答いただきましたことをまずお礼申し上げます。
貴職の回答を検討しましたところ、当会の質問の趣旨が十分理解されていなかったか、貴職の勘違いと思われるところもありますので、下記のとおり再度質問させていただきます。ご多用のところとは存じますが、7月20日まで回答いただきますようお願いいたします。
なお、貴職から「今後は市民協働会議等の場を通して意見交換していただけるようお願いいたします」との要望がありましたが、市民協働会議なる会は水路掘削に同意したうえで話し合っているのであり、当会とは考え方や立場をあまりにも異にすると判断しておりますので、当会はこれまで同様独自に対応させていただきます。NGOが行政とどのような方式で話し合うかについて、行政から指図される筋合いではないことを申し添えておきます。
1.質問2について貴職より「相生中島地区では、平成14年に参加者を公募して行なったワークショップにおいて川づくり案をまとめ、平成17年からの『十勝川相生中島地区市民協働会議』を通じた地域のみなさまとの意見交換等を踏まえ工事内容を決定し、平成20年度に工事着手しました。」との回答がありました。当会の質問、すなわち「この計画がいつ立案され、いつ決定されたか明らかにしていただきたい」は、平成14年よりも前の行政内部での計画立案と意志決定過程を尋ねております。この点について詳しく回答願います。
2.質問3で、当会は「1981年の大雨でも帯広は洪水災害に見舞われなかったが、現在の流路状態の場合、どれほどの降雨量があると帯広の市街地に洪水災害が発生すると認識しているのか説明していただきたい。またそれはどれほどの確率(降雨確率)で生じるかについても明らかにしていただきたい。」と書きましたが、貴職は、「今年1月に公開で行なった意見交換会でもご説明しているように、当該区間を含む十勝川中下流では、昭和37年8月に戦後最大の洪水が発生しています。これに対して現状の河道では危険な状態が想定されることから、河道の掘削等の対策が必要と考えています。」と堤防等の洪水対策がまだ十分でなかった半世紀前の洪水災害を持ち出し、 工事理由を述べています。当会は、この質問で工事理由を尋ねたのではありません。現在の流路でどれほどの降雨量があると洪水を起こすのか、そしてそれはどれほどの確率かと尋ねたのです。この点について回答願います。
なお、貴職は、「なお昭和56年の大雨では、上流で氾濫したことなどにより、帯広市内では内水氾濫にとどまっています。」と述べています。そこで質問いたします。貴建設部が企画・監修した「十勝川 写真で見る綴る変遷」(1993年刊行)によりますと、「昭和37年8月4日、台風9号による大豪雨で帯広131.5mm、新内216.2mm、上札内189mmの雨量を記録」、また昭和56年8月の集中豪雨について「雨量は糠平で324mm、新得297mm、上札内337mmに達し」とあります。ここからは、後者、すなわち昭和56年8月の大雨のほうが十勝川流域において降雨量が多かったと推測出来ます。昭和37年8月の大雨のほうが昭和56年8月の大雨よりも十勝川流域での降水量が多かったとするのなら、その根拠を具体的に明らかにしてください。
3.質問4で、当会は「今回計画している水路による直線化によって、現状よりもどれくらい水位上昇を抑えることに役立つと予測しているのか明らかにしていただきたい。」と質問したのですが、貴職は「今回実施する河道掘削は、直線化ではなく、現在の低水路よりも右岸側の高水敷に、洪水時のみ流れる水路を掘削するものです。通常時は、現在の河道を流れることになります。相生中島地区を含む当面の十勝川の改修は、戦後最大の洪水に対して安全な川づくりをするものです。」と述べ、質問に答えていません。質問6への回答で貴職は、「洪水時の水位低下により治水安全度は向上します」と断言していますから、その根拠となる数値を明らかしてください。
4.質問5について 「平成15年の第1~4回ワークショップで、今回のように洪水時のみ流れる浅い水路を掘削する案以外に、新たに低水路を掘削する案、現在の低水路断面を拡幅する案、現在の札内川との合流点よりも上流で札内川と合流させる案等について意見交換を行なっています。」との回答がありました。今回の水路掘削工事が採択された理由と他の方策が採択されなかった理由について説明してください。
5.質問6で、当会は「今回の直線化によって上流域・下流域さらに流入する音更川・札内川・帯広川への影響について検討しているのであれば明らかにしていただきたい。」と質問しました。これに対し貴職は「当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであり、洪水時の水位低下により治水安全度は向上しますが、通常時の流れは現在と変わらないことから、上下流域や流入する支川等への影響はないと考えています。」と回答しました。
河川について一定の知識を有する行政機関に対して質問したつもりですので、質問文ではこまごました説明を省略しましたが、河川が洪水時の浸食・運搬・堆積作用によって大きく変貌するのは常識です。洪水時に掘削水路を流れることによる周囲への影響について検討しているのであれば明らかにしてください。
6.質問7で、当会は「当該地域における十勝川の大きな蛇行は、札内川との合流のために生じていると当会は認識している。今回の工事はそれを人為により強制的に変更することになるが、帯広川のような河口閉塞が発生する可能性についてどのように考えているか見解を明らかにしていただきたい。」と尋ねましたが、貴職は「当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであるため、札内川との合流点を変更するものではありません。」と回答しました。この回答は、河口閉塞が生じないと考えている、と解釈してよろしいのでしょうか。
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2009年7月8日
北海道開発局
帯広開発建設部長 安田 修 様
十勝自然保護協会
会長 安藤 御史
会長 安藤 御史
相生中島地区における十勝川水路工事についての再質問書
当会の2009年6月7日付質問に対し、速やかに回答いただきましたことをまずお礼申し上げます。
貴職の回答を検討しましたところ、当会の質問の趣旨が十分理解されていなかったか、貴職の勘違いと思われるところもありますので、下記のとおり再度質問させていただきます。ご多用のところとは存じますが、7月20日まで回答いただきますようお願いいたします。
なお、貴職から「今後は市民協働会議等の場を通して意見交換していただけるようお願いいたします」との要望がありましたが、市民協働会議なる会は水路掘削に同意したうえで話し合っているのであり、当会とは考え方や立場をあまりにも異にすると判断しておりますので、当会はこれまで同様独自に対応させていただきます。NGOが行政とどのような方式で話し合うかについて、行政から指図される筋合いではないことを申し添えておきます。
記
1.質問2について貴職より「相生中島地区では、平成14年に参加者を公募して行なったワークショップにおいて川づくり案をまとめ、平成17年からの『十勝川相生中島地区市民協働会議』を通じた地域のみなさまとの意見交換等を踏まえ工事内容を決定し、平成20年度に工事着手しました。」との回答がありました。当会の質問、すなわち「この計画がいつ立案され、いつ決定されたか明らかにしていただきたい」は、平成14年よりも前の行政内部での計画立案と意志決定過程を尋ねております。この点について詳しく回答願います。
2.質問3で、当会は「1981年の大雨でも帯広は洪水災害に見舞われなかったが、現在の流路状態の場合、どれほどの降雨量があると帯広の市街地に洪水災害が発生すると認識しているのか説明していただきたい。またそれはどれほどの確率(降雨確率)で生じるかについても明らかにしていただきたい。」と書きましたが、貴職は、「今年1月に公開で行なった意見交換会でもご説明しているように、当該区間を含む十勝川中下流では、昭和37年8月に戦後最大の洪水が発生しています。これに対して現状の河道では危険な状態が想定されることから、河道の掘削等の対策が必要と考えています。」と堤防等の洪水対策がまだ十分でなかった半世紀前の洪水災害を持ち出し、 工事理由を述べています。当会は、この質問で工事理由を尋ねたのではありません。現在の流路でどれほどの降雨量があると洪水を起こすのか、そしてそれはどれほどの確率かと尋ねたのです。この点について回答願います。
なお、貴職は、「なお昭和56年の大雨では、上流で氾濫したことなどにより、帯広市内では内水氾濫にとどまっています。」と述べています。そこで質問いたします。貴建設部が企画・監修した「十勝川 写真で見る綴る変遷」(1993年刊行)によりますと、「昭和37年8月4日、台風9号による大豪雨で帯広131.5mm、新内216.2mm、上札内189mmの雨量を記録」、また昭和56年8月の集中豪雨について「雨量は糠平で324mm、新得297mm、上札内337mmに達し」とあります。ここからは、後者、すなわち昭和56年8月の大雨のほうが十勝川流域において降雨量が多かったと推測出来ます。昭和37年8月の大雨のほうが昭和56年8月の大雨よりも十勝川流域での降水量が多かったとするのなら、その根拠を具体的に明らかにしてください。
3.質問4で、当会は「今回計画している水路による直線化によって、現状よりもどれくらい水位上昇を抑えることに役立つと予測しているのか明らかにしていただきたい。」と質問したのですが、貴職は「今回実施する河道掘削は、直線化ではなく、現在の低水路よりも右岸側の高水敷に、洪水時のみ流れる水路を掘削するものです。通常時は、現在の河道を流れることになります。相生中島地区を含む当面の十勝川の改修は、戦後最大の洪水に対して安全な川づくりをするものです。」と述べ、質問に答えていません。質問6への回答で貴職は、「洪水時の水位低下により治水安全度は向上します」と断言していますから、その根拠となる数値を明らかしてください。
4.質問5について 「平成15年の第1~4回ワークショップで、今回のように洪水時のみ流れる浅い水路を掘削する案以外に、新たに低水路を掘削する案、現在の低水路断面を拡幅する案、現在の札内川との合流点よりも上流で札内川と合流させる案等について意見交換を行なっています。」との回答がありました。今回の水路掘削工事が採択された理由と他の方策が採択されなかった理由について説明してください。
5.質問6で、当会は「今回の直線化によって上流域・下流域さらに流入する音更川・札内川・帯広川への影響について検討しているのであれば明らかにしていただきたい。」と質問しました。これに対し貴職は「当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであり、洪水時の水位低下により治水安全度は向上しますが、通常時の流れは現在と変わらないことから、上下流域や流入する支川等への影響はないと考えています。」と回答しました。
河川について一定の知識を有する行政機関に対して質問したつもりですので、質問文ではこまごました説明を省略しましたが、河川が洪水時の浸食・運搬・堆積作用によって大きく変貌するのは常識です。洪水時に掘削水路を流れることによる周囲への影響について検討しているのであれば明らかにしてください。
6.質問7で、当会は「当該地域における十勝川の大きな蛇行は、札内川との合流のために生じていると当会は認識している。今回の工事はそれを人為により強制的に変更することになるが、帯広川のような河口閉塞が発生する可能性についてどのように考えているか見解を明らかにしていただきたい。」と尋ねましたが、貴職は「当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであるため、札内川との合流点を変更するものではありません。」と回答しました。この回答は、河口閉塞が生じないと考えている、と解釈してよろしいのでしょうか。
2009年07月01日
然別川の河畔林伐採問題で帯広開建から回答
然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採に関する質問に対し、帯広開発建設部から回答がありました。相生中島地区の水路掘削についての回答と同様、具体的な理由について説明されておらずきわめて曖昧な回答です。
十勝自然保護協会
会長 安藤御史 様
平素より、帯広開発建設部事業に格段のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、2009年6月7日付け質問書の件に関して、下記のとおり回答させていただきます。
質問1について
国見橋下流の区間は、洪水の安全な流下に支障となることから河畔林を伐採したものです。
(「この河畔林伐採の目的について具体的に説明してください」と質問しましたが、なぜ河畔林が安全な流下の支障になるのかという具体的な説明がありません)
質問2について
伐採木等の処理については、売却可能なものについては売却し、国庫に納入されています。また売却できないものについては、一般廃棄物として処理場へ搬入し、再利用または処分されています。今回の伐採木で売却できないものは既に処理場へ搬入しており、売却できるものは今年度中に売却する予定です。
(「伐採地では伐採木の枝葉も残されていませんが、伐採木および枝葉などをどのように処理したのか説明してください。売却した場合は、売却先と金額も明らかにしてください」と質問しました。これについても具体的なことが何ら明らかにされていません)
質問3について
今回の伐採は、治水上の安全性を確保するために、必要と考えています。なお、事前に環境調査を行う等、状況の把握にも努めています。
(「『新・生物多様性国家戦略』の第4部『具体的施策』の(3)に、『河川の整備における基本的考え方』が示されています。これによると『現在、河川の整備、管理に関する計画を策定する際の基本的な考え方としては、必要とされる治水上の安全性を確保しつつ、生物の良好な生息・生育環境をできるだけ改変しないようにすること、改変せざるを得ない場合においても、最低限の改変にとどめるとともに、良好な河川環境の復元が可能となるよう勤めることとしています』とされています。しかし、今回の伐採はこれに反するものであり、生物の生息・生育環境を大規模に破壊し、生物多様性を損ないました。このことについて貴職の見解を明らかにしてください」と質問しましたが、質問に即した回答になっていません)
質問4について
これまで、治水事業説明会を年1回、管内のNPO・環境団体等を対象に行なっているところです。今回ご指摘の然別川伐採についても、その中でご説明しています。今年度は、十勝川水系で活動をしているNPO・環境団体等を改めて調査し、説明会のご案内をしたいと考えています。
なお、昨年度の事業説明会に参加した団体等の名称については、個人情報等につながりますので、当部からの回答は控えさせていただきます。
(「上記3.の『河川の整備における基本的考え方』では河川整備にあたり、市民、有識者、関係団体等の理解と協力を得ることが謳われています。しかし、十勝の自然保護NGOである当会に伐採にあたっての説明は一切ありませんでした。貴職は、この伐採をするにあたって一部の団体に説明したとの情報がありますが、もし環境団体に説明を行なっていたのであればその団体名を明らかにしてください。また、当会を説明対象としなかった理由を明らかにしてください」と質問しました。当会には管内のNPO・環境団体等を対象にした治水事業説明会の案内はありませんでした。当会を管内の環境団体として認識していないのでしょうか。事業説明会に参加した団体の名称が個人情報だという発言は看過できないものです。団体名のどこが個人情報だというのでしょうか。驚くべき認識です。)
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平成21年6月24日
十勝自然保護協会
会長 安藤御史 様
帯広開発建設部 治水課長
然別川の国見橋下流で行なわれた河畔林伐採についての質問書(回答)
平素より、帯広開発建設部事業に格段のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、2009年6月7日付け質問書の件に関して、下記のとおり回答させていただきます。
記
質問1について
国見橋下流の区間は、洪水の安全な流下に支障となることから河畔林を伐採したものです。
(「この河畔林伐採の目的について具体的に説明してください」と質問しましたが、なぜ河畔林が安全な流下の支障になるのかという具体的な説明がありません)
質問2について
伐採木等の処理については、売却可能なものについては売却し、国庫に納入されています。また売却できないものについては、一般廃棄物として処理場へ搬入し、再利用または処分されています。今回の伐採木で売却できないものは既に処理場へ搬入しており、売却できるものは今年度中に売却する予定です。
(「伐採地では伐採木の枝葉も残されていませんが、伐採木および枝葉などをどのように処理したのか説明してください。売却した場合は、売却先と金額も明らかにしてください」と質問しました。これについても具体的なことが何ら明らかにされていません)
質問3について
今回の伐採は、治水上の安全性を確保するために、必要と考えています。なお、事前に環境調査を行う等、状況の把握にも努めています。
(「『新・生物多様性国家戦略』の第4部『具体的施策』の(3)に、『河川の整備における基本的考え方』が示されています。これによると『現在、河川の整備、管理に関する計画を策定する際の基本的な考え方としては、必要とされる治水上の安全性を確保しつつ、生物の良好な生息・生育環境をできるだけ改変しないようにすること、改変せざるを得ない場合においても、最低限の改変にとどめるとともに、良好な河川環境の復元が可能となるよう勤めることとしています』とされています。しかし、今回の伐採はこれに反するものであり、生物の生息・生育環境を大規模に破壊し、生物多様性を損ないました。このことについて貴職の見解を明らかにしてください」と質問しましたが、質問に即した回答になっていません)
質問4について
これまで、治水事業説明会を年1回、管内のNPO・環境団体等を対象に行なっているところです。今回ご指摘の然別川伐採についても、その中でご説明しています。今年度は、十勝川水系で活動をしているNPO・環境団体等を改めて調査し、説明会のご案内をしたいと考えています。
なお、昨年度の事業説明会に参加した団体等の名称については、個人情報等につながりますので、当部からの回答は控えさせていただきます。
(「上記3.の『河川の整備における基本的考え方』では河川整備にあたり、市民、有識者、関係団体等の理解と協力を得ることが謳われています。しかし、十勝の自然保護NGOである当会に伐採にあたっての説明は一切ありませんでした。貴職は、この伐採をするにあたって一部の団体に説明したとの情報がありますが、もし環境団体に説明を行なっていたのであればその団体名を明らかにしてください。また、当会を説明対象としなかった理由を明らかにしてください」と質問しました。当会には管内のNPO・環境団体等を対象にした治水事業説明会の案内はありませんでした。当会を管内の環境団体として認識していないのでしょうか。事業説明会に参加した団体の名称が個人情報だという発言は看過できないものです。団体名のどこが個人情報だというのでしょうか。驚くべき認識です。)