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十勝自然保護協会 活動速報 › 美蔓ダム › 劣化進む帯広開発建設部

2009年12月02日

劣化進む帯広開発建設部

 当会が10月9日付で出した「美蔓地区の国営かんがい排水事業に係わるナキウサギ調査の信憑性および調査員の適性についての質問書」に対する回答をしたいとの帯広開発建設部からの申入れにより、11月30日夜、音更町で面談の場がもたれた。当日は、当会とナキウサギふぁんくらぶから12名、そして開発建設部から5名が参加した。
 
 冒頭、回答文書(下に掲載)が配布され、質問もしていない事項―「1 事業の促進について」「2 環境配慮について」を回答だといって、パワーポイントで長々と説明しはじめたのには驚いた。そして最後の最後に、付け足しのように肝心の質問事項について「なお、質問書にあります『大雪山系低標高域におけるエゾナキウサギによる小規模岩塊地の利用』と題した論文については、研究者の名前で発表されたものであり回答する立場にないことをご理解願います」と回答にならない回答を読み上げた。
 
 「業務報告書(この報告書ではP4地点で多数のナキウサギの痕跡が記録されている)」に「畜大論文(この論文ではP4地点にナキウサギの痕跡がないとしてロジスティク回帰分析をしている)」の結果が、そのまま取り込まれているのはなぜかと質問すると、わからないから今は説明できないという。何のことはない、説明不能であることを報告するために回答と称して、われわれに面談を申込んできたのだ。面談の本当の目的は、自分たちの事業のプロモーションスライドを上映し、環境NGOに工事内容を説明しましたとアリバイを作ることにあったのだ。

 まともな回答をする気もないのに回答するといって国民を欺き、時間と交通費を浪費させ、その一方で自分達は時間外勤務で手当をもらう。この組織の劣化は、もはや止めようもない程に進行している。腐った組織は、分解され姿を消すしかない。

**********


平成21年11月30日

十勝自然保護協会 会長    安藤 御史 様
ナキウサギふぁんくらぶ 代表 市川 利美 様

帯広開発建設部
 農業開発第1課長 佐藤 善文


美蔓地区の国営かんがい排水事業に係わるナキウサギ調査の
信憑性および調査員の適性についての質問書(回答)


平成21年10月9日付け質問書に関して、下記のとおり回答いたします。



1 事業の促進について
  これまでも貴協会との打合せ及び文書でもご説明したとおり、この事業は畑地かんがい用水の確保及び排水改良を行うことで、農作物の安定的な生産等を可能とし、安定した農業経営の実現を図るものです。農業を基幹産業とするこの地域においては、農業経営の安定が地域経済の発展に繋がるものであり、また、受益農家はもとより関係機関もこの事業の促進を強く要望しており、受益者の100%の同意を得て、土地改良法の手続きに基づき事業計画が確定しているものであることを、繰り返しとなりますがご理解願いたいと思います。

2 環境配慮について
  平成21年8月7日付け文書でも回答してますが、本事業の施行に際しては、環境との調和への配慮のため、環境調査を実施するとともに環境に関する有識者を委員とする国営かんがい排水事業美蔓地区技術検討会等において、有識者や地元関係者から助言等をいただき施設計画及び施工計画を策定しております。
 ナキウサギの環境調査としては、目撃法、痕跡法、定点カメラ記録、気象条件調査等を実施し生息痕跡等を確認しております。また、ナキウサギ等の生息環境への配慮につきましては、既存林道の敷地内に管を埋設する工法を基本とし、生息箇所から出来るだけ離れた位置に路線を配置したり、部分的に開削を行わずに水路の設置が可能なシールド工法を採用するなど生息環境に配慮した導水路計画を策定するとともに、施工時には遮光シートによる生息箇所への配慮などを行うこととしております。
 また、工事実施中においても環境調査を継続し、引き続き環境に関する有識者の助言等をいただくなど、今後も環境へ配慮して事業に取り組んでまいりますので、ご理解願いたいと思います。

 なお、質問書にあります「大雪山系低標高域におけるエゾナキウサギによる小規模岩塊地の利用」と題した論文については、研究者の名前で発表されたものであり回答する立場にないことをご理解願います。





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Posted by 十勝自然保護協会 at 21:59│Comments(0)美蔓ダム
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