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2010年09月06日
ペンケニコロの導水管工事を視察
9月5日にペンケニコロ川の導水管の工事現場の視察が行われた。日本森林生態系保護ネットワーク、ナキウサギふぁんくらぶ、十勝自然保護協会の三者が8月28日に視察を要請していたが、大雨で林道の一部が崩壊したために5日に延期となっていた。この日は北海道開発局帯広開発建設部の永野課長ほか6名、自然保護団体から7名が参加した。

ナキウサギ生息地の破壊
自然保護団体の最大の懸念事項はナキウサギへの工事の影響であるが、9月中旬にもナキウサギ生息地の真下を通るトンネル工事(ミニシールド工法)に着手するというのだ。前回現場に入った時には何もなかった発進縦坑の現場には、ミニシールド工法のための巨大な構造物が建設されていた。ここに縦抗を掘り、そこを起点に全長680メートルのトンネルを掘削するというのだが、この一帯はナキウサギの生息地である。

開建が自然保護団体への説明に用いた図には、トンネルの位置とナキウサギ生息痕跡確認箇所が示されているのだが、黄色で示されたナキウサギ生息痕跡確認箇所は正確なものではないのだ。そこで、正確な図を出すように要求したのだが、「すぐに出すことはできない」「開示請求の手続きをとってほしい」などと、言い訳に終始した。ナキウサギ生息地の改変を避けるためにトンネル工法を採用したのだから、ナキウサギの生息痕跡確認箇所を記した地図などはすぐに示せなければおかしいではないか。どこに保管してあるかわからない、などという言い訳は常識的に通用しない。
なお、15分ほどここの岩塊地に入ってナキウサギの痕跡調査をしたところ、ナキウサギが噛み切った植物が確認された。ここはナキウサギが定住しているといえる場所であり、今も生息している証拠だ。こういう場所で地下にトンネルを掘るというのだが、騒音振動についてのデータはわからないという。

また今回の視察では、導水管の工事を行う前に、工事のための付帯工事(橋の強化)でナキウサギ生息地の一部が破壊されていることが発覚した。破壊されたのは、第二恵山橋の上流右岸である。ここで生息痕跡が確認されていたことは開発建設部の報告書にも書かれている。しかし、開建はここで我々に説明をした際、生息地を破壊したことはおくびにも出さず、「生息地に対し林道の反対側に導水管を通すことで配慮する」と説明したのである。トンネル工法だ、日よけ柵だとナキウサギへの配慮を謳っていながら、生息地そのものを破壊してなにくわぬ顔をしていたのである。我々が気づかないとでも思っていたのか。

林道脇にナキウサギ生息地があるにも関わらず、林道の直下に導水管を埋設するところが2カ所ある。P3とP4である。ここは地形的にナキウサギ生息地を回避できないところである。目と鼻の先の重機による工事がナキウサギに影響を与えないなどということはあり得ない。目の前で重機が動いているところで、ナキウサギがおびえないとでも思っているのだろうか。
導水管工事は低標高地のナキウサギ生息地を破壊し、工事による騒音や振動などが悪影響を与えることは間違いないのである。
自然破壊の取水施設
トンネル掘削工事の上流部にある取水場所は、広々と伐開されていて、伐採前の面影などまったくない状態になっていた。取水には魚類の移動に配慮するとの理由で、集水埋渠方式を採用するという。メッシュ状のパイプを12本河床の2メートル下に埋設し、浸透してきた水をその管で取水する方式だ。しかし、メッシュに泥が詰まったら十分機能しないだろう。十分な検討の元にこの取水方式を決めたのか、はなはだ疑問だ。また、流量がそれほど多いとは思えないこの川で、大量の水(400リットル/秒)を取水したら、河川の生態系にも影響があるだろう。


隠ぺい体質の開発建設部
開発建設部は、調査報告書の開示請求をしても、絶滅危惧種などについては黒塗りにしている。今回の視察でも、こちらから問いただしても一切種名は明らかにしなかった。しかし、この地域がナキウサギ、シマフクロウ、クマタカをはじめとした多数の絶滅危惧種や希少種の生息地であることは周知の事実だ。税金による工事であるにも関わらず、保護しなければならない生物の情報を黒塗りにし、開発行為を行う側だけが握ってしまうことはあってはならない。たとえば周年生息しているクマタカなどは、人が出入りするだけでも警戒心を強めるのである。たとえ繁殖期を避けても、このような工事は大きなストレスを与える。さまざまな生物への悪影響を考えるなら、このようなところに取水施設を造ったり、大規模な工事をすることは見直されなければならないはずだ。

(電柱の上にはシマフクロウ用の止まり木と思われるT字型の棒が取り付けてあった)
質問書に速やかに回答できない開建
今回の視察では、8月 日に送付した質問書への早期の回答も求めたが、9月下旬になるとの返事であった。自然保護団体の質問をできるだけ先延ばしにし、その間に工事を進めてしまいたいという思惑がありありと感じられた。回答に時間がかかる質問事項はあとでもいいので、すぐに回答できるものは来週中に回答してほしいと求めたのだが、それはできないと頑なに拒否された。この姿勢からも、開発建設部の「環境に配慮」がいかにまやかしであるかがわかるというものである。

ナキウサギ生息地の破壊
自然保護団体の最大の懸念事項はナキウサギへの工事の影響であるが、9月中旬にもナキウサギ生息地の真下を通るトンネル工事(ミニシールド工法)に着手するというのだ。前回現場に入った時には何もなかった発進縦坑の現場には、ミニシールド工法のための巨大な構造物が建設されていた。ここに縦抗を掘り、そこを起点に全長680メートルのトンネルを掘削するというのだが、この一帯はナキウサギの生息地である。

開建が自然保護団体への説明に用いた図には、トンネルの位置とナキウサギ生息痕跡確認箇所が示されているのだが、黄色で示されたナキウサギ生息痕跡確認箇所は正確なものではないのだ。そこで、正確な図を出すように要求したのだが、「すぐに出すことはできない」「開示請求の手続きをとってほしい」などと、言い訳に終始した。ナキウサギ生息地の改変を避けるためにトンネル工法を採用したのだから、ナキウサギの生息痕跡確認箇所を記した地図などはすぐに示せなければおかしいではないか。どこに保管してあるかわからない、などという言い訳は常識的に通用しない。
なお、15分ほどここの岩塊地に入ってナキウサギの痕跡調査をしたところ、ナキウサギが噛み切った植物が確認された。ここはナキウサギが定住しているといえる場所であり、今も生息している証拠だ。こういう場所で地下にトンネルを掘るというのだが、騒音振動についてのデータはわからないという。

また今回の視察では、導水管の工事を行う前に、工事のための付帯工事(橋の強化)でナキウサギ生息地の一部が破壊されていることが発覚した。破壊されたのは、第二恵山橋の上流右岸である。ここで生息痕跡が確認されていたことは開発建設部の報告書にも書かれている。しかし、開建はここで我々に説明をした際、生息地を破壊したことはおくびにも出さず、「生息地に対し林道の反対側に導水管を通すことで配慮する」と説明したのである。トンネル工法だ、日よけ柵だとナキウサギへの配慮を謳っていながら、生息地そのものを破壊してなにくわぬ顔をしていたのである。我々が気づかないとでも思っていたのか。

林道脇にナキウサギ生息地があるにも関わらず、林道の直下に導水管を埋設するところが2カ所ある。P3とP4である。ここは地形的にナキウサギ生息地を回避できないところである。目と鼻の先の重機による工事がナキウサギに影響を与えないなどということはあり得ない。目の前で重機が動いているところで、ナキウサギがおびえないとでも思っているのだろうか。
導水管工事は低標高地のナキウサギ生息地を破壊し、工事による騒音や振動などが悪影響を与えることは間違いないのである。
自然破壊の取水施設
トンネル掘削工事の上流部にある取水場所は、広々と伐開されていて、伐採前の面影などまったくない状態になっていた。取水には魚類の移動に配慮するとの理由で、集水埋渠方式を採用するという。メッシュ状のパイプを12本河床の2メートル下に埋設し、浸透してきた水をその管で取水する方式だ。しかし、メッシュに泥が詰まったら十分機能しないだろう。十分な検討の元にこの取水方式を決めたのか、はなはだ疑問だ。また、流量がそれほど多いとは思えないこの川で、大量の水(400リットル/秒)を取水したら、河川の生態系にも影響があるだろう。


隠ぺい体質の開発建設部
開発建設部は、調査報告書の開示請求をしても、絶滅危惧種などについては黒塗りにしている。今回の視察でも、こちらから問いただしても一切種名は明らかにしなかった。しかし、この地域がナキウサギ、シマフクロウ、クマタカをはじめとした多数の絶滅危惧種や希少種の生息地であることは周知の事実だ。税金による工事であるにも関わらず、保護しなければならない生物の情報を黒塗りにし、開発行為を行う側だけが握ってしまうことはあってはならない。たとえば周年生息しているクマタカなどは、人が出入りするだけでも警戒心を強めるのである。たとえ繁殖期を避けても、このような工事は大きなストレスを与える。さまざまな生物への悪影響を考えるなら、このようなところに取水施設を造ったり、大規模な工事をすることは見直されなければならないはずだ。

(電柱の上にはシマフクロウ用の止まり木と思われるT字型の棒が取り付けてあった)
質問書に速やかに回答できない開建
今回の視察では、8月 日に送付した質問書への早期の回答も求めたが、9月下旬になるとの返事であった。自然保護団体の質問をできるだけ先延ばしにし、その間に工事を進めてしまいたいという思惑がありありと感じられた。回答に時間がかかる質問事項はあとでもいいので、すぐに回答できるものは来週中に回答してほしいと求めたのだが、それはできないと頑なに拒否された。この姿勢からも、開発建設部の「環境に配慮」がいかにまやかしであるかがわかるというものである。
美蔓地区のかんがい事業で再質問書を送付
帯広開発建設部の回答漏れに対する申入れ
業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任
劣化進む帯広開発建設部
美蔓地区のナキウサギ調査で質問書を送付
美蔓地区のかんがい事業で農水相に要望書を送付
帯広開発建設部の回答漏れに対する申入れ
業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任
劣化進む帯広開発建設部
美蔓地区のナキウサギ調査で質問書を送付
美蔓地区のかんがい事業で農水相に要望書を送付
Posted by 十勝自然保護協会 at 17:20│Comments(0)
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