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2009年10月10日
美蔓地区のナキウサギ調査で質問書を送付
美蔓地区のかんがい事業に係わるナキウサギ調査について、当会とナキウサギふぁんくらぶは北海道開発局に以下の質問書を送付しました。
北海道開発局長 様
帯広開発建設部長 様
美蔓ダム建設(後に頭首工に変更)に係わる環境調査の一環として、工事予定地において2000年からアセスメント会社(林業土木コンサルタンツ北海道支所および株式会社森林環境リアライズ)によってナキウサギの調査が行われ、その結果が報告書にまとめられている。
当該地域のナキウサギについて、「大雪山系低標高域におけるエゾナキウサギによる小規模岩塊地の利用」と題した論文が今年(2009年)「森林野生動物研究会誌」34号に掲載された。この論文の著者は帯広畜産大学野生動物管理学研究室の佐藤周平・柳川久、株式会社森林環境リアライズの石山浩一・谷津繁芳の各氏である。以下この論文を「畜大論文」という。
私たちが開示請求で手に入れた「平成19年度美蔓地区導水路国有林使用検討業務報告書」(以下「導水路報告書」という)によると「本調査実施にあたっては、国立大学法人帯広畜産大学環境総合科学講座野生動物管理学研究室との共同調査として、調査データの統合を行い統計解析して岩塊地規模等の利用形態および季節変化などについて評価した」(111頁)とされている。
畜大論文の著者に名を連ねる石山浩一および谷津繁芳の両氏は、平成19年度美蔓地区導水路国有林使用検討業務に携わっている人物である、と私たちは認識している。なぜなら石山浩一氏は、十勝自然保護協会と帯広開発建設部の話し合いの場にも出席し、私たちに環境調査について説明をしているからである。
導水管報告書によれば、帯広畜産大学環境総合科学講座野生動物管理学研究室と「調査データの統合を行い統計解析し」たことになっており、導水路報告書のデータと畜大論文のデータは一致していなければならない。しかし、導水路報告書と畜大論文のデータには重大な齟齬がある。
すなわち、導水路報告書では、P4地点において2007年5月15日に新しいオシダの茎と葉がそれぞれ30本、24枚確認されている(63頁)にもかかわらず、畜大論文ではP4地点において痕跡がまったく確認されていないことになっている。
ここで私たちは、導水路報告書と畜大論文の両方に係わっている株式会社森林環境リアラズの石山浩一・谷津繁芳の両氏の責任を問題にしなければならない。自らが発見したP4地点でのナキウサギの痕跡を隠蔽し、論文に著者として名を連ねる行為は、客観的データの収集を旨とすべき自然環境調査員としての資格が問われる事態である。当然のことながら、私たちは、このようなアセス会社の職員よって作成されてきたこれまで報告書のデータに隠蔽や捏造が存在することを疑わなければならない。
今回、問題となったP4地点では、当初アセスメント会社は痕跡を認めていなかった。しかし私たちは2005年からここで痕跡(引き込み植物)を確認していた。このことは、アセスメント会社による意図的な見落とし、あるいは調査データの隠蔽を示唆する。
このような事態を踏まえ、私たちは、この工事を凍結し、当該地域におけるナキウサギの抜本的再調査を貴職に求めるとともに、導水管報告書と畜大論文の齟齬およびアセスメント会社職員の責任について、貴職の見解を求めるものである。10月23日までに書面にて回答いただきたい。
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2009年10月9日
北海道開発局長 様
帯広開発建設部長 様
十勝自然保護協会会長 安藤御史
ナキウサギふぁんくらぶ代表 市川利美
ナキウサギふぁんくらぶ代表 市川利美
美蔓地区の国営かんがい排水事業に係わるナキウサギ調査の
信憑性および調査員の適性についての質問書
信憑性および調査員の適性についての質問書
美蔓ダム建設(後に頭首工に変更)に係わる環境調査の一環として、工事予定地において2000年からアセスメント会社(林業土木コンサルタンツ北海道支所および株式会社森林環境リアライズ)によってナキウサギの調査が行われ、その結果が報告書にまとめられている。
当該地域のナキウサギについて、「大雪山系低標高域におけるエゾナキウサギによる小規模岩塊地の利用」と題した論文が今年(2009年)「森林野生動物研究会誌」34号に掲載された。この論文の著者は帯広畜産大学野生動物管理学研究室の佐藤周平・柳川久、株式会社森林環境リアライズの石山浩一・谷津繁芳の各氏である。以下この論文を「畜大論文」という。
私たちが開示請求で手に入れた「平成19年度美蔓地区導水路国有林使用検討業務報告書」(以下「導水路報告書」という)によると「本調査実施にあたっては、国立大学法人帯広畜産大学環境総合科学講座野生動物管理学研究室との共同調査として、調査データの統合を行い統計解析して岩塊地規模等の利用形態および季節変化などについて評価した」(111頁)とされている。
畜大論文の著者に名を連ねる石山浩一および谷津繁芳の両氏は、平成19年度美蔓地区導水路国有林使用検討業務に携わっている人物である、と私たちは認識している。なぜなら石山浩一氏は、十勝自然保護協会と帯広開発建設部の話し合いの場にも出席し、私たちに環境調査について説明をしているからである。
導水管報告書によれば、帯広畜産大学環境総合科学講座野生動物管理学研究室と「調査データの統合を行い統計解析し」たことになっており、導水路報告書のデータと畜大論文のデータは一致していなければならない。しかし、導水路報告書と畜大論文のデータには重大な齟齬がある。
すなわち、導水路報告書では、P4地点において2007年5月15日に新しいオシダの茎と葉がそれぞれ30本、24枚確認されている(63頁)にもかかわらず、畜大論文ではP4地点において痕跡がまったく確認されていないことになっている。
ここで私たちは、導水路報告書と畜大論文の両方に係わっている株式会社森林環境リアラズの石山浩一・谷津繁芳の両氏の責任を問題にしなければならない。自らが発見したP4地点でのナキウサギの痕跡を隠蔽し、論文に著者として名を連ねる行為は、客観的データの収集を旨とすべき自然環境調査員としての資格が問われる事態である。当然のことながら、私たちは、このようなアセス会社の職員よって作成されてきたこれまで報告書のデータに隠蔽や捏造が存在することを疑わなければならない。
今回、問題となったP4地点では、当初アセスメント会社は痕跡を認めていなかった。しかし私たちは2005年からここで痕跡(引き込み植物)を確認していた。このことは、アセスメント会社による意図的な見落とし、あるいは調査データの隠蔽を示唆する。
このような事態を踏まえ、私たちは、この工事を凍結し、当該地域におけるナキウサギの抜本的再調査を貴職に求めるとともに、導水管報告書と畜大論文の齟齬およびアセスメント会社職員の責任について、貴職の見解を求めるものである。10月23日までに書面にて回答いただきたい。
ペンケニコロの導水管工事を視察
美蔓地区のかんがい事業で再質問書を送付
帯広開発建設部の回答漏れに対する申入れ
業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任
劣化進む帯広開発建設部
美蔓地区のかんがい事業で農水相に要望書を送付
美蔓地区のかんがい事業で再質問書を送付
帯広開発建設部の回答漏れに対する申入れ
業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任
劣化進む帯広開発建設部
美蔓地区のかんがい事業で農水相に要望書を送付
Posted by 十勝自然保護協会 at 11:24│Comments(0)
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