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2011年07月28日

佐幌岳スキー場造成で知事に要望書を提出

 北海道は、7月12日に佐幌岳北斜面でのスキー場造成について、特定開発行為審査会を開催しました。審査結果は許可を認めるというものでした。これを受けて、当会が加盟する北海道自然保護連合とサホロリゾート開発問題協議会、ナキウサギふぁんくらぶは、7月19日に北海道の担当部局である環境推進課を訪れ、このスキー場造成の事前相談から申請受理にいたる事務手続きの進め方と特定開発行為審査会の審議内容を聞きました。その結果、つぎの事実が明らかになりました。
 1.環境推進課の職員は申請者である加森観光株式会社が昨年4月と5月に新得町で開催した説明会を報じた新聞において、自然保護団体が意見を述べていたことは知っていた。
 2.環境推進課は、加森観光に対し自然保護上の問題がないか、聞取りしていなかった。
 3.事務局である環境推進課は、北海道特定開発行為審査会に対して、動植物への影響などについての審議資料を提出していなかった。
 4.加森観光は、自然保護団体からの再調査の申入れやスキー場増設計画の中止を求める要望書を受取っていることについて、事前相談、事前審査の際に北海道に説明しなかった。
 これは、北海道の特定開発行為を許可するうえでの指針「特定の開発行為許可制度のあらまし」「北海道自然環境等保全条例に基づく特定開発行為申請の手引き」に背くものです。
 そこで、私たちは高橋はるみ北海道知事にたいし、自然保護上重要である、貴重動植物および樹林について再度審査をすることと加森観光に説明責任を果たすよう指導することを求める以下の要望書を7月26日付けで送付しました。
 なお、北海道特定開発行為審査会の委員は、以下の人たちです。
 三浦清一さん(会長:北大工学部防災地盤工学講座) 五十嵐敏文さん(北大工学部地圏循環工学講座) 高野伸栄さん(北大工学部北方圏環境政策工学部門建設管理工学研究室) 中村太士さん(北大農学部森林生態系管理学研究室) 吉田惠介さん(札幌市立大デザイン学部) 山本裕子さん(北海学園大工学部社会環境工学科) 奈良顕子さん(設計業)

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サホロリゾート北斜面スキー場造成に係る要望書

 わが国は、1993年に生物多様性条約の締約国となり、同条約の第6条にもとづき河川法、海岸法、森林法、自然公園法などすべての国内法が同条約の目的(第1条)である生物の多様性の保全のため改正されたことはご承知のことと思います。また、昨年10月にはわが国で第10回締約国会議、COP10が開催され、「愛知目標」が採択されました。愛知目標の目標5では、「2020年までに、森林を含む自然生息地の損失の速度が少なくとも半減、また可能な場合には零に近づき、また、それらの生息地の劣化と分断が顕著に減少する」と明記されていることもご存知と思います。
 北海道は、自然環境の保全、すなわち生物多様性の保全のため、無秩序な自然環境の開発などを防止することを目的に1973(昭和48)年に北海道自然環境等保全条例を制定しました。この制度を周知するために、特定開発行為の担当課である環境推進課は、平成22年4月に「北海道自然環境等保全条例に基づく特定開発行為申請の手引き」(以下、「申請の手引き」という)を作成し、北海道のホームページに「特定の開発行為許可制度のあらまし」(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ksk/tokuteikaihatu.htm 2011年7月18日アクセス:以下「許可制度のあらまし」という)を掲載しています。
 申請の手引きでは、その前文で「環境への配慮事項について(お願い)」と題して、「事業者の皆様におかれましても、特定開発行為の申請に当っては、下記事項などの環境に配慮した事業計画を検討されるようお願いいたします」とし、「1.事業予定地及びその周辺の概況を十分に把握するとともに、特に貴重な動植物が分布する地域においては必要に応じて詳細な調査の実施とその保全対策を検討すること。2.既存樹林(樹木)に考慮した計画を検討し、自然性の高い樹林(樹木)や谷筋あるいは風衝地の樹林(樹木)については、できる限り現状保存等を検討すること」などをあげています。
 また、許可制度のあらましでは、「Ⅱ許可を受けるために」において、申請者に対しあらかじめ事前相談をするよう要請し、「許可基準」として「(1)特定の開発行為をする土地の区域に所在する森林が、環境の保全上又は水源のかん養上必要な限度において、適正に保存されるように措置されていること。 ・例えば、貴重な動植物の生息・生育環境、大切な自然景観、人の生活に重要な憩いの場を悪化させるおそれがある開発行為や、水を貯える働きを失い、渇水を起こすおそれがある開発行為などは許可基準に合致しません」と明記しています。また「環境への配慮」として、「北海道では、よりよい環境を未来に引き継ぐ環境重視型社会を形成していくため、行政や事業者、そして住民一人ひとりが、環境保全に向けて自ら考え、共に行動することが最も大切なことと考えています。」と宣言しています。

 さる7月12日に北海道特定開発行為審査会が開催され「サホロリゾート北斜面スキー場造成に係る審査」が行われました。審査結果は、許可を認めるというものでした。これを受けて、私たちは、7月19日に事務担当部局である環境推進課を訪問し、サホロリゾート北斜面スキー場造成に係る事前相談から申請受理にいたる事務手続きの進め方と特定開発行為審査会の審議内容を聞きました。その結果、以下のことが明らかになりました。
 1.環境推進課の職員は申請者である加森観光株式会社(以下、加森観光)が昨年4月5月に新得町で開催した説明会を報じた新聞において、自然保護団体が意見を述べていたことは知っていた。
 2.環境推進課は、加森観光に対し自然保護上の問題がないか、聞取りしていなかった。
 3.事務局である環境推進課は、北海道特定開発行為審査会に対して、動植物への影響などについての審議資料を提出していなかった。
 4.加森観光は、自然保護団体からの再調査の申入れやスキー場増設計画の中止を求める要望書を受取っていることについて、事前相談、事前審査の際に北海道に説明しなかった。

 このように環境推進課は、自然保護上の問題が環境NGOから指摘されていることを知りながら、申請者に聞き取りもせず、審査会にも自然保護上の問題を諮りませんでした。したがって今回の事務手続きは、申請の手引きの前文に書かれた環境への配慮事項1および2、そして許可制度のあらましに明記された「貴重な動植物の生息・生育環境、大切な自然景観、人の生活に重要な憩いの場を悪化させるおそれがある開発行為(中略)は許可基準に合致しません」との北海道の指針を無視するものであり、このような事務手続きは、環境重視型社会の形成を妨げるものです。
 一方、申請者である加森観光は、自然保護NGOの申入れや要望(別添)に一切耳を傾けることなく、北海道に特定開発行為の申請をしました。このような行為は、許可制度のあらましに掲げている「環境への配慮」すなわち「北海道では、よりよい環境を未来に引き継ぐ環境重視型社会を形成していくため、行政や事業者、そして住民一人ひとりが、環境保全に向けて自ら考え、共に行動することが最も大切なことと考えています。(中略)事業者の皆様におかれても、開発計画にあたっては、現地の状況を踏まえて環境に配慮した事業計画をご検討されるようお願いいたします」に背くものです。
 以上のことから、私たちは、次の2点を強く要望いたします。
 1.北海道は、生物多様性条約、愛知目標を踏まえ、申請の手引きにおける環境への配慮事項1および2に明記された貴重動植物および樹林に関する資料を、特定開発行為審査会に提出し再度審査すること。
 2.北海道は、生物多様性条約、愛知目標、申請の手引き、許可制度のあらましを踏まえ、加森観光に対し自然保護団体への説明責任を果たすよう指導すること。
 貴職におかれては、今日の国内外の環境重視の潮流を理解され、真摯に検討されますようお願いいたします。

付言
 7月19日に行われた、わたしたちと環境推進課との話合いの席上、環境計画担当課長からホームページに掲載した「特定の開発行為許可制度のあらまし」の記述について、北海道自然環境等保全条例の規定と反する内容であれば削除したい、との発言がありました。
 冒頭で述べたように、国内外の自然環境保護の潮流は生物多様性条約によって大きく変わりました。北海道がホームページに掲載した「特定の開発行為許可制度のあらまし」は、このような潮流を踏まえ、策定したものと私たちは理解します。したがって、これを削除するとは生物多様性条約を無視することであり、生物多様性条約締約国の行政機関としてやってはならないことである、ということを警告しておきます。
以上



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Posted by 十勝自然保護協会 at 18:01│Comments(0)サホロスキー場問題
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