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十勝自然保護協会 活動速報 › 森林伐採 › えりもの森青空裁判傍聴記その1 

2008年11月01日

えりもの森青空裁判傍聴記その1 

森をつくれない「森づくりセンター」

 えりも町の道有林の伐採の違法性をめぐって裁判が行われていますが、今回は、裁判所が現場へ出向いて被告の道有林側と原告、双方の見解を聞く青空裁判が行なわれました。

 現地での道有林課の浜田氏の説明によると、活力の衰えた老齢なトドマツを主体とする森林を、水源涵養機能の高い活力のある森林にするため受光伐と称して全面的に伐採し、トドマツの苗木を植えたといいます。

えりもの森青空裁判傍聴記その1 


 植栽されたトドマツの様子が遠目にも尋常ではありません。よくみると樹形が盆栽状になっているのです。それも植栽木の一部というわけではありません。すでに枯れてしまった徒長苗のトドマツを除き、ほとんどの植栽トドマツが盆栽状なのです。

 皆伐により林床の草本が繁茂してシカを誘引し、シカがトドマツの苗木を採食したため、このような盆栽状となった、と原告が裁判長に説明しました。すると道有林課の浜田氏はとっさにそれは間違いですと言い放ち、この苗木はシカの採食ではなく、遅霜によるものです、とおっしゃった。周囲からは、食害と霜害の区別もつかないのか、と失笑がもれました。

 さて、この盆栽状のトドマツ、何年したら浜田氏のいうところの「水源涵養機能の高い活力のある森林」になるのでしょうか。

 シカの個体数密度が現在のレベルで推移したなら、この植栽地はトドマツ「盆栽林」になることはあっても、「水源涵養機能の高い活力のある森林」になることはないでしょう。

 今日、北海道で森づくりにかかわる人間にとって、シカの食害対策を考えて森づくりに取り組むことは常識です。シカのことを考えずに皆伐し植栽した北海道森づくりセンターの知恵足らずぶりには驚くほかありません。森をつくれない「森づくりセンター」に存在意義はあるのでしょうか。(X記)


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Posted by 十勝自然保護協会 at 09:43│Comments(0)森林伐採
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