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十勝自然保護協会 活動速報 › 河川・ダム › 魚が上れない魚道

2008年11月28日

魚が上れない魚道

然別川砂防ダムの改修問題の現場に行った帰り道、私たちは「シイシカリベツ川2号砂防ダム」に寄り道しました。

この砂防ダムには、魚道が設置されていました。

魚道(ぎょどう)とは、サケやマスなど川と海を行き来する性質を持つ漁業資源になる魚を、河川に作られる人工物(ダムなど)によって溯上(そじょう)が妨げられないようにするという目的で作られたのが始まりだそうです。
現在では、多自然型魚道と呼ばれる自然生態系に配慮したタイプのものや、水田と用水路をつなぐ水田魚道と呼ばれるようなものがあるそうで、魚道の大きさ・形・種類は様々存在しているようです。

シイシカリベツ川2号砂防ダムには、アイスハーバー型階段式魚道の様な形のものが設置されていました。
※詳しい形については、アイスハーバー型階段式魚道と検索してもらえたら、調べることができます。

この魚道、その作りから魚が泳ぎ着かれたら休憩できる場所があったり、もちろんダムを超えることができる設計になっているそうです。

しかし、一方でドジョウやカジカなど川の底で生活する魚にとってはこの魚道はあまり効果がないそうです。また、隙間に色々なものがつまりやすいという短所もあるそうです。

私は、魚道と聞くと川に棲むすべての生き物が使えるいいものだと思っていましたが・・・
実際にまじまじと魚道を見て、私の想像していたものと実際の魚道とはだいぶ違うものだということがわかりました。

下の写真を見てください。
魚が上れない魚道


写真の右側に滝のように川に流れ込む水の道が見えます。写真ではわかりにくいですが、出口は2つあり、1つはダムの壁のすぐ前に落ちる高い魚道の出口。もう1つは、私たちから見ると手前にある、ちょうど高い出口と川の水面の間ぐらいの高さから落ちる魚道の出口。

どちらの魚道の出入り口からも、かなりの勢いで水が出ています。それは、魚道が詰まっていないということで、いいことなのかもしれません。


しかしicon05
問題は、魚道の出口の高さです。出口ではなく入り口としても使われる、この部分ですが、奥の出口は、魚にとってはすごく高すぎるんです。それなら手前の出口は・・・こちらは、「サケやニジマスの大きいものなら、上ることができる高さだ。」と釣り師が言っていました。
ですが、それ以外の魚はどうなるんですか?

きっと、水の流れと一緒に川を下ることはできるでしょう。
しかし、魚道があってもこれでは上ることができないface12
これでは、山の資源が減る一方ではないですか!?


                                    報告者Y



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Posted by 十勝自然保護協会 at 19:12│Comments(0)河川・ダム
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