十勝自然保護協会 活動速報 › 美蔓ダム › 美蔓地区のかんがい事業の凍結を申入れ
2009年07月11日
美蔓地区のかんがい事業の凍結を申入れ
北海道開発局は1993年に、美蔓台地へのかんがいを目的として、然別川水系の第6上幌内川に貯水量630万立方メートルのダムを計画しました。その後、水需要の減少などに伴いダムの規模を縮小(貯水量340万立方メートル)し、建設地を十勝川水系のペンケニコロ川に変更しました。しかしさらに水需要が減少し、現在は上幌内地区にため池(貯水量30万立方メートル)をつくりペンケニコロ川から取水する計画になっています。昨年より貯水池の工事が始まっており、今年は導水管を埋設するペンケニコロ川流域で測量調査も開始されました。開発局はナキウサギの生息調査もしており、工事によって生息地が破壊されることを知りながら自然保護団体の意見を受け止めることなく工事を強行しています。
このために、当会とナキウサギふぁんくらぶは開発局に以下の申入れをしました。
北海道開発局長 様
帯広開発建設部長 様
十勝自然保護協会は、美蔓地区の国営かんがい排水事業について2005年より帯広開発建設部との話し合いを行い、この事業にかかわる問題点を指摘してきた。本年3月12日には、これまでの話し合いの不誠実さに抗議するとともに計画見直しの申し入れを行った(別添)。
ナキウサギふぁんくらぶは、導水管埋設地一帯にナキウサギの生息地があることから、かねてよりこの事業について貴職に説明を求めるとともに、関係資料を開示請求し、現地調査も行ってきた。
しかし、貴職らは自然保護団体の申入れを無視し昨年から貯水池造成工事を進め、本年は導水管を埋設するペンケニコロ川流域で測量工事を行なうなど強引に事業を進めている。
これまでの貴職の調査およびわれわれの調査から、ペンケニコロ川一帯にナキウサギが生息していることが確認されている(林道入口から6.1キロメートル地点と9キロメートル地点の間に複数の生息地がある)。これらの場所では、貴職が環境調査を始めたときから本年(十勝自然保護協会が6月に確認)にいたるまでナキウサギの生息痕跡が確認されており、この地域一帯をナキウサギが頻繁に利用していることは明らかである。これらの生息地は低標高のナキウサギ生息地として貴重であり保護されなければならない。導水管の埋設工事はナキウサギの生息地を大きく破壊することになり、容認できるものではない。
貴職の「平成19年度美蔓地区道水路国有林使用検討業務報告書」においても、ナキウサギ生息地の保護の必要性が明記されているが、保全策は「日除けの設置と、代替生息地の創造が模索されている」というものである。このような対策はナキウサギの生態に基づく科学的な検討による保全策とは言えず、ナキウサギの保全が図られるという保障はなにもない。「絵に描いた餅」のような提案である。
十勝自然保護協会と帯広開発建設部との話し合いによって、取水河川の選定にあたり環境調査に基づいてペンケニコロ川を選定していなかったことが明らかになった。計画変更に伴う建設費の妥当性についても疑問が払拭されていない。受益地も減少しており、鹿追町では地下水の利用で農業用水の不足は解消したとされる。また、受益地の半数以上が牧草地への肥培かんがいとされており、必要性の面からも見直しが求められる。
したがって、ここに本計画の凍結および見直しを強く要請する。
なお、この申入れに対し、貴職の見解を7月25日までに書面にて回答していただきたい。
このために、当会とナキウサギふぁんくらぶは開発局に以下の申入れをしました。
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2009年7月9日
北海道開発局長 様
帯広開発建設部長 様
十勝自然保護協会会長 安藤御史
ナキウサギふぁんくらぶ代表 市川利美
ナキウサギふぁんくらぶ代表 市川利美
美蔓地区国営かんがい排水事業の凍結についての申し入れ
十勝自然保護協会は、美蔓地区の国営かんがい排水事業について2005年より帯広開発建設部との話し合いを行い、この事業にかかわる問題点を指摘してきた。本年3月12日には、これまでの話し合いの不誠実さに抗議するとともに計画見直しの申し入れを行った(別添)。
ナキウサギふぁんくらぶは、導水管埋設地一帯にナキウサギの生息地があることから、かねてよりこの事業について貴職に説明を求めるとともに、関係資料を開示請求し、現地調査も行ってきた。
しかし、貴職らは自然保護団体の申入れを無視し昨年から貯水池造成工事を進め、本年は導水管を埋設するペンケニコロ川流域で測量工事を行なうなど強引に事業を進めている。
これまでの貴職の調査およびわれわれの調査から、ペンケニコロ川一帯にナキウサギが生息していることが確認されている(林道入口から6.1キロメートル地点と9キロメートル地点の間に複数の生息地がある)。これらの場所では、貴職が環境調査を始めたときから本年(十勝自然保護協会が6月に確認)にいたるまでナキウサギの生息痕跡が確認されており、この地域一帯をナキウサギが頻繁に利用していることは明らかである。これらの生息地は低標高のナキウサギ生息地として貴重であり保護されなければならない。導水管の埋設工事はナキウサギの生息地を大きく破壊することになり、容認できるものではない。
貴職の「平成19年度美蔓地区道水路国有林使用検討業務報告書」においても、ナキウサギ生息地の保護の必要性が明記されているが、保全策は「日除けの設置と、代替生息地の創造が模索されている」というものである。このような対策はナキウサギの生態に基づく科学的な検討による保全策とは言えず、ナキウサギの保全が図られるという保障はなにもない。「絵に描いた餅」のような提案である。
十勝自然保護協会と帯広開発建設部との話し合いによって、取水河川の選定にあたり環境調査に基づいてペンケニコロ川を選定していなかったことが明らかになった。計画変更に伴う建設費の妥当性についても疑問が払拭されていない。受益地も減少しており、鹿追町では地下水の利用で農業用水の不足は解消したとされる。また、受益地の半数以上が牧草地への肥培かんがいとされており、必要性の面からも見直しが求められる。
したがって、ここに本計画の凍結および見直しを強く要請する。
なお、この申入れに対し、貴職の見解を7月25日までに書面にて回答していただきたい。
ペンケニコロの導水管工事を視察
美蔓地区のかんがい事業で再質問書を送付
帯広開発建設部の回答漏れに対する申入れ
業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任
劣化進む帯広開発建設部
美蔓地区のナキウサギ調査で質問書を送付
美蔓地区のかんがい事業で再質問書を送付
帯広開発建設部の回答漏れに対する申入れ
業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任
劣化進む帯広開発建設部
美蔓地区のナキウサギ調査で質問書を送付
Posted by 十勝自然保護協会 at 11:30│Comments(0)
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