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2009年03月05日
三の沢川砂防ダムの改修問題で再申入れ
然別川水系三の沢川砂防ダムの改修問題で、帯広土木現業所と同鹿追出張所に再申入れをしました。
帯広土木現業所長 佐伯繁樹 様
同 鹿追出張所長 山田芳弘 様
当会の「然別川水系三の沢川砂防ダム改修工事及び既存の魚道についての申入れ」(2008年12月10日付)に対する貴職からの回答(平成21年2月13日付帯土鹿出第725号)により、この問題をめぐる論点がきわめて明確になった。すなわち、砂防ダムのコンクリート撤去後に鉄製工作物を入れて流下を防ぐことを想定している巨礫は砂防ダムの上流400mおよび600-800mにあるものであり、同じく流木は砂防ダム上流250mにある倒木と堆砂域内に繁茂する立木であることが明らかになった。またこれらの巨礫に関しては1981年規模の大洪水がなければ流下しないとの貴職の認識も明らかになった。
まず、巨礫の流下を防ぐために鉄製工作物が必要であるとの貴職の主張について反論する。
この砂防ダム設置の契機となった1981年の大洪水は、数百年に一度の降雨確率とされている。貴職が想定する前述の巨礫の流下を昭和63年に建設されたこの砂防ダムで防ぐことは不可能である。なぜなら巨礫が流下するほどの洪水が到来する前に砂防ダムのコンクリートの寿命が尽きるからである。
次に流木を防ぐために鉄製工作物が必要であるとの貴職の主張について反論する。
河道内に倒木があることは自然河川として当然のことであり、魚類の生息環境としても重要である。もし河道内に倒木があるから砂防ダムを設置しなければならないとするなら、北海道の山間部の河川にはいたるところに砂防ダムを造らなければならなくなる。この河川に即して言うなら、もしこれらの倒木が流下したとしても下流にはシイシカリベツ川2号砂防ダムがあり、ここで留めることが出来る。幸なことにここでの流木の除去は容易である。また堆砂域の若い立木についても貴職は心配しているが、これらの立木は堤体を撤去する工事をする際に伐採し搬出するとよい。堤体が開放されたなら、流水の浸食によりこの堆砂域は多くが消失することになり、現在ほどの新たなケヤマハンノキ群落は出現しない。
以上のように、今回の貴職が提示した鉄製工作物設置の根拠は、我々の主張の妥当性を補強している。よって当会は、鉄製工作物を設置しないよう再度申入れる。
シイシカリベツ川2号砂防ダムおよび同3号砂防ダムの魚道の落差について、貴職は落差がないと主張するが、2号ダムの魚道(余水吐工の下流側)については、我々が視察した11月24日に明らかに在来種の遡上が不可能なほどの滝(落差)となっていた。したがって、貴職の落差なしとする主張は受け入れられない。よって、2号ダムの魚道が機能するよう改善することを申入れる。
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2009年3月2日
帯広土木現業所長 佐伯繁樹 様
同 鹿追出張所長 山田芳弘 様
十勝自然保護協会長 安藤御史
然別川水系三の沢川砂防ダム改修工事及び既存の魚道についての
再申入れ
再申入れ
当会の「然別川水系三の沢川砂防ダム改修工事及び既存の魚道についての申入れ」(2008年12月10日付)に対する貴職からの回答(平成21年2月13日付帯土鹿出第725号)により、この問題をめぐる論点がきわめて明確になった。すなわち、砂防ダムのコンクリート撤去後に鉄製工作物を入れて流下を防ぐことを想定している巨礫は砂防ダムの上流400mおよび600-800mにあるものであり、同じく流木は砂防ダム上流250mにある倒木と堆砂域内に繁茂する立木であることが明らかになった。またこれらの巨礫に関しては1981年規模の大洪水がなければ流下しないとの貴職の認識も明らかになった。
まず、巨礫の流下を防ぐために鉄製工作物が必要であるとの貴職の主張について反論する。
この砂防ダム設置の契機となった1981年の大洪水は、数百年に一度の降雨確率とされている。貴職が想定する前述の巨礫の流下を昭和63年に建設されたこの砂防ダムで防ぐことは不可能である。なぜなら巨礫が流下するほどの洪水が到来する前に砂防ダムのコンクリートの寿命が尽きるからである。
次に流木を防ぐために鉄製工作物が必要であるとの貴職の主張について反論する。
河道内に倒木があることは自然河川として当然のことであり、魚類の生息環境としても重要である。もし河道内に倒木があるから砂防ダムを設置しなければならないとするなら、北海道の山間部の河川にはいたるところに砂防ダムを造らなければならなくなる。この河川に即して言うなら、もしこれらの倒木が流下したとしても下流にはシイシカリベツ川2号砂防ダムがあり、ここで留めることが出来る。幸なことにここでの流木の除去は容易である。また堆砂域の若い立木についても貴職は心配しているが、これらの立木は堤体を撤去する工事をする際に伐採し搬出するとよい。堤体が開放されたなら、流水の浸食によりこの堆砂域は多くが消失することになり、現在ほどの新たなケヤマハンノキ群落は出現しない。
以上のように、今回の貴職が提示した鉄製工作物設置の根拠は、我々の主張の妥当性を補強している。よって当会は、鉄製工作物を設置しないよう再度申入れる。
シイシカリベツ川2号砂防ダムおよび同3号砂防ダムの魚道の落差について、貴職は落差がないと主張するが、2号ダムの魚道(余水吐工の下流側)については、我々が視察した11月24日に明らかに在来種の遡上が不可能なほどの滝(落差)となっていた。したがって、貴職の落差なしとする主張は受け入れられない。よって、2号ダムの魚道が機能するよう改善することを申入れる。
以上
幌加調整池通砂バイパストンネル工事についての要望と回答
居辺川砂防事業への質問に対する回答
平成27年度治水事業についての質問と意見に対する回答
平成27年度治水事業概要書についての質問と意見
「2015年8月17日付居辺川砂防事業計画についての申し入れ」の回答への質問
北電の新得発電所建設計画環境影響評価方法書に意見書
居辺川砂防事業への質問に対する回答
平成27年度治水事業についての質問と意見に対する回答
平成27年度治水事業概要書についての質問と意見
「2015年8月17日付居辺川砂防事業計画についての申し入れ」の回答への質問
北電の新得発電所建設計画環境影響評価方法書に意見書
Posted by 十勝自然保護協会 at 12:24│Comments(0)
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