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十勝自然保護協会 活動速報 › 河川・ダム › 十勝川の水路掘削工事に質問書送付

2009年06月07日

十勝川の水路掘削工事に質問書送付

 札内川との合流地点付近で巨費を投じて水路を掘る工事が始まろうとしている。マスコミ報道によると、洪水時に水を下流に一刻も早く流すためらしい。これと同様の水路がここから6kmほど下流の千代田堰堤付近にすでに完成している。
 かつてここを訪れたJICA(国際協力機構)の研修生(途上国の流域管理の専門家)は驚いたという。日本はよほど金があまっているのだろうといって。
 彼らの「驚き」が貧しい国の僻みなのか、はたまた本質をついた卓見なのか。その真偽を見極めるため、そして、この事業執行者には千歳川放水路を実現するため洪水時の流量を過大に算出したという前歴がある*ため、当会はこの水路掘削工事について、帯広開発建設部長へ以下の質問書を送りつけることとした。
(*北海道新聞2009年6月5日付夕刊「私の中の歴史 小野有五さん」参照)

********************


2009年6月7日


北海道開発局
帯広開発建設部長 安田 修 様
十勝自然保護協会
会長 安藤 御史


相生中島地区における十勝川水路工事についての質問書


 昨年12月20日付け北海道新聞(朝刊)は、相生中島地区での新水路掘削工事費が2009年度の北海道開発予算の財務省原案に盛り込まれる見通しと報じ、さる5月16日付け北海道新聞は、7月に土砂搬出の道路整備に着手することを伝えた。
 当会は、この水路工事について貴職からこれまで説明を受けていなかったが、工事着手前にこの工事の妥当性について検討することとした。ついては、以下の7点について質問するので、6月20日までに回答していただきたい。



質問1.5月8日付け北海道新聞によると、この工事の目的は「水害への備えと、人口集積地帯広の保護にある」とされているが、これで相違ないか。またそのほかの目的があれば明らかにしていただきたい。

質問2.この計画がいつ立案され、いつ決定されたか明らかにしていただきたい。

質問3.1981年の大雨でも帯広は洪水災害に見舞われなかったが、現在の流路状態の場合、どれほどの降雨量があると帯広の市街地に洪水災害が発生すると認識しているのか説明していただきたい。またそれはどれほどの確率(降雨確率)で生じるかについても明らかにしていただきたい。

質問4.今回計画している水路による直線化によって、現状よりもどれくらい水位上昇を抑えることに役立つと予測しているのか明らかにしていただきたい。

質問5.「人口集積地帯広の保護」という目的を実現するために、今回の水路掘削以外の方策について検討したのであれば、その方策について明らかにしていただきたい。

質問6.今回の直線化によって上流域・下流域さらに流入する音更川・札内川・帯広川への影響について検討しているのであれば明らかにしていただきたい。

質問7.当該地域における十勝川の大きな蛇行は、札内川との合流のために生じていると当会は認識している。今回の工事はそれを人為により強制的に変更することになるが、帯広川のような河口閉塞が発生する可能性についてどのように考えているか見解を明らかにしていただきたい。



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Posted by 十勝自然保護協会 at 12:11│Comments(0)河川・ダム
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