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2009年06月28日
十勝川水路掘削問題 帯広開建からの回答
相生中島地区の水路掘削についての質問に対し回答がありました。
期日までに回答があったのはいいのですが、回答内容はひどいものでした。肝心なことにこたえず、はぐらかしに終始しているのです。括弧内に回答の問題点を指摘しました。
このような回答でお茶を濁し、あとは「十勝川相生中島地区市民協働会議」の場で意見交換してほしいとのこと。可笑しなことをいうものです。この市民協働会議なるものは水路掘削に同意したうえで話し合っているのであり、当会とは考え方や立場があまりにも違います。このようないい加減な回答しかせずに協働会議への参加を呼びかけるとは、どういうつもりでしょうか?
NGOが行政とどのような方式で話し合うかについて、行政から指図される筋合いではありません。行政としての立場をわきまえない提案であるということを指摘しておきましょう。
十勝自然保護協会
会長 安藤御史 様
平素より、帯広開発建設部事業に格段にご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、2009年6月7日付け質問書の件に関して、下記のとおり回答させて頂きます。
なお、当部といたしましては、相生中島地区の掘削工事に関しては、平成14年から参加者を公募したワークショップを11回開催し川づくり案をまとめました。更に平成17年からは「十勝川相生中島地区市民協働会議」を通じて意見交換等を行なっています。そのため、今後は市民協働会議等の場を通して意見交換していただけるようお願いいたします。
質問1について
ワークショップ等でもご説明してきたところですが、工事の目的は、帯広市、音更町、幕別町における洪水に対する安全度を高めることを目的としたものです。
(当会は、「5月8日付け北海道新聞によると、この工事の目的は『水害への備えと、人口集積地帯広の保護にある』とされているが、これで相違ないか。またそのほかの目的があれば明らかにしていただきたい。」と質問しました。北海道新聞社への説明と異なり、抽象的な回答をするのはなぜでしょう。)
質問2について
相生中島地区では、平成14年に参加者を公募して行なったワークショップにおいて川づくり案をまとめ、平成17年からの「十勝川相生中島地区市民協働会議」を通じた地域のみなさまとの意見交換等を踏まえ工事内容を決定し、平成20年度に工事着手しました。
(当会の質問、すなわち「この計画がいつ立案され、いつ決定されたか明らかにしていただきたい」は、行政内部での計画立案と決定過程を聞いているのですが、理解できなかったのか、的外れの回答です。)
質問3について
今年1月に公開で行なった意見交換会でもご説明しているように、当該区間を含む十勝川中下流では、昭和37年8月に戦後最大の洪水が発生しています。これに対して現状の河道では危険な状態が想定されることから、河道の掘削等の対策が必要と考えています。なお昭和56年の大雨では、上流で氾濫したことなどにより、帯広市内では内水氾濫にとどまっています。
(当会は「1981年の大雨でも帯広は洪水災害に見舞われなかったが、現在の流路状態の場合、どれほどの降雨量があると帯広の市街地に洪水災害が発生すると認識しているのか説明していただきたい。またそれはどれほどの確率(降雨確率)で生じるかについても明らかにしていただきたい。」と質問しましたが、不都合があるのでしょうか、質問に答えていません。)
質問4について
今回実施する河道掘削は、直線化ではなく、現在の低水路よりも右岸側の高水敷に、洪水時のみ流れる水路を掘削するものです。通常時は、現在の河道を流れることになります。
相生中島地区を含む当面の十勝川の改修は、戦後最大の洪水に対して安全な川づくりをするものです。
(当会は「今回計画している水路による直線化によって、現状よりもどれくらい水位上昇を抑えることに役立つと予測しているのか明らかにしていただきたい。」と質問したのですが、前問と同様質問に答えていません。なお、質問6への回答で「洪水時の水位低下により治水安全度は向上します」と断言しているのですから、数値を明らかして回答してもらわなければなりません。)
質問5について
平成15年の第1~4回ワークショップで、今回のように洪水時のみ流れる浅い水路を掘削する案以外に、新たに低水路を掘削する案、現在の低水路断面を拡幅する案、現在の札内川との合流点よりも上流で札内川と合流させる案等について意見交換を行なっています。
(当会は「『人口集積地帯広の保護』という目的を実現するために、今回の水路掘削以外の方策について検討したのであれば、その方策について明らかにしていただきたい。」と質問しました。回答で、幾つかの案を検討したことが明らかになりましたが、きちんと採択の理由まで書いてほしいものです。)
質問6について
当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであり、洪水時の水位低下により治水安全度は向上しますが、通常時の流れは現在と変わらないことから、上下流域や流入する支川等への影響はないと考えています。
(当会の質問は「今回の直線化によって上流域・下流域さらに流入する音更川・札内川・帯広川への影響について検討しているのであれば明らかにしていただきたい。」でした。河川について一定の知識を有する行政機関に対して質問したつもりですので、質問文ではこまごました説明を省略しましたが、この回答には驚かされました。河川は、洪水時の浸食・運搬・堆積作用によって大きく変貌します。これは常識でしょう。洪水時に掘削水路を流れることによる周囲への影響を質問したのです。)
質問7について
当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであるため、札内川との合流点を変更するものではありません。
(当会は「当該地域における十勝川の大きな蛇行は、札内川との合流のために生じていると当会は認識している。今回の工事はそれを人為により強制的に変更することになるが、帯広川のような河口閉塞が発生する可能性についてどのように考えているか見解を明らかにしていただきたい。」と質問しました。不都合だからとぼけているのか、なんともお粗末な回答です。)
期日までに回答があったのはいいのですが、回答内容はひどいものでした。肝心なことにこたえず、はぐらかしに終始しているのです。括弧内に回答の問題点を指摘しました。
このような回答でお茶を濁し、あとは「十勝川相生中島地区市民協働会議」の場で意見交換してほしいとのこと。可笑しなことをいうものです。この市民協働会議なるものは水路掘削に同意したうえで話し合っているのであり、当会とは考え方や立場があまりにも違います。このようないい加減な回答しかせずに協働会議への参加を呼びかけるとは、どういうつもりでしょうか?
NGOが行政とどのような方式で話し合うかについて、行政から指図される筋合いではありません。行政としての立場をわきまえない提案であるということを指摘しておきましょう。
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平成21年6月19日
十勝自然保護協会
会長 安藤御史 様
帯広開発建設部 治水課長
相生中島地区における十勝川水路工事についての質問書(回答)
平素より、帯広開発建設部事業に格段にご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、2009年6月7日付け質問書の件に関して、下記のとおり回答させて頂きます。
なお、当部といたしましては、相生中島地区の掘削工事に関しては、平成14年から参加者を公募したワークショップを11回開催し川づくり案をまとめました。更に平成17年からは「十勝川相生中島地区市民協働会議」を通じて意見交換等を行なっています。そのため、今後は市民協働会議等の場を通して意見交換していただけるようお願いいたします。
質問1について
ワークショップ等でもご説明してきたところですが、工事の目的は、帯広市、音更町、幕別町における洪水に対する安全度を高めることを目的としたものです。
(当会は、「5月8日付け北海道新聞によると、この工事の目的は『水害への備えと、人口集積地帯広の保護にある』とされているが、これで相違ないか。またそのほかの目的があれば明らかにしていただきたい。」と質問しました。北海道新聞社への説明と異なり、抽象的な回答をするのはなぜでしょう。)
質問2について
相生中島地区では、平成14年に参加者を公募して行なったワークショップにおいて川づくり案をまとめ、平成17年からの「十勝川相生中島地区市民協働会議」を通じた地域のみなさまとの意見交換等を踏まえ工事内容を決定し、平成20年度に工事着手しました。
(当会の質問、すなわち「この計画がいつ立案され、いつ決定されたか明らかにしていただきたい」は、行政内部での計画立案と決定過程を聞いているのですが、理解できなかったのか、的外れの回答です。)
質問3について
今年1月に公開で行なった意見交換会でもご説明しているように、当該区間を含む十勝川中下流では、昭和37年8月に戦後最大の洪水が発生しています。これに対して現状の河道では危険な状態が想定されることから、河道の掘削等の対策が必要と考えています。なお昭和56年の大雨では、上流で氾濫したことなどにより、帯広市内では内水氾濫にとどまっています。
(当会は「1981年の大雨でも帯広は洪水災害に見舞われなかったが、現在の流路状態の場合、どれほどの降雨量があると帯広の市街地に洪水災害が発生すると認識しているのか説明していただきたい。またそれはどれほどの確率(降雨確率)で生じるかについても明らかにしていただきたい。」と質問しましたが、不都合があるのでしょうか、質問に答えていません。)
質問4について
今回実施する河道掘削は、直線化ではなく、現在の低水路よりも右岸側の高水敷に、洪水時のみ流れる水路を掘削するものです。通常時は、現在の河道を流れることになります。
相生中島地区を含む当面の十勝川の改修は、戦後最大の洪水に対して安全な川づくりをするものです。
(当会は「今回計画している水路による直線化によって、現状よりもどれくらい水位上昇を抑えることに役立つと予測しているのか明らかにしていただきたい。」と質問したのですが、前問と同様質問に答えていません。なお、質問6への回答で「洪水時の水位低下により治水安全度は向上します」と断言しているのですから、数値を明らかして回答してもらわなければなりません。)
質問5について
平成15年の第1~4回ワークショップで、今回のように洪水時のみ流れる浅い水路を掘削する案以外に、新たに低水路を掘削する案、現在の低水路断面を拡幅する案、現在の札内川との合流点よりも上流で札内川と合流させる案等について意見交換を行なっています。
(当会は「『人口集積地帯広の保護』という目的を実現するために、今回の水路掘削以外の方策について検討したのであれば、その方策について明らかにしていただきたい。」と質問しました。回答で、幾つかの案を検討したことが明らかになりましたが、きちんと採択の理由まで書いてほしいものです。)
質問6について
当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであり、洪水時の水位低下により治水安全度は向上しますが、通常時の流れは現在と変わらないことから、上下流域や流入する支川等への影響はないと考えています。
(当会の質問は「今回の直線化によって上流域・下流域さらに流入する音更川・札内川・帯広川への影響について検討しているのであれば明らかにしていただきたい。」でした。河川について一定の知識を有する行政機関に対して質問したつもりですので、質問文ではこまごました説明を省略しましたが、この回答には驚かされました。河川は、洪水時の浸食・運搬・堆積作用によって大きく変貌します。これは常識でしょう。洪水時に掘削水路を流れることによる周囲への影響を質問したのです。)
質問7について
当該工事は、現在の低水路を残したうえで右岸側の高水敷に洪水時のみ流れる水路を掘削するものであるため、札内川との合流点を変更するものではありません。
(当会は「当該地域における十勝川の大きな蛇行は、札内川との合流のために生じていると当会は認識している。今回の工事はそれを人為により強制的に変更することになるが、帯広川のような河口閉塞が発生する可能性についてどのように考えているか見解を明らかにしていただきたい。」と質問しました。不都合だからとぼけているのか、なんともお粗末な回答です。)
幌加調整池通砂バイパストンネル工事についての要望と回答
居辺川砂防事業への質問に対する回答
平成27年度治水事業についての質問と意見に対する回答
平成27年度治水事業概要書についての質問と意見
「2015年8月17日付居辺川砂防事業計画についての申し入れ」の回答への質問
北電の新得発電所建設計画環境影響評価方法書に意見書
居辺川砂防事業への質問に対する回答
平成27年度治水事業についての質問と意見に対する回答
平成27年度治水事業概要書についての質問と意見
「2015年8月17日付居辺川砂防事業計画についての申し入れ」の回答への質問
北電の新得発電所建設計画環境影響評価方法書に意見書
Posted by 十勝自然保護協会 at 06:53│Comments(0)
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