十勝自然保護協会 活動速報 › 河川・ダム › 然別川水系三の沢砂防ダム改修工事のその後動き
2010年02月19日
然別川水系三の沢砂防ダム改修工事のその後動き
帯広土木現業所の昨年12月7日付け新提案について、昨年12月22日付けで当会の見解を送付しました。これに対し1月5日付けで下記の文書が帯広土木現業所から届きました。これによると、自分たちの提案通りダム中央にスリットをいれて鉄棒を横に入れる「鋼製横桟併用スリット」でやりたいとのことでした。その理由は1981年(昭和56年)の大洪水規模に対応するために必要とのことです。そこで当会は、その時の現場の災害状況を写真で明らかにしてもらいたいと口頭で要請しました。もし本当に現場が大災害に見舞われたのなら速やかに写真で説明することでしょう。
十勝自然保護協会会長
安 藤 御 史 様
厳冬の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、2009年12月7日付け「然別川水系三の沢砂防ダム改修工事新提案についての見解」について、当方の見解を示します。
ご承知のとおり、既存の三の沢砂防ダムは、土砂礫の流下を調節する事を主目的に設置されたものです。
今回、当方が提案した「鋼製横桟※1併用スリット」への改修も土砂礫の流下を調節する事を主目的としています。
「鋼製横桟併用スリット」は、スリット部が土砂礫で閉塞することによって土砂礫を捕捉する施設であることから流下する土砂礫の捕捉機能を確実に確保するためスリット上下方向にも鋼製横桟が必要となります。
今回、貴会から「鋼製横棒は不要である」旨の見解が示されたことに対し当方の見解を以下に示します。
○貴会の見解
1.三の沢ダムの1Kmほど上流に曲流部があるが、この曲流は岩体に流路が妨げられることによって生じている。このため三の沢川の土石運搬力はここでそがれると考えられる。つまり上流からの巨磯の移動はここで制限され、砂防ダム堤体にまで到達するものはごく限られると推測される。
◇当方の見解
当方で想定している土砂礫の流下は、昭和56年の土砂移動実態より土石流を想定しています。
土石流は、水の力で流れ下るものではなく、土砂の力でながれ下るもので一度にどっと流れ下る集合運搬の形態をとることから通常の流水による土砂移動とは違います。
土石流は計り知れないエネルギーを持っている事から、貴会の推測を肯定することは難しいと考えています。
○貴会の見解
2.砂防ダム堤体にスリットを入れると、ボトルネック効果が働き洪水時の流速が減少することが予想される。このため上流からの巨礫の移動は抑制されると推測される。
◇当方の見解
今回、設置を予定している「鋼製横桟併用スリット」は、土砂礫の捕捉を目的に設置するもので、貴会ご指摘のとおり砂防ダム地点においてボトルネック効果を最大限発現させるためにスリット上下方向にも鋼製横桟を配置して土砂礫を確実に捕挺することが必要となります。
○貴会の見解
3.仮に巨磯がこのスリットを抜けたとしても、下流において人的被害が発生する状況にない。
◇当方の見解
「下流において人的被害が発生する状況にない」には同意しかねます。
砂防ダム下流には、道道然別峡線があることや昭和56年に土砂礫の流下実績があることから予見不可能な条件下における人的被害の発生についても配慮が必要と考えています。
当該ダムは、昭和56年の土砂礫の流下を契機に建設されたダムであることから、再度の土砂礫の流下を調節する事を主目的としていますが、今回のスリット化に伴い魚道並びにその他の諸効果も期待するものです。
したがいまして、当ダムの改隆は、前回お示ししたとおり「鋼製横桟併用スリット」による改善を行う事と致します。ご理解いただけます様お願い申し上げます。
(※1:貴会表現の「鋼製横棒」は当方の表現として「鋼製横桟」とした。)
****************
平成22年1月5日
帯土鹿出第674号
帯土鹿出第674号
十勝自然保護協会会長
安 藤 御 史 様
帯広土木現業所
鹿追出張所 山田芳弘
鹿追出張所 山田芳弘
「然別川水系三の沢砂防ダム改修工事新提案についての見解」
に対する当方の見解について
に対する当方の見解について
厳冬の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、2009年12月7日付け「然別川水系三の沢砂防ダム改修工事新提案についての見解」について、当方の見解を示します。
ご承知のとおり、既存の三の沢砂防ダムは、土砂礫の流下を調節する事を主目的に設置されたものです。
今回、当方が提案した「鋼製横桟※1併用スリット」への改修も土砂礫の流下を調節する事を主目的としています。
「鋼製横桟併用スリット」は、スリット部が土砂礫で閉塞することによって土砂礫を捕捉する施設であることから流下する土砂礫の捕捉機能を確実に確保するためスリット上下方向にも鋼製横桟が必要となります。
今回、貴会から「鋼製横棒は不要である」旨の見解が示されたことに対し当方の見解を以下に示します。
○貴会の見解
1.三の沢ダムの1Kmほど上流に曲流部があるが、この曲流は岩体に流路が妨げられることによって生じている。このため三の沢川の土石運搬力はここでそがれると考えられる。つまり上流からの巨磯の移動はここで制限され、砂防ダム堤体にまで到達するものはごく限られると推測される。
◇当方の見解
当方で想定している土砂礫の流下は、昭和56年の土砂移動実態より土石流を想定しています。
土石流は、水の力で流れ下るものではなく、土砂の力でながれ下るもので一度にどっと流れ下る集合運搬の形態をとることから通常の流水による土砂移動とは違います。
土石流は計り知れないエネルギーを持っている事から、貴会の推測を肯定することは難しいと考えています。
○貴会の見解
2.砂防ダム堤体にスリットを入れると、ボトルネック効果が働き洪水時の流速が減少することが予想される。このため上流からの巨礫の移動は抑制されると推測される。
◇当方の見解
今回、設置を予定している「鋼製横桟併用スリット」は、土砂礫の捕捉を目的に設置するもので、貴会ご指摘のとおり砂防ダム地点においてボトルネック効果を最大限発現させるためにスリット上下方向にも鋼製横桟を配置して土砂礫を確実に捕挺することが必要となります。
○貴会の見解
3.仮に巨磯がこのスリットを抜けたとしても、下流において人的被害が発生する状況にない。
◇当方の見解
「下流において人的被害が発生する状況にない」には同意しかねます。
砂防ダム下流には、道道然別峡線があることや昭和56年に土砂礫の流下実績があることから予見不可能な条件下における人的被害の発生についても配慮が必要と考えています。
当該ダムは、昭和56年の土砂礫の流下を契機に建設されたダムであることから、再度の土砂礫の流下を調節する事を主目的としていますが、今回のスリット化に伴い魚道並びにその他の諸効果も期待するものです。
したがいまして、当ダムの改隆は、前回お示ししたとおり「鋼製横桟併用スリット」による改善を行う事と致します。ご理解いただけます様お願い申し上げます。
(※1:貴会表現の「鋼製横棒」は当方の表現として「鋼製横桟」とした。)
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