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2010年03月18日
三の沢砂防ダム改修工事で国交大臣に申入れ
さる3月6日、三の沢砂防ダム改修工事の工法を巡って帯広土現と話し合いを行ないました。1981年の豪雨の際、土石流が現在のダム地点の下流に流れ下った写真はないので証明できないが、直径60cm以上の巨礫が流下するのを防ぐため鋼鉄の横棒が絶対必要だ「横桟併用スリット(コンクリートスリット)」で工事をすると譲りません。そこで当会はダム問題に熱心な前原国交大臣に下の申入れをしました。真摯な対応を期待したいと思います。
国土交通大臣 前原誠司様
時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、北海道十勝地方北部の然別川水系の三の沢砂防ダムにおいて、北海道帯広土木現業所(以下、帯広土現)によって魚道整備を名目に「横桟併用スリット(コンクリートスリット)」工事が計画されています。しかし、当会は三の沢川の流況実態から横桟は不要であると考えており、帯広土現にその旨申し入れましたが、帯広土現はこれを聞き入れず、新年度早々に北海道開発局を経由して貴職に工事申請をするとの態度を表明しました。
つきましては、本川の実態を詳細に把握のうえ、無駄な税金が投入されることのないようこの工事の妥当性を評価していただきたく申し入れます。
なお、当会が横桟を不要としましたのは、以下の理由によります。
この流域は、1981(昭和56)年に300年に1度の降雨確率とされる大洪水に見舞われました。このためこの水系には多数の砂防ダムが建設されました。帯広土現は、これらの砂防ダム群のひとつである三の沢砂防ダムにおいて、当初「鋼製スリット」による工事をしたいと説明しましたが、当会が本川の流況実態から鋼製工作物は不要であると指摘し、「横桟併用スリット」に変更することになりました。
さらに当会が横桟の必要性について質問したところ、帯広土現は1981年の大雨の際に土石流が三の沢砂防ダム地点の下流にまで達しており、横桟を入れることで巨礫の流下を止める必要があると主張しています。しかし、三の沢砂防ダムの下流の河岸には、1981年以前からの立木が存在し、土石流堆積物とおぼしき地形は認められません。当会が帯広土現に1981年の土石流の実態を示す写真を見せるよう求めたところ、帯広土現は三の沢砂防ダム下流の1981年洪水直後の写真はないので土石流の発生があったことを証明できないと明言しました。このように土石流による巨礫の流下防止に必要という横桟の必要性が十分説明されていません。不要なものの取り付け工事は、税金の無駄使い以外の何物でもありません。
なお、然別川水系には三の沢ダムと同様の魚道のない砂防ダムが他にもあり、今後、三の沢ダムと同じ工法で改修工事が行われる可能性が高いと考えられます。不要なものに税金を投入しないためにも、現時点で工事の妥当性をきちんと評価することを重ねて求めます。
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2010年3月15日
国土交通大臣 前原誠司様
十勝自然保護協会会長 安藤御史
北海道然別川水系三の沢砂防ダム改修工事についての申入れ
時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、北海道十勝地方北部の然別川水系の三の沢砂防ダムにおいて、北海道帯広土木現業所(以下、帯広土現)によって魚道整備を名目に「横桟併用スリット(コンクリートスリット)」工事が計画されています。しかし、当会は三の沢川の流況実態から横桟は不要であると考えており、帯広土現にその旨申し入れましたが、帯広土現はこれを聞き入れず、新年度早々に北海道開発局を経由して貴職に工事申請をするとの態度を表明しました。
つきましては、本川の実態を詳細に把握のうえ、無駄な税金が投入されることのないようこの工事の妥当性を評価していただきたく申し入れます。
なお、当会が横桟を不要としましたのは、以下の理由によります。
この流域は、1981(昭和56)年に300年に1度の降雨確率とされる大洪水に見舞われました。このためこの水系には多数の砂防ダムが建設されました。帯広土現は、これらの砂防ダム群のひとつである三の沢砂防ダムにおいて、当初「鋼製スリット」による工事をしたいと説明しましたが、当会が本川の流況実態から鋼製工作物は不要であると指摘し、「横桟併用スリット」に変更することになりました。
さらに当会が横桟の必要性について質問したところ、帯広土現は1981年の大雨の際に土石流が三の沢砂防ダム地点の下流にまで達しており、横桟を入れることで巨礫の流下を止める必要があると主張しています。しかし、三の沢砂防ダムの下流の河岸には、1981年以前からの立木が存在し、土石流堆積物とおぼしき地形は認められません。当会が帯広土現に1981年の土石流の実態を示す写真を見せるよう求めたところ、帯広土現は三の沢砂防ダム下流の1981年洪水直後の写真はないので土石流の発生があったことを証明できないと明言しました。このように土石流による巨礫の流下防止に必要という横桟の必要性が十分説明されていません。不要なものの取り付け工事は、税金の無駄使い以外の何物でもありません。
なお、然別川水系には三の沢ダムと同様の魚道のない砂防ダムが他にもあり、今後、三の沢ダムと同じ工法で改修工事が行われる可能性が高いと考えられます。不要なものに税金を投入しないためにも、現時点で工事の妥当性をきちんと評価することを重ねて求めます。
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