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十勝自然保護協会 活動速報 › 河川・ダム › 十勝川水系河川整備計画(案)に当会の意見は反映されたか(2)

2010年07月09日

十勝川水系河川整備計画(案)に当会の意見は反映されたか(2)

3.多自然川づくり
 当会は、「多自然川づくり」の記述には問題があるとして、次のように指摘しました。

 原案の18ページには「平成2年からは、現在の多自然川づくりの先駆けともいえるAGSの思想が、河道設計や河岸保護工等に活かされてきた」とし、下頃辺川の例が掲載されています。
 下頃辺川の例とは、低平地の小河川である下頃辺川に巨石を配置したものです。巨石の供給源となる山岳地帯から遠く離れた、この小河川には本来巨石など存在しません。このような「多自然川づくり」は、庭園作りの発想であり、自然の対極にある「不自然」川づくりとでもいうべきものです。
 原案でも、多自然川づくりについて、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境および多様な河川景観を保全・創出するための河川管理、と定義しているのであって、本来ないものを創出することなど、原案の定義とも反します。したがって、この下頃辺川の事例は削除するか、不適切な反省例として掲載されなければなりません。

これに対して、開発建設部は次のような見解を明らかにしました。

 下頃辺川のAGS については、現在の多自然川づくりの先駆けとも言えるものであることから、これを治水事業の沿革として紹介したものですが、試行的に取り組んだ事業であり、本文を以下のように修正するとともに、横断図を削除しました。
 平成2 年からは、現在の多自然川づくりの先駆けともいえるAGS(Aqua Green Strategy)の取り組みを行ってきた。(P.18)

 このように、こちらの指摘により「AGSの思想が、河道設計や河岸保護工等に活かされてきた」を削除したのですが、「不自然川づくり」である「多自然川づくり」については反省することを拒否しています。


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Posted by 十勝自然保護協会 at 21:17│Comments(0)河川・ダム
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