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2012年07月31日
新岩松発電所新設工事環境影響評価準備書縦覧中
8月21日まで新岩松発電所新設工事環境影響評価準備書が縦覧されます。昨年、当会は新岩松発電所新設工事環境影響評価方法書に対し下記の意見書を提出しました。事業者である北電は、当会の意見を無視できず、この準備書で一定の修正をしていることが判明しました。当会の意見に対する北電の見解は下記でみることができます。
http://www.hepco.co.jp/shiniwamatsu_assess/pdf/assess_01_14.pdf
では、この準備書に問題はないのかというとそうではありません。いま意見書を準備中です。
この準備書はhttp://www.hepco.co.jp/shiniwamatsu_assess/assess_01.htmlでみることができます。意見書の締め切りは9月4日です。
Ⅰ.方法書の不備について
新岩松発電所新設工事環境影響評価方法書(以下、「方法書」という)には、見逃せない欠陥があるので指摘する。
1.方法書15頁「6事業計画の立案に際して行った環境への配慮」に野生動物への配慮の項がないのは問題である。工事場所の立地を考えるならば、野生動物への配慮を記述すべきである。
2.同頁「(3)緑化」で「緑地に復元する計画である」としているが、「緑地に復元」では意味をなさない。「復元」というのであれば、「かつての植生に復元」あるいは「本来の植生に復元」とでもすべきである。
3.33頁「5動植物の生息又は生育、植生等の状況(既存資料調査結果)」は既存資料の対象範囲を対象事業実施区域近隣としているが、近隣の定義がなされていないので対象範囲が曖昧である。対象範囲を明確にすべきである。
4.美蔓地区国営かんがい排水事業の実施区域は、上記の既存資料の対象範囲に含まれるが、同事業の調査報告書が参考文献として挙げられていないのは問題である。文献調査に不備があるといわなければならない。
5.52頁「5の3)生態系の状況(1)生態系の概況」②河畔林⑥水域」にシマフクロウの記載がないのは問題である。隣接する水系に繁殖個体が存在するという事実を無視すべきではない。
6.同頁「5の3)生態系の状況(2)地域を特徴付ける生態系の抽出及び注目種・群集の抽出」にナキウサギの記載がないのは問題である。
Ⅱ.方法書の不備と事業者の姿勢
Ⅰで指摘した記述の不備は、この方法書作成者である北海道電力株式会社の環境保全あるいは自然保護への姿勢と関係しているといわなければならない。
120頁の表5-2-1(10)において重要な種としてナキウサギ、シマフクロウ、イトウをあげているにも関わらず、上記Ⅰの5および6で指摘したようにシマフクロウやナキウサギを記載していない。これは、今回の工事がこれらの種に影響を与えることを隠そう、あるいは知られまいとの意図が読み取れる。また、上記Ⅰの4で指摘したように、重要な情報が記載されている文献を無視している。このようなアンフェアーな姿勢で、はたして客観的な野生動物への影響評価ができるのであろうか、大いに疑問である。
Ⅲ.結論
Ⅱで指摘した当会の疑念を払拭するためにも、Ⅰで指摘した事項を真摯に検討し、この方法書を書き直すことを求める。
また、方法書の縦覧において、複写を禁止していたが、このことについて一言いっておきたい。
広い北海道において、限定された縦覧場所に出向くのは時間を要するものである。そして、それなりのボリュームがある方法書をきちんと読むためには多くの時間を要するものである。もし、多くの道民にこの方法書を読んでもらい、広く意見を求める姿勢があるのなら、少なくとも複写を禁止するようなことはやめるべきである。
当会の意見書に異論があるのであれば、北海道電力株式会社の見解を明らかにしていただきたい。
http://www.hepco.co.jp/shiniwamatsu_assess/pdf/assess_01_14.pdf
では、この準備書に問題はないのかというとそうではありません。いま意見書を準備中です。
この準備書はhttp://www.hepco.co.jp/shiniwamatsu_assess/assess_01.htmlでみることができます。意見書の締め切りは9月4日です。
新岩松発電所新設工事環境影響評価方法書への意見書
Ⅰ.方法書の不備について
新岩松発電所新設工事環境影響評価方法書(以下、「方法書」という)には、見逃せない欠陥があるので指摘する。
1.方法書15頁「6事業計画の立案に際して行った環境への配慮」に野生動物への配慮の項がないのは問題である。工事場所の立地を考えるならば、野生動物への配慮を記述すべきである。
2.同頁「(3)緑化」で「緑地に復元する計画である」としているが、「緑地に復元」では意味をなさない。「復元」というのであれば、「かつての植生に復元」あるいは「本来の植生に復元」とでもすべきである。
3.33頁「5動植物の生息又は生育、植生等の状況(既存資料調査結果)」は既存資料の対象範囲を対象事業実施区域近隣としているが、近隣の定義がなされていないので対象範囲が曖昧である。対象範囲を明確にすべきである。
4.美蔓地区国営かんがい排水事業の実施区域は、上記の既存資料の対象範囲に含まれるが、同事業の調査報告書が参考文献として挙げられていないのは問題である。文献調査に不備があるといわなければならない。
5.52頁「5の3)生態系の状況(1)生態系の概況」②河畔林⑥水域」にシマフクロウの記載がないのは問題である。隣接する水系に繁殖個体が存在するという事実を無視すべきではない。
6.同頁「5の3)生態系の状況(2)地域を特徴付ける生態系の抽出及び注目種・群集の抽出」にナキウサギの記載がないのは問題である。
Ⅱ.方法書の不備と事業者の姿勢
Ⅰで指摘した記述の不備は、この方法書作成者である北海道電力株式会社の環境保全あるいは自然保護への姿勢と関係しているといわなければならない。
120頁の表5-2-1(10)において重要な種としてナキウサギ、シマフクロウ、イトウをあげているにも関わらず、上記Ⅰの5および6で指摘したようにシマフクロウやナキウサギを記載していない。これは、今回の工事がこれらの種に影響を与えることを隠そう、あるいは知られまいとの意図が読み取れる。また、上記Ⅰの4で指摘したように、重要な情報が記載されている文献を無視している。このようなアンフェアーな姿勢で、はたして客観的な野生動物への影響評価ができるのであろうか、大いに疑問である。
Ⅲ.結論
Ⅱで指摘した当会の疑念を払拭するためにも、Ⅰで指摘した事項を真摯に検討し、この方法書を書き直すことを求める。
また、方法書の縦覧において、複写を禁止していたが、このことについて一言いっておきたい。
広い北海道において、限定された縦覧場所に出向くのは時間を要するものである。そして、それなりのボリュームがある方法書をきちんと読むためには多くの時間を要するものである。もし、多くの道民にこの方法書を読んでもらい、広く意見を求める姿勢があるのなら、少なくとも複写を禁止するようなことはやめるべきである。
当会の意見書に異論があるのであれば、北海道電力株式会社の見解を明らかにしていただきたい。
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「2015年8月17日付居辺川砂防事業計画についての申し入れ」の回答への質問
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Posted by 十勝自然保護協会 at 20:37│Comments(0)
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