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2015年11月23日
帯広建設管理部「川づくりワーキング」のアンフェアーな資料
帯広建設管理部(以下、管理部)による「第1回北海道の管理河川の川づくりワーキング」が11月4日に開催されました(その様子は十勝総合振興局のホームページhttp://www.tokachi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/okk/H27kawadukuri-WG01.htmで知ることができます)。
当会と管理部は北海道で最も深刻な河床低下が生じている渋山川と大がかりな砂防事業を計画している居辺川について2012年から話し合いを重ねてきました。このような経緯を無視し、当会と協議することもなく、今回渋山川と居辺川も加えて「川づくりワーキング」なるものを始めました。
11月4日の川づくりワーキングに「居辺川・渋山川に関するこれまでの質問等と回答」として提出された資料(資料3)http://www.tokachi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/okk/20151104kawadukurishiryou3.pdfをホームページで見て驚きました。当会との質疑を無視したり歪曲したりしているからです。
居辺川についての当会との質疑で、床固工を12基計画しているにもかかわらず6基のみでシミュレーションしたことを明らかになっていますし、切り欠き部に流木等が詰まる可能性があるにもかかわらずシミュレーションでは想定していないことも明らかになっています。しかし、今回の資料ではこのことにいっさい触れていません。
また、当会の今年8月17日付申入れでは「災害復旧事業により、旧東居辺小学校付近の護岸の強化、上流居辺橋の架け替えなどがなされており、すでに対策は講じられていると考える」と書いているのですが、「H15年8月のような被災への対策は、すでに講じられているのではないか」と勝手に曖昧な表現に書き換えています。
渋山川については、当会と管理部の間で下記のような書面のやりとりがあったのですが、よほど都合が悪いようで、これを黙殺してしまいました。
ほかにもオヤと思うことがあります。当会との話し合いの中で居辺川の河床低下の原因は流域の土地利用の変化(森林の農耕地化)により河川の最大流量が大きくなったからだと説明し、砂防工事では昭和52年の河川環境に戻すことを目指すと語っていましたが、今回の資料http://www.tokachi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/okk/20151104kawadukurishiryou2-4.pdfの中にそのような記述はみあたりません。
議論の素材となる事実を参集者に明らかにしないで、公正な議論など進められません。いまの時代にこのようなアンフェアーな河川行政がなされていることに怒りを覚えます。
当会の質問と申入れ(2012年8月16日付)に対する帯広建設管理部の回答(2012年11月29日付)は以下のとおりです。
1.渋山川の工事に当たって、どのようなことを検討してこの工法が決定されたのか。
(管理部回答)渋山川の砂防事業は昭和37年8月3日の台風9号による下流農地の冠水被害を契機として、山腹の崩壊拡大の防止及び渓床に堆積した不安定土砂の流出防止を目的として昭和42年度に1号ダム、昭和45年度に2号ダムが設置され、その後昭和46年度から平成元年度まで、縦断勾配の規制による渓岸浸食の防止のため流路工を施工しました。
2.なぜこのような河床低下を予測できなかったのか。
(管理部回答)流路工には落差工(床固工)を併設し、その設置区間については河床の安定が計られています。建設当時は1号落差工(床固工)の直下の河床低下については、落差工(床固工)による水流の減勢効果により影響がないと考えておりました。砂防ダム及び流路工の設計時には土質調査ボーリングを実施し、地盤の支持力等を検討し構造物の計算を行っていますが、地層の分布など広く地質を把握するまでには至っておらず、このような河床低下を予測することはできませんでした。
3.この惨状から何を汲み取って今後に生かそうとしているのか。
(管理部回答)地質の知識が十分でなかったことは反省し、これ以上河床低下を進行させないために、1号落差工(床固工)を経て落下する流水の減勢を図ることが重要であり、またそれと同時に横方向の河岸浸食を防止するためある程度の河岸保護が必要と考えていますので、今後検討する必要があると考えております。
4.渋山川のかつての河川形態や河床の地質を研究し、蛇行を復元するなどして河川勾配を緩やかにし河床の洗堀が進行しない抜本的対策を検討するよう申し入れる。
(管理部回答)流水のスムーズな流下を計るため、直線に近いことが望ましいとの観点で直線化した河道の周辺に、現在の土地利用がなされている事から、蛇行の復元は難しいと思われます。河床の洗堀が進行しない抜本的対策については、河川形態や河床の地質に配慮し、今後も検討していきたいと考えております。
当会と管理部は北海道で最も深刻な河床低下が生じている渋山川と大がかりな砂防事業を計画している居辺川について2012年から話し合いを重ねてきました。このような経緯を無視し、当会と協議することもなく、今回渋山川と居辺川も加えて「川づくりワーキング」なるものを始めました。
11月4日の川づくりワーキングに「居辺川・渋山川に関するこれまでの質問等と回答」として提出された資料(資料3)http://www.tokachi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/okk/20151104kawadukurishiryou3.pdfをホームページで見て驚きました。当会との質疑を無視したり歪曲したりしているからです。
居辺川についての当会との質疑で、床固工を12基計画しているにもかかわらず6基のみでシミュレーションしたことを明らかになっていますし、切り欠き部に流木等が詰まる可能性があるにもかかわらずシミュレーションでは想定していないことも明らかになっています。しかし、今回の資料ではこのことにいっさい触れていません。
また、当会の今年8月17日付申入れでは「災害復旧事業により、旧東居辺小学校付近の護岸の強化、上流居辺橋の架け替えなどがなされており、すでに対策は講じられていると考える」と書いているのですが、「H15年8月のような被災への対策は、すでに講じられているのではないか」と勝手に曖昧な表現に書き換えています。
渋山川については、当会と管理部の間で下記のような書面のやりとりがあったのですが、よほど都合が悪いようで、これを黙殺してしまいました。
ほかにもオヤと思うことがあります。当会との話し合いの中で居辺川の河床低下の原因は流域の土地利用の変化(森林の農耕地化)により河川の最大流量が大きくなったからだと説明し、砂防工事では昭和52年の河川環境に戻すことを目指すと語っていましたが、今回の資料http://www.tokachi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/okk/20151104kawadukurishiryou2-4.pdfの中にそのような記述はみあたりません。
議論の素材となる事実を参集者に明らかにしないで、公正な議論など進められません。いまの時代にこのようなアンフェアーな河川行政がなされていることに怒りを覚えます。
当会の質問と申入れ(2012年8月16日付)に対する帯広建設管理部の回答(2012年11月29日付)は以下のとおりです。
1.渋山川の工事に当たって、どのようなことを検討してこの工法が決定されたのか。
(管理部回答)渋山川の砂防事業は昭和37年8月3日の台風9号による下流農地の冠水被害を契機として、山腹の崩壊拡大の防止及び渓床に堆積した不安定土砂の流出防止を目的として昭和42年度に1号ダム、昭和45年度に2号ダムが設置され、その後昭和46年度から平成元年度まで、縦断勾配の規制による渓岸浸食の防止のため流路工を施工しました。
2.なぜこのような河床低下を予測できなかったのか。
(管理部回答)流路工には落差工(床固工)を併設し、その設置区間については河床の安定が計られています。建設当時は1号落差工(床固工)の直下の河床低下については、落差工(床固工)による水流の減勢効果により影響がないと考えておりました。砂防ダム及び流路工の設計時には土質調査ボーリングを実施し、地盤の支持力等を検討し構造物の計算を行っていますが、地層の分布など広く地質を把握するまでには至っておらず、このような河床低下を予測することはできませんでした。
3.この惨状から何を汲み取って今後に生かそうとしているのか。
(管理部回答)地質の知識が十分でなかったことは反省し、これ以上河床低下を進行させないために、1号落差工(床固工)を経て落下する流水の減勢を図ることが重要であり、またそれと同時に横方向の河岸浸食を防止するためある程度の河岸保護が必要と考えていますので、今後検討する必要があると考えております。
4.渋山川のかつての河川形態や河床の地質を研究し、蛇行を復元するなどして河川勾配を緩やかにし河床の洗堀が進行しない抜本的対策を検討するよう申し入れる。
(管理部回答)流水のスムーズな流下を計るため、直線に近いことが望ましいとの観点で直線化した河道の周辺に、現在の土地利用がなされている事から、蛇行の復元は難しいと思われます。河床の洗堀が進行しない抜本的対策については、河川形態や河床の地質に配慮し、今後も検討していきたいと考えております。
タグ :川づくりワーキング
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