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十勝自然保護協会 活動速報 › 河川・ダム › 川づくりワーキングの説明資料についての質問その2を送付

2015年12月19日

川づくりワーキングの説明資料についての質問その2を送付

 12月3日付の「『北海道管理河川の川づくりワーキング説明資料についての質問」』の回答について」に対し、以下の再質問書を送付しました。

********************


2015年12月17日


十勝総合振興局 帯広建設管理部長 様

十勝自然保護協会


「第1回北海道の管理河川の川づくりワーキング」での説明資料についての質問 その2

 貴職より2015年12月3日付で「『北海道管理河川の川づくりワーキング』での説明資料についての質問(2015年11月19日付)」への回答がありましたが、理解できないところや回答漏れがありますので質問いたします。また4点追加の質問をいたします。年末年始でご多忙とは存じますが、1月8日までに回答いただきますようお願いいたします。

1.12月3日付回答によれば「河道内での土砂堆積により流下能力が低下している状態を河道閉塞としています。」とのことでした。つまり「河道内での土砂堆積により流下能力が低下している状態」を河道閉塞と貴職は定義しているわけですが、閉塞とは「閉じてふさぐこと。ある部分をふさいで他の部分との連絡を断つこと。」というのが字義です。ですから先に示したように砂防広報センターは「川をふさいで水の流れをせき止めることを河道閉塞」と定義しているのです。「河道内での土砂堆積により流下能力が低下している状態」を河道閉塞とする定義は北海道土木部あるいは帯広建設管理部の独自のものなのでしょうか。そのように定義する根拠となる出典(文献など)を示していただきたい。

2.12月3日付回答によれば「砂礫被覆の実績は、他の建設管理部で、河床低下部の埋戻し、帯工等の設置を行っている河川があります。」とのことですが、当会は「施工河川について明らかにしていただきたい」と聞いているのです。他の建設管理部のどこの河川のどのあたりでやっているか回答いただきたい。

3.居辺川についての当会との質疑で、床固工を12基計画しているにもかかわらず6基のみでシミュレーションしたことが明らかになりました。また切り欠き部に流木等が詰まる可能性があるにもかかわらずシミュレーションでは想定していないことも明らかになりました。資料でこのことに触れていないのはなぜでしょうか。

4.当会は2015年8月17日付申入れで「災害復旧事業により、旧東居辺小学校付近の護岸の強化、上流居辺橋の架け替えなどがなされており、すでに対策は講じられていると考える」と書きましたが、資料では「H15年8月のような被災への対策は、すでに講じられているのではないか」と勝手に曖昧な表現に書き換えています。なぜこのような書き換えをおこなったのか説明していただきたい。

5.渋山川については、下記に示すように2012年8月16日付で当会が質問と申入れを行い、2012年11月29日付で貴職から回答がありました。これを資料に掲載しなかったのはなぜでしょうか。
 1.渋山川の工事に当たって、どのようなことを検討してこの工法が決定されたのか。
(管理部回答)渋山川の砂防事業は昭和37年8月3日の台風9号による下流農地の冠水被害を契機として、山腹の崩壊拡大の防止及び渓床に堆積した不安定土砂の流出防止を目的として昭和42年度に1号ダム、昭和45年度に2号ダムが設置され、その後昭和46年度から平成元年度まで、縦断勾配の規制による渓岸浸食の防止のため流路工を施工しました。
 2.なぜこのような河床低下を予測できなかったのか。
(管理部回答)流路工には落差工(床固工)を併設し、その設置区間については河床の安定が計られています。建設当時は1号落差工(床固工)の直下の河床低下については、落差工(床固工)による水流の減勢効果により影響がないと考えておりました。砂防ダム及び流路工の設計時には土質調査ボーリングを実施し、地盤の支持力等を検討し構造物の計算を行っていますが、地層の分布など広く地質を把握するまでには至っておらず、このような河床低下を予測することはできませんでした。
 3.この惨状から何を汲み取って今後に生かそうとしているのか。
(管理部回答)地質の知識が十分でなかったことは反省し、これ以上河床低下を進行させないために、1号落差工(床固工)を経て落下する流水の減勢を図ることが重要であり、またそれと同時に横方向の河岸浸食を防止するためある程度の河岸保護が必要と考えていますので、今後検討する必要があると考えております。
 4.渋山川のかつての河川形態や河床の地質を研究し、蛇行を復元するなどして河川勾配を緩やかにし河床の洗堀が進行しない抜本的対策を検討するよう申し入れる。
(管理部回答)流水のスムーズな流下を計るため、直線に近いことが望ましいとの観点で直線化した河道の周辺に、現在の土地利用がなされている事から、蛇行の復元は難しいと思われます。河床の洗堀が進行しない抜本的対策については、河川形態や河床の地質に配慮し、今後も検討していきたいと考えております。

6.2015年3月30日の当会との話し合いの中で居辺川の河床低下の原因は流域の土地利用の変化(森林の農耕地化)により河川の最大流量が大きくなったからだと説明し、砂防工事では昭和52年の河川環境に戻すことを目指すと語っていましたが、資料にはこの記述が見当たりません。なぜこの点に触れていないのか説明していただきたい。




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Posted by 十勝自然保護協会 at 20:59│Comments(0)河川・ダム
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